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安全格差

2011年08月03日

 いよいよ、米の検査が本格的に始まることになりました。
本県でも、牛肉の全頭検査が始まり、2日に出荷分の22頭は「安全」との検査結果が出ました。
また、放射性セシウムが検出された腐葉土が、県内のホームセンター経由で流通し、小学校等で使用されたものについても、調査の結果、「通常レベル」との結果が出たようです。

 放射能の影響は、未だその全容がハッキリしていません。地道な、そして、果てしない作業になるかもしれませんが、こうした検査作業に従事する人員や機器の確保も行いながら、かなり長期にわたって、こうした検査体制を維持していく必要があります。

 内閣府の食品安全委員会は、「生涯を通じての累積線量の限界を100ミリシーベルト」と発表しました。これを超えると、発ガンリスクの増加など健康への影響が明確とのこと。
ただ、これは内部被ばく、外部被ばくを合わせたものであるため、食品を摂取することなどによる「内部被ばく」の限界値がどの程度なのか、あるいは、児童や乳幼児などにはより厳しい別の基準が必要ではないか、といった問題がありますし、これだけ原発不信を招いている社会情勢からすれば、そもそも100ミリシーベルトという基準そのものがどうなのか、という意見も多々あるでしょう。

 私たち一般人の感覚からすれば、カロリー表示のように、成人一日あたり●●●●カロリーという目安があり、おにぎり一個では●●●カロリーというように、このシーベルトが表示・計算されるようであれば、解りやすいわけですが、そうなっていない中で、「セシウム入り●●」といった情報だけが次々出てくるぶん、国民・県民の皆様の不安は増すばかりでしょう。

 こうした状況が続いていけば、肉も米も水も空気も、あらゆるものの安全を求め、そして今まで以上に、「安全をお金で買う時代」になっていくでしょう。
その先にあるのは、経済力がある者が、安全を手に入れ、お金のない人間は、危険な場所から離れることもできず、安全な食品を十分に買うこともできない、といった「経済力が安全格差を生みだす」という状況かもしれません。

 資本主義経済の日本で、経済力の差が、子どもの教育をはじめ、様々な面で「差」に繋がっている面は事実ですし、それを全て平等にすることは無理なことです。
しかし、「教育」が国民の権利として保障され、義務教育制度をはじめ、「機会格差」を生まないような国の責務・制度が明確になっていることと同様に、この「安全」についても、安全格差是正のための制度・政策が必要になってくるかもしれません。

 今日から始まった、竿燈祭り。
大町のニューシティ跡地では県内のご当地グルメ「B級グルメフェスティバル」が開催されていました。
私も、足を運んでみましたが、横手やきそばは「圧巻」の行列、意外な(といっては失礼ですが)奮闘ぶりは、本荘ハムフライ、そして私の個人的な一押しは、「バリコロ」です。(敢えて、これ以上の情報提供は差し控えさせていただきますので、バリコロがなんであるか、是非、現地でお試しください)
「食の安全」がかつてないほどに揺らいでいる今ですが、行列を作る皆様、ビールを片手にB級を召しあがる方々、お父さんの肩に乗ってアイスを食べるお子さん・・・そこにあるのは、「笑顔」であり、「喜び」であり、
こうした「ささやかな、目に見える安心」を守っていくのが、私たち、地方議員の務めなのだな、と改めて実感をしながら、会場を後にしました。

 

ニコファーレ。

2011年08月02日

 ニコファーレ。

 お恥ずかしい話ですが、つい最近、この言葉を知りました。
 まだご存じない方は、検索してみてください。(知らないのは私ぐらいだとは思いますが・・・)
 私は、ある音楽番組でこれを知り、衝撃を受けました。
 アーティストが歌っている、それを観ている視聴者が、ニコニコ動画と同じようにコメントを流す。歌うほうも、コメントする視聴者も、それを観る視聴者も、全てが同時進行で、辛辣なコメントも含めて、まさに「垂れ流し」と言ってもいい状態。
 ツイッターとの連動は、NHKでも既に取り入れていますが、芸能メディアというのはさすがに何でもアリだなあと感心しました。

 また、お馴染みのYouTubeの場でも、政治家の方々が自らの主義主張を発信されています。
 先日、マニフェスト議連で講演をされた河野太郎議員は、このYouTube上で、原発問題についての解説をされています。(一瞬、どこかの大学の通信教育かと勘違いしそうになりますが、大変わかりやすいです)

 さて、今日は少し遠回りな話題から入りました。
 個人が、ダイレクトに公の電波に自らの声を乗せることができてしまう時代、政治家が、新聞やテレビを媒体せずに自らの主張をダイレクトに有権者に向かって発することができる時代。
 これは、国民と政治を近づける方向に作用するようにも思いますが、一方では、発するほうも、受け取るほうも、より「個」の側面が強く出ることで、その無数の「個」から1つの「合意」を導き出すという政治の役割は、ますます重く、そして複雑になってきたのかもしれないとも思います。

 そんな思いを持ってニュースを見れば、佐賀県知事の「やらせ」問題もまた、「個」を偽装した「合意」形成でしょうし、数日前に実施された埼玉県知事選挙の投票率が実に25%であったという事実もまた、「個」へのアクセスを過剰に禁じた現在の選挙制度の限界・融解を顕しているようにも見えます。

 では、そんな中で、おまえは何をどうやるんだ、という最もなご意見もあろうかと思います。
 古いスタイルと言われるかもしれませんが、今週土曜日には、「まちなか座談会」を開催します。次の時間・場所で、県政報告会も実施させていただきます。

  1.日時 8月6日(土)16:00〜
  2.場所 河辺ドライブイン(国道13号線沿い みちのくコカコーラ隣)

 また、民主党会派としての広報紙も出来ましたので、いろいろな形で県民の皆様のお手元にお届けさせていただきたいと考えています。

 もう1つ。
 このホームページも、若干、改良を加えたいと思っています。4年間で、何回バージョンアップできるかわかりませんが、時代のスピードに取り残されないようにやっていきたいと思っています。
 何かを解説できるぐらいの自信ができたらYouTubeでこっそり発信し始めてみたいとも思いますが・・・

 我が秋田県議会も、広報紙とHP以外にもいろいろなツールに取り組んでいきたいものです。
 そういえば、どこの学校にも会社にもある「広報委員」とか「広報委員会」みたいなものが県議会には見当たらないような・・・・議会の情報発信のあり方を議論するのも「議会運営委員会」の仕事だということになるかもしれませんが、ここは是非、党派を超えて、若い人間だけを集めて広報チームを作らせてもらえたらいいのですが。こういうことは、「権威」や「経験」より、「アイディア」と「冒険」が大事ですから。

マイノリティ。

2011年08月01日

 昨日から東京でローカル・マニフェスト推進地方議員連盟のサミットが開催されています。

 「いまこそ地方議会の役割を問い直そう」というテーマで、全国の地方議会における改革への取り組みが発表され、意見交換が行われています。
 スマートフォンを活用した電子採決、省エネ条例をはじめとした様々な議員提案条例の制定・・・・自治体の「財政状況」についての解説本を議員が製作・・・・ユニークで、先進的な事例を多々学んでいます。

 参加者は約100名ですが、都道府県議会、市町村議会から参加しています。
 残念なことは、ここでもやはり「西高東低」ということです。
 震災の影響もあるかと思いますが、西日本の議員のほうがこうしたことには活発、積極的と言えるかもしれません。

 全国の議員の方々と話しをしていて感じるのは、どこの議会でも、慣習やしがらみ、あるいはベテラン議員からのプレッシャーなどによって、苦労されている方が大変多いということです。
 若い議員、新人議員などは特に、多数派の会派に属していても、なかなか思うように自分の意見や主張ができず、苦労や工夫をしているということ。
 北川教授(前三重県知事)は、基調講演で「戦い続ければマイノリティが、いずれマジョリティになる。地方議会を改革する先兵として、ここに集まった議員が全国でがんばってもらいたい」とおっしゃっていましたが、よく、「議会の常識は、世間の非常識」とも言われるように、何が少数派で何が多数派かは、会派に属する議員の「数」ではなく、あくまで有権者の皆様の「意思」なのだと、気持ちを新たにしました。

 また、もう1つ、このサミットで大変興味深いゲストスピーカーが登場されました。
 自民党衆議院議員の河野太郎さんです。
 「日本のエネルギー政策を考える」と題して、約1時間の講演をいただきましたが、今までにいろいろな本や、人の話などを聞いてきましたが、これほど簡潔明瞭に、日本の原発政策の誤り、行き詰まりを指摘された方は初めてでした。
 河野議員は、冒頭、「原発政策は自民党の過ち」と名言された上で、「誰がどこからいくら献金をもらったかハッキリさせなければいけない」、「自民党総裁選挙に出たときは、推薦人から、原発の話はしない、という条件を付けられるほど、自民党では原発問題を口にすることはタブーだった。」といったお話をされていました。

 国も地方も、党派や政党を超えて、こうした正直な政治家、既得権益やしがらみを越えていこうとする政治家が今ほど求められる時代はないのかもしれません。

 そういえば、お隣の岩手県でも、37歳の県議が来るべき岩手県知事選挙への立候補を表明されたようです。
 「地域政党いわて」の代表で、県議2期を務められた方ですが、私自身、自分の立候補に当たっては、この方の考えや活動方法には大変共鳴し(勝手に)、私自身の活動でも参考にさせていただきました。
 若ければいい、というものではありませんが、新しいものを生み出していく力は若い人間のほうがあるだろうと思いますし、今、岩手県に限らず、疲弊した地方全体を通じて、「創造する力」「、「リスクを取ってでもチャレンジする力」が必要なように私は思います。
 この岩手県知事選挙も今後、関心を持って見守っていきたいと思います。

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沼谷 純はこんな人!

昭和48年3月
秋田市生まれ。仁井田育ち。
平成7年4月
秋田県庁入庁、企画調整課配属。
平成22年12月
政治を志し、秋田県庁を脱藩!
(退職)
平成23年4月
秋田県議会議員に初当選。
現在3期目。
令和3年2月
秋田県議会議員を辞職し、秋田市長選挙に挑戦。
令和5年4月
政治家として再始動を決意。
現在
秋田市横森在住。

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