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何のための。

2013年05月13日

 1週間前の佐竹知事の定例記者会見。

 その中で非常に気になる発言があった。 

 記者の方から「(震災以降)なかなか秋田の観光が回復しない中で、今年のディスティネーションキャンペーン(DC)への対応を含め、今後どういった観光の展開をしていくつもりか。」との問い。

 知事は、「DCや国民文化祭などはイベント。これはこれで精一杯対応する。しかし、秋田は観光のコンセプトがない。そういうことすら考えてない。来た人にただ飯を食わせるというだけで観光とは何ぞやというところまでいってない。中長期的に地域ごとにそういうものを作ってもらわないと。」とお答えになられた。(一部抜粋)

 官民合わせ、秋田の観光振興や取組にはまだまだ改善すべき点があると私自身も思う。

 しかし、この知事の考えには賛同しかねる点が二つある。

 1つは、DCや国民文化祭はイベント、と割り切っておられる点。
単なるイベントなら数億にも及ぶ県費を投ずる必要はないのであり、やはり、このイベントを通して、秋田県の観光を「ここまでもっていきたい」「地域をこういう姿にしたい」という、戦略的な位置付けを持っていなければいけないのではないか。その意識が希薄に感じられる。

 もう1つは、秋田の観光にはコンセプトがない、ということについて、このコンセプトは確かに、各地域・市町村ごとにも考える必要があるわけだが、今の観光客の動態・実態を見れば、県境など軽々とまたいで、祭りや食・文化・自然をハシゴしている。

 その意味で、東北・北東北の中での秋田県の「コンセプト」も必要であるし、秋田県全体を周遊してもらうための県としての「コンセプト」や「戦略」も必要であろう。コンセプトがない、と言ってしまえば、これは県内各地域の問題だけではなく、総合戦略産業とまで大きく構えた県そのものにコンセプトがない、「何のための観光文化スポーツ部」ということになりはしないか。
市町村や民間事業者の方々にハッパをかけたおつもりかもしれないが、これはむしろご自身に返ってくる言葉になるような気がする。

 「コンセプト」という言葉はかっこいいが曖昧だ。

 先日の、なかいちで「与次郎」のヒゲがたびたび折られた(折れた)件でも、そのヒゲの材質がどうこう、という問題以前に、そもそも、あの「なかいち」のコンセプトが改めて定まっていないというように私は感じた。

 安藤忠雄建築、平野政吉コレクションという「アート」の隣に、秋田市のマスコットキャラクター?の「与次郎」。
アートとキャラクターは似て非なるものだ。
美術も、アニメも、ゆるキャラも、全部「アート」ということにはならないし、それらが必ずしも調和するわけではない。「なかいち」がコンセプト不明のまま、闇鍋のような状況の中で、それを「にぎわい」と呼ぶというのなら本末転倒だ。

 秋田県全体の観光コンセプト、そしてなかいちの「コンセプト」、いずれも言えるのは、どこの誰を「ターゲット」にし、そのターゲットに何が売れるのかという「マーケティング」こそが大事だということだ。

 県の観光行政における役割を県自身がどう考えているのか、もう一度再確認する必要があるのかもしれない。

 

 

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沼谷 純はこんな人!

昭和48年3月
秋田市生まれ。仁井田育ち。
平成7年4月
秋田県庁入庁、企画調整課配属。
平成22年12月
政治を志し、秋田県庁を脱藩!
(退職)
平成23年4月
秋田県議会議員に初当選。
現在3期目。
令和3年2月
秋田県議会議員を辞職し、秋田市長選挙に挑戦。
令和5年4月
政治家として再始動を決意。
現在
秋田市横森在住。

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