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グローカルorローカル

2012年10月15日

 先日、少し現地を見たいところなどがあり、雄勝郡をまわってきた。

 雄勝郡は、岩手、宮城、山形と県境を接しており、昔から「南の玄関口」と言われてきたが、高速道路や新幹線などの高速交通体系の整備は未だ途上であり、実質的には、宮城方面、山形方面からの自動車・バスなどを利用した観光客がその主たるものになっている。

 全県的に、温泉地は苦戦を強いられているが、雄勝郡もその1つ。
 実は、小安、泥湯、秋の宮、栗駒と、全県的にみても、これほど趣やロケーションの違う、豊かな源泉を持つエリアはないと私は思っている。

 男鹿や八幡平など、県内の観光復興の鍵を握る他のエリアも当然あるが、この雄勝郡こそ、名実ともに「南の玄関口」として、南東北からのマイカー客を秋田に引き込む、そのイントロダクションの役割を果たしていくべきだろう。

 さて。
 翻って、未来づくり交付金の話題。
 先般、湯沢市からの「未来づくりプロジェクト」案が提出されたが、私にとっては大変残念なプロジェクトであったというのが率直な感想だ。
 湯沢市が進めるジオパーク構想について異議はないが、プロジェクトに盛り込まれた事業を見ていくと、湯沢市内の公園整備・改修など、既存施設のリニュアルが大半を占めていた。

 これは湯沢市に限らず、この交付金制度全体の大きな欠陥だと私は思っているのだが、25の市町村が、それぞれ近隣市町村との連携や協働もなく、単体で事業を組むことで、波及効果やスケールメリットが小さくなるばかりか、他市町村との住み分けも難しいような事業が多々出てくることになる。

 さきほど、挙げた温泉群は、東成瀬村と湯沢市にまたがるわけだが、こうした市町村の単位を超えた連携プロジェクトにむしろ県が交付金を支出するというのが、県と市町村の本来の関係なようにも思われ、今後、どの市町村からどのようなプロジェクトが出てくるかは定かではないが、市町村が保有する施設や設備の更新や補修を、自主財源では賄えないから、県の交付金を活用してやってしまおう、などというものがあったらなら、それは「未来づくり」に名を借りた単なる財源振替となる。

 本来、市町村の責任において行うべき、施設設備の維持管理・更新を、県がその費用の一部を肩代わりするとなれば、それは市町村の財政規律、責任というものを曖昧にし、ひいては、県の役割や財政規律にも大きな影響をもたらしかねない。

 こういうことはやるべきではないと思う。

 少し話が飛ぶが、国会議員の方々はよく、「地元のためになにしてけだのよ」と言われるようだ。
 国会議員は日本のために働くのだが、やはりどこかで有権者の方々のそうした「期待感」があることもよく
理解できる。
 日本を良くすること、日本の社会制度をより良いものにしていくことが、秋田のため、地元のためになるのだ、という理屈は正論であるが、ストレートには伝わりづらい。

 このことを我々県議会議員に当てはめればどうなるか。
 秋田県全体のために働くのが我々の仕事、ではあるが、それぞれの選挙区では、様々な地域課題や要望があり、そこに向き合うということも求められる。
 さらには、ときに市町村議会議員のような、まさに居住地の地域課題にも微力ながらお手伝いをさせていただくこともある。

 しかし、やはり、そういうことがありながらも、県議会議員の本懐たる「秋田県全体のために」という大局に立った仕事をしていかなくてはならないし、その結果、地元の方々に対峙してでも厳しいことを言わなくてはならぬこともまたあるだろう。

 グローカルな議員にはなりたいが、単にローカルな議員にならぬよう気をつけたい。  

 

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沼谷 純はこんな人!

昭和48年3月
秋田市生まれ。仁井田育ち。
平成7年4月
秋田県庁入庁、企画調整課配属。
平成22年12月
政治を志し、秋田県庁を脱藩!
(退職)
平成23年4月
秋田県議会議員に初当選。
現在3期目。
令和3年2月
秋田県議会議員を辞職し、秋田市長選挙に挑戦。
令和5年4月
政治家として再始動を決意。
現在
秋田市横森在住。

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