また今年もこの時期がきたので、憲法改正について書きたいと思う。
先日、秋田市文化会館で開かれた各政党代表者によるパネルディスカッションにおいて、パネラーとしても発言したが、私は、今の憲法を一言一句、一条たりとも変えてはいけない、墨守すべきとは思っていない。
震災やテロなどの非常事態発生時に、国家がどこまで個人の権利や財産などを制限できるか、すべきかといったことは、基本的人権の尊重という大前提と併せ、憲法に追加規定されるべき条項であると考える。
また、地方自治に関しても、今の憲法が十分とは思えない。地方自治体の役割や責任が全く書かれていないからだ。さらに、国会についても、先の参院選で「ねじれ国会」が争点となり、それは解消されたが、現行憲法における二院制が続く限り、ねじれは発生する。参議院が必要なのか、二院制でなくてはならないのか、日本の政治・行政システムそのものを変える時期に来ていると私自身は思う。
ただ、ここに挙げた事例も含め、人それぞれ憲法に対する賛否がある。大事なことは、憲法改正という日本のありようの根本を変える事柄は、国民自身の合意と選択によって行われなくてはならないということだ。
今、自民党が進めている「解釈変更による集団的自衛権の行使」は、国民の判断を経ずに日本の根本を変えようとするもので、憲法改正の裏口入学とも言える姑息な手法だ。集団的自衛権を行使したいなら堂々と9条改正を国民に問うべきだ。戦闘地域、その最前線に赴き命のやり取りをするのは、総理大臣でもなく国会議員でもなく年老いた憲法学者でもない。私たちの友人、仲間、家族だ。だから、国民自身がその是非を判断しなくてはならない。そのことだけは確かだ。