結果について、本来、私が何かを言うべき立場ではないが、政治の端くれにいる者として一言、今日の国会の採決について申し上げたい。
現状において取りうる「最善」の決着だったと私は思う。
この時期、一刻の政治の停滞も許されないこの時期に、まさに「国民不在」の不信任決議が野党から出された。自分たちがやってきた政策の反省も検証もないままに、ただ、菅総理のクビさえ飛ばせばいい、という政治ゲームそのものに没頭する自民党こそが、今の震災復興のスピードを妨げる存在そのものだと私は言いたい。
自民党谷垣総裁の言葉を借りるならば、こうした行動そのものが国民にとっての「害毒」である。
大儀なき、ビジョンなき不信任決議案とはいえ、その矢が一度放たれてしまった以上、これに対して、取りうる最善策を考えるのは政権与党の使命である。
菅総理の「復興に一定の目途が立った段階で、若い世代に引き継ぐ」という宣言は重い。
復興の道のりは険しい。どれほど有能な政治家がその任に当たったとしても容易ではない。それほど、この国の社会システムは複雑であり、議員内閣制という統治システムそのものが遅行性を持っている。
与野党問わず、国・地方問わず、批判するのはたやすいし、スピードが足りない、遅い、と批判する地方の首長もいるが、そう批判する自身の政策や、取組のスピードは十分か、と問いたくもなる。
今、必要なのは不毛な批判ではない。
恐らくは政治家として、「花道」とはならない、復興に向けた「いばらの道」を歩み、そして、その坂を登りきったところで、身を退くという菅総理の決断と覚悟を、有権者の皆さまには、今少し見守っていただきたいと思う。
そしてまた、被災地を抱えた東北の暮らす一国民としては、震災復興が果たされるまで、こうした不毛な政局争いは2度と起こるべきではないと思う。