ブログ

貧困の淵。

2013年05月28日

 大阪市で起きた母子餓死事件。

 やりきれない、という言葉に尽きる。

 と、言いたいところだが、それはある種の思考停止に自分を追い込むような気がして、容易にその言葉を使いたくはない。

 去年7月には、当時暮らしていた大阪府守口市の生活保護相談窓口に母親が相談に行っていたようだ。

 その後、親族や知人に金銭面の不安を訴えるメールを送っており、10月には親族と警察署員が訪問したこともあった。その頃までは夫と同居していたが、その後、その家を出たようだ。

 子どもの検診を受けさせていなかったため、年明け2月頃から守口市の職員が母子に接触を試みていたようだが、その時点で消息が分からなくなっていた。

 今月には母子の行方不明届が出されている。

 何度か、この母子を救うチャンスはあったのかもしれない、そう思うのは私だけだろうか。

 大阪市役所の方が会見で「勇気を出して声を上げてもらわなければ助けようがない」といった趣旨の発言をされていたし、原則的にはそのとおりだろう。

 夫からのDVがあったというような報道もあるが、餓死に至る直接・間接の理由がどうであれ、この母子が、いくつかの「救いの手」や「救いに至る接点」からするりと滑り落ちるように、「死」に至ってしまったことは残念でならない。

 「声を出してもらわないと」市役所の方はそう言ったが、しかし、人によって「声の出し方」や「声の大きさ」は異なる。

 この母子は、確かにSOSを発していたのではなかったか。

 決して、沈黙を貫いて一直線に死へと向かったわけではない。

 働こうと、生きようと、夫から逃れようと、助けを求めようと、不器用ながらも、足りないながらも声を出していたのではなかったか。

 そう思えてならないし、それだけに救えなかったことについて、「やりきれない」という一言だけではない、検証が必要にも思う。

 自民党・公明党は、今国会に生活保護法の改正案を提出した。

 その内容は、これまで口頭でも生活保護受給の申請が可能であったものを、本人の収入や扶養義務者の収入や資産状況などを書面に記載して申請することや、扶養義務者の収入等を調査できるといった内容となっていた。

 これに対して民主党から「申請の厳格化が門前払いにつながりかねない」として、事情があれば引き続き口頭でも申請を受け付けるという例外規定を加えるよう提案があり、それを自・公が受け入れ、今国会で改正案が成立する見通しとなった。

 昨今、生活保護の不正受給問題などを発端として、生活保護バッシングが続いてきたが、日本の生活保護制度は、先進諸国に比較し補足率が非常に低いことは周知の事実だ。

 日本では人口の1.6%しか生活保護を利用していないが、ドイツやイギリスでは10%程度となっている。日本は先進諸国の中でも貧困率が高い国となっており、実際には10%か、それ以上に生活保護を受けるべき貧困世帯が存在していると言われている。

 つまり、数百万人の国民が、憲法上の権利を自ら放棄し、貧困の淵にひっそりと沈んだまま、声を上げられないでいるということだ。

 今一度、耳を澄ませたい。

 声なき声に。

 政治の聴力が問われている。

カレンダー
2019年7月
<<6月   8月>>
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
最新の記事
カテゴリー
アーカイブ

沼谷 純はこんな人!

昭和48年3月
秋田市生まれ。仁井田育ち。
平成7年4月
秋田県庁入庁、企画調整課配属。
平成22年12月
政治を志し、秋田県庁を脱藩!
(退職)
平成23年4月
秋田県議会議員に初当選。
現在2期目。
現在
秋田市横森在住。

詳しいプロフィールへ

事務所ご案内

〒010-0951
秋田県秋田市山王5-14-2
山王土地ビル1F

TEL 018-883-3383
FAX 018-883-3384

Googleマップへ