知事選が行われた山口県。
結果は、自民・公明推薦の山本氏が当選された。
環境エネルギー政策の論者としてマスコミにもたびたび登場していた飯田氏は山本氏の25万票に対して18万票であった。他の2候補はこの二人の戦いの間で埋没した。
保守王国と言われてきた山口県において、今回の飯田氏の得票数は敗れたとはいえ、見事であったと思うが、山本氏自身、建設途上にあった原子力発電所について、「凍結」という方針を打ち出したことで、「脱原発」か「原発推進」か、といった単純明快な構図にならなかった。そのことで、飯田氏にとっては難しい選挙戦になったのかもしれない。
地方の首長を選ぶ選挙結果を、そのまま今後の国会情勢や国政選挙に当てはめることはできないが、今、「民意」は行き場を求めて漂流している、そんな選挙結果に見えた。
山口県は、米軍との関係も含め、いろいろと難しい政治課題を抱えた地域である。
この山口県の新たな知事となった山本氏が、地域の民意をどう受け止めて、県政運営に当たるか今後も注目していきたい。
願わくば、単に政権批判を繰り返すだけの壊れたレコード盤のような県政運営はやめていただきたい思う。
先般、高松市で開催された全国知事会議でも、「原発をどうしていくか」ということについて、議論は深まらず、まとまることもなかった。
47人の知事が、それぞれ己の立場や主義を無軌道に発信され、自分らでは決められないから、そこは「国が責任を持って」では地方のリーダーとしてはいささか情けない。
佐竹知事も、記者会見において、「民主党政権の地方分権が見るべき成果を上げていない」というようなこともおっしゃっておられたようだが、関西広域連合のように積極的に国の財源・権限を取りに行くという地域・自治体もある中で、佐竹知事のこの3年間のスタンスはどうであったか。
私から見れば、いかにも腰が重く、座ったままで料理が運ばれてくるのを待っているような印象がある。
是非、佐竹知事が主導し、東北にも広域連合を作っていただきたいものだ。
観光、防災をはじめ、地方が連携すればやれることはまだまだある。