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あきたイケメンライン。

2012年01月29日

 私は男性である。
 38年男をやってきて、これからも男以外をやる予定がない。
 男という生き物についてさえ先輩諸氏に比べまだまだ解らぬこと、至らぬことだらけであるのに、ましてや、女性の身になってモノを考える、などというのは一種の離れ業に近い芸当である。
 心のつくりから、身体のつくり、何から何まで違うのであり、「女性の身になって」考える努力や、考えたつもりになることはできても、本当の意味で女性の「感覚」を共有することは非常に難しいと私は思っている。
 誤解を恐れずに言えば、世の中に流布している「女性の目線で」なる多くの物事には、オトコがオンナになったつもりで考え出したような、「なんちゃって女性目線」がかなり含まれているように感じる。

 偉そうなことを言っているが、つまり、私自身も「男」である限り、そうした「なんちゃって」的視点・目線に知らず知らずに捉われているだろうと感じている。
 女性のことは女性に決めていただいたほうがいいし、そういう場や環境、機会を整えることが、とりわけ男性中心の社会を作り上げてきた男達の「努力」であり、決して女性の目線に立って物事を考えたり決めたりすることではないのだろう、というのが私の漠然とした感覚である。

 そんな、「なんちゃって」な私であっても、目に引っかかった文字があった。
 この仕事に就いてから、以前よりさらにいろいろな資料や活字に目を通さなくてはいけなくなったが、逆にそのことにかけられる時間は少なくなった。
 そのせいで、新聞なども右から左、上から下に、とにかく目を走らせていくのだが、不思議と、自分の感覚・感性に違和感を覚えるようなものは、目がちゃんと「引っかかって」くれる。

  あきた美人ライン。

  新しい内陸縦貫鉄道の愛称だと、就任したばかりの新社長が発表されていた。正確には「あきた」と「美人」の間には真っ赤なハートマークが入るようだ。
  「あきた美人ライン」よろしくネ という記事の見出しまで堂々と紙面の一面を飾った。

  率直に言って、一瞬、眩暈にも似た感覚に襲われた。
  品性も知性も感じられない。
  およそ考え付く限りにおいて最もオトコ目線の愛称だ。
  いったいなにがどう、美人ラインなのか、秋田美人なのか、不可解すぎて理解に苦しむ。

  理解の一助になれば、と思い、内陸線のHPを拝見したが、これがまた驚く。
   「日本有数の豪雪地帯を毎日走り続ける1両編成の気動車。オトコの世界を24年間走り続けています。今回「あきた美人ライン」と名前をつけたオンナの鉄道に生まれ変わります。」との説明が。

  なんと、オトコ目線で、内陸線を性転換させてしまったというのだから空いた口がふさがらない。
  前にも別の話題の時に書いたが、「秋田美人」は製品でも商品でもない。
  これを秋田の「売り」の全面に出そうというなら、それを考え出した方々に私は問いたい。
  製造も、品質管理もできない、食べてもらうことも、触れてもらうこともできないものを、あなたたちはどうやって「売ろう」とするのか、と。
  当たり前だが、女性はモノではないのであり、まさか、「秋田に来れば、食べたり触れたりできます」なんて言うつもりではあるまい。

  内陸線も、そもそもは地域の「足」として必要不可欠だ、だから赤字であっても行政が支援するのだ、というロジックだったのに、その基本線、レールを踏み外し、観光だ、イメチェンだと言って、あげく「秋田美人」などと究極の便乗商法に打って出たならば、赤字を補てんしてまで維持する理由はどこにあるのか。

 勝手に性転換などさせずに、どうせ「秋田美人」に便乗するなら、「秋田イケメンライン」とでもして、女性だけじゃなく男だってイイんだぞ!とアピールするほうがよほど健康的だ。

 秋田の男たちは、自分たちを売り物にする気があるだろうか?
 県外から来た方に、「イケメンラインというから乗ってみたけど、イケメンなんてどこにも乗ってないじゃない」と言われてもにっこり笑顔でおもてなしできるだろうか?
 県内のご婦人がたに、もし「内陸線って赤字なんでしょ?イケメンライン、なんて名前つけるなら、ホントにちゃんとしたイケメンでも雇って車掌でもやらせなきゃダメよ」と批評されたときに、「そのとおりですね、すいません」と謝れるだろうか?

 それができないなら、こんな名前をつけるのはやめたほうがよろしい。
 ここに書いたことと同じような声、状態に間違いなく秋田の女性たちが曝されることになるのだ。
 女性の立場に立つことができなくても、わが身に置き換えることぐらいは誰でもできるだろう。
 私はイケメンラインなどと名前がついた電車に、通勤や通学で乗りたいとは思わない。乗り合わせた観光客に何を思われるか、何を言われるかわかったもんではないからだ。
 勝手に秋田美人を売り物にした挙げ句に、赤字の解消も、観光客の勝手な期待も、オジサマたちの好奇の視線も、全て秋田の女性に受け止めさせようというのか。
 断言するが、これは、税金を使った数十万人の秋田の女性に対する大いなるセクハラである。

 よろしくネ、などと性転換して媚びている場合ではない。

 もし、私の感覚が、神経質すぎるなら、女性でさえもそこまで気にしていない、ということならば、是非、メールでも、電話でも、ファックスでも結構です、私の感覚を正してください。
 何度も言いますが、私も所詮「なんちゃって」。
 逆の立場だったら、と想像するぐらいの脳味噌を持ち合わせているだけですから。
 

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沼谷 純はこんな人!

昭和48年3月
秋田市生まれ。仁井田育ち。
平成7年4月
秋田県庁入庁、企画調整課配属。
平成22年12月
政治を志し、秋田県庁を脱藩!
(退職)
平成23年4月
秋田県議会議員に初当選。
現在3期目。
令和3年2月
秋田県議会議員を辞職。
新しいステージへ挑戦。
現在
秋田市横森在住。

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