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オリンピック招致に思う。

2013年09月09日

 「完全にコントロールされている」

 「今までも現在もこれからもまったく問題はない。」

 確かに自信に満ち溢れた総理のプレゼンが、2020年の東京オリンピックを引き寄せたのかもしれない。

 オリンピックの経済効果は、東京都の試算では3兆円、民間シンクタンクでは150兆円とも言われ、現在の国立競技場は約1300億をかけ、建て替えられる予定のようでもある。15万人の雇用創出とも言われている。

 こうした大規模な建設工事や、様々な官民の投資には、巨額の税金と、莫大な電力と、膨大な建設資材が必要となるだろう。

 未だ、15万人とも言われる避難生活者や仮設住宅暮らしの方々、そして資材や労務単価の高騰で未だ手がついていない被災地での小さな復興工事の数々など、こうした状況を尻目にして、トーキョーがこれから7年間のお祭り騒ぎを続けることになるのだろうか。

 安倍総理は、原発からの汚染水を「0.3平方キロメートルの港湾内に完全にブロックされている」と堂々とおっしゃった。

 しかし、当事者たる東京電力は、「水中フェンス外の放射性物質濃度はフェンス内に比べ5分の1程度の抑えられている」と言っており、港湾内と港湾外の水が入れ替わっていることも認めているようだ。そもそも素人が考えても、水一滴も港湾外に漏らさないようにフェンスを張り巡らすことなどできようもないことは容易に想像がつく。

 そもそも、1日300トン発生する汚染水は、地下水に到達したとも言われ、直接、港湾外に染み出していると考えるほうがむしろ自然だ。

 安倍総理の言葉をこのまま借りれば、今、被災地の人々は、「完全にコントロールされ、全く問題のないもの」のために、未だふるさとの土を踏めないでいるということになる。

 オリンピックはめでたい。オリンピックはよいことだ。オリンピックは平和の象徴だ。

 そんな喧噪にかき消されることがないように、注視し、声をあげていかなくてはならない。

 東京よ、おまえは、東京だけで東京たりえるのではないのだ、と。

 地方の労働力と、電力と、水と空気と森があって、東京は東京たりえるのだ、と。

 安倍総理が被災地や疲弊する地方のことを忘れ、上を向き、外を向き、足元を見なくなったとき、国民は再び自民党を見放すことになるだろう。

 安倍総理が、国際社会に向かって語った言葉は、実は誰よりも被災地の人々に向かって語られるべき言葉であったと思うし、残念ながら、そのときに、その言葉が信頼と真実をもって受け止められたとは私には到底思えない。

 オリンピック招致決定に湧いたあの明け方の瞬間は、同時に、国民に対して安倍政権が重い重い十字架を背負った瞬間であったとも私は思う。

 

 

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沼谷 純はこんな人!

昭和48年3月
秋田市生まれ。仁井田育ち。
平成7年4月
秋田県庁入庁、企画調整課配属。
平成22年12月
政治を志し、秋田県庁を脱藩!
(退職)
平成23年4月
秋田県議会議員に初当選。
現在3期目。
令和3年2月
秋田県議会議員を辞職し、秋田市長選挙に挑戦。
令和5年4月
政治家として再始動を決意。
現在
秋田市横森在住。

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