政府が地方への「一括交付金制度」を廃止する方針だという。
一括交付金は、民主党政権の功罪が様々ある中で、「功」であったと私は思っている。
従来からあった国から地方への補助金をいくつか束ねて、大括りの中で地方自治体が自由に事業を実施できるということを目的に創設された。
補助金は、使途をはじめ様々な「縛り」が多い。
その縛りを極力外すことで、地方自治体の裁量権を広げ、「地方分権」を進めるための一里塚にしようとしたものであった。
とはいえ、この一括交付金は、まだまだ「これから」という制度であり、さらに束ねる補助金を多くし、自治体の裁量を広げ、都道府県のみならず市町村にまで対象を拡大していくということが求められていたもので、「改善」や「改良」をしながら、より地方の自主性・自立性を高める方向で進めるべきものであった。
それを自民党政権が廃止するという。
日本経済の建て直しは地域経済から、だとか、地方あっての国、だとか、地方の疲弊を何とかせねばならぬ、と総選挙の際、自民党候補者の方々は口々におっしゃっていたではないか。
秋田のために働く、と公言されていた方もいらっしゃった。
一括交付金を廃止し、従来の「補助金行政」に戻すことが果たして、地方の活性化や、地域経済の建て直しに繋がるものなのか。
はなはだ疑問に感じるし、やはり自民党の「陳情型政治」が戻ってきたか、と実感させられる。
佐竹知事は、県庁職員に対する年始の挨拶において、「自民党政権になり陳情などの風通しがよくなった」といった趣旨のお話をされたようだし、別の場では民主党政権に対して「非常に権力的なものを感じた」ともおっしゃった。
この補助金行政への後戻りこそ権力的であるし、国と地方を対等な関係にしていくことこそが自治体の首長としての責務であるとも私は思う。
この一括交付金廃止については、今後の県議会などにおいて、佐竹知事の考え、県の対応方針をしっかりと質していきたいと思う。
これだから自民党。
たった3年半で禊を終えたというならば、そんなふうに国民に言われないように、新しい政治の姿を見せていただきたいものだ。