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アンケート

2011年08月25日

 民主党の代表選挙が近いせいか、今日の新聞各紙でも民主党の各都道府県関係者へのアンケートが実施され、その結果が掲載されています。

 新聞紙からの取材申し込みの対象者がそれぞれ異なるため、回答した者も各紙によって異なるのですが、秋田県でも、国会議員ではなく地方議員がそれぞれの「私見」ということで答えています。
 民主党秋田としての統一見解、ということでの取材申し込みであれば、県連代表である松浦大悟さ んが答える立場になりますが、そういう取材とはなっていません。

 そのアンケートの1つには、私も答えさせていただきました。

 私自身の考えは、このブログで既にいろいろと書いてきましたので、改めて、長く書くつもりはありませんが、アンケート内容は、今後の民主党政権への注文や、大連立や増税といったことについての賛否、あるいは新代表にふさわしいと思う人物は誰か、といった問いになっています。

 民主党政権への注文としては、震災や「ねじれ」国会などの影響もあり、マニフェストの見直しが避けられず、それに対する国民の皆さまのご批判などもある中でも、「何十年かかっても原発への依存度を下げ、自然エネルギーに転換していくんだ」という方針だけは、次の政権でもしっかりと継承してもらいたい、ということを言いました。
 それは単に国策というだけではなく、自然エネルギーの宝庫である秋田県のポジションというものを考えたときにも、秋田の活性化や産業振興に繋がる道筋であると考えているからです。

 また、大連立については、「本来的には行うべきではないが、復興という目的に限って、復興を政局化しないための時限的な大連立はやむを得ないのではないか」という回答をしました。
 増税については、今後の社会保障の全体像を示す中で議論されるべきものではありますが、個人的には、「増税することで社会保障制度の持続性が確保されるのであれば、短期的には増税はマイナスであっても、中長期的には国民の将来不安の解消に繋がるという意味でマイナスにはならないのではないか。秋田の高齢化先進県では特に、たとえば消費税が数パーセントアップするマイナス効果よりも、それによって年金や介護などの制度が安定するなら、そのプラス効果のほうが大きいのではないか。」との回答をしました。

 「脱原発」や「増税」という言葉そのものは刺激的ですし、タイミングや道筋を間違えないようにしなければいけませんが、冷静に考えていけば、その方向は秋田にとって必要なことであると思っています。
 脱、とか、縮、とか、卒、とか、いろいろな言葉で原発政策が語られるようになってきましたが、こうした言葉の1つ1つに反応するのではなく、「方向」を見定めていく必要があると感じています。

 なお、新代表に誰がふさわしいか、という点については、私は個別の名前を挙げていません。
 誰であろうと、この2年で3人目の代表であり、いろいろな意味でラストチャンスではないか、と思いますし、選ぶ国会議員一人ひとり、「これが最後」という気持ちで、選んでもらいたいと思っていますし、選んだ後のゴタゴタだけは許されないだろうと思っています。

ノアの箱舟

2011年08月24日

 月曜から、産業労働委員会の県外視察に来ています。
 今日はこの「視察」について、私の考えを書きたいと思います。
 前のブログをご覧になった方は、私が政務調査費の見直しに関連して、「海外視察予算の廃止を」という提案をしたことは既に御承知のことと思います。

 行くならば、自分の政務調査費から出せばいい、と書きました。
 県議会議員は、1年で最低3回は、「視察」の機会があります。
 2回の県内視察と、1回の県外視察です。
 包み隠さずに書けば、こうした視察(海外視察を除く)にかかる予算は、年間で約1700万ほどになります。
 1700万を45人で割ると・・・つまり、議員一人あたり約40万ほどかかっているということに。
 「もっと予算の縮減を」、「全廃を」、「政務調査費で行けばいい」といったご意見も当然あるものと思います。

 私の考えはどうか。
 私の現時点の考えは、「全廃は県政のためにならない。継続する必要はあるが、予算は節減努力をすれば半分近くまで削っても、視察の目的は達することができるのではないか。」というものです。
 今回の政務調査費の見直しでは、まず、海外視察の「予算廃止」を提案しましたが、国内視察の「予算の縮減」も取り組むべき課題と考えています。

 ただ、秋田の現在の国内でのポジションを考えれば、なんといっても、日本国内でもっともっと、競争に勝たなければいけませんし、やはり地方議員の役割を考えれば、こうした国内情報をしっかりと集めて、秋田のポジションを1つでも2つでも上げるための現実的な方策を提言していくことだと思います。
 その意味で、視察そのものを廃止することはマイナスだと思っています。

 いずれにせよ、視察の「対費用効果」は、議員の議会での政策提案や、広報活動などにかかっています。
 私もその点にはしっかり取り組んでいかなくてはなりません。

 さて。
 前置きが非常に長くなりましたが、今回の視察で、私が1つ、自分の考えを改めさせられた場所があります。それは「釧路市動物園」です。
 動物園?公費を使って動物園か、とのお叱りの声もいただきそうですが、この釧路市動物園は、現在、男鹿水族館に嫁入りしてくれた、ホッキョクグマの「クルミ」の実家です。

 水族館や動物園は、観光施設か教育施設か。

 私は、迷わず「観光施設」だとこれまで思っていました。
 しかし、釧路市動物園の園長さんは「教育施設」だと断言されました。
 この釧路動物園は、特に、先天的に障害を持って生まれた双子のアムールトラを人の手で育てあげたり、隣接する釧路湿原も活用しながら野生生物の「保護」にもかなり力を入れていて、一般客に「展示」している部分より、むしろ「展示せずに繁殖させ、飼育する」というような見えない部分にこそ力を入れているようでした。

 この動物園に限らず、今、日本全国の動物園が同じ課題に直面しているそうです。
 それは「お金があっても動物が買えない時代。」
 釧路市動物園には今キリンがいませんが、口蹄疫の関係で、今、キリンはアフリカから一切日本に入ってこなくなったそうです。
 また、ホッキョクグマも、現在、入手するとすれば唯一、ロシアからのルートのみだそうですが、世界中の動物園がこのロシアンルートから流れる年間数頭のホッキョクグマの争奪戦を繰り広げるため、お金があっても買えないそうです。

 こうした中で、今、日本国内の動物園には45頭のホッキョクグマが生育されているが、新たなクマの入手が困難なため、国内の動物園が団結して、ペアリング(繁殖)に取り組まなければいけない状況だそうです。しかし、ホッキョクグマの繁殖は、大変困難で、妊娠したクマは飼育員の足音にさえ過敏に反応するため、人や音から一切隔離した部屋で数十日の絶食生活をさせることになるとのこと。
 この隔離が失敗したりすると、親クマは産んだ子を食べてしまうそうで、結果、これまで国内では154頭の繁殖に成功したものの、半年以上生存した子クマはわずか21頭にとどまるそうです。
 ホッキョクグマの繁殖期は10月から3月と言われていますが、今年の繁殖期に、もし、豪太とクルミの繁殖が成功すれば、いずれ、男鹿水族館でもこうした困難な出産までの「絶食隔離生活」に取り組んでいかなくてはいけません。

 今、動物園や水族館は、こうしたホッキョクグマを含めた絶滅危惧種や希少種の「展示」より、むしろ「保護」や「生育」といった役割のほうが大きくなってきているようです。

 園長さんが何度も繰り返しお話されていたのが、「命を守り、命の意味を伝えるのが動物園の役割。これは子どもたちへの教育です。大震災があったような時だからこそ、命の重さを子どもたちに教えていきたい。」ということでした。

 我が秋田県にも男鹿水族館、そして秋田市には大森山動物園がありますが、こうした施設を「観光」という側面よりむしろ「教育」や「ノアの箱舟」といった側面から捉え、次世代に遺していくことのほうが大事なのかもしれません。
 私が小さい頃には珍しくもなんともなかったゲンゴロウが、男鹿水族館では堂々と「希少種」として展示されていたりするわけですから、もう10年、20年先にはもっともっと水槽の向こう側でしか見れない生物は増えていくのでしょう。

 余談ですが、釧路市動物園には、夫である豪太の写真や男鹿水族館から送られてきた品などが展示されています。
 釧路と男鹿、こんな離れた場所に暮らす私たちを、動物が繋いでくれているのだな、と感慨深い気持ちになりつつ、秋田を外から見て、初めて秋田を知ることもあるのだな、と改めて感じました。

 前半の殺伐とした内容から一転、妙に温かい内容になってしまいましたが、ついつい、経済や社会制度、政治の世界に籠りがちな私も、こうした自然界の「命」にまで目を向ける懐の広さが必要だという自戒を込めて、今日は書きました。


 

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沼谷 純はこんな人!

昭和48年3月
秋田市生まれ。仁井田育ち。
平成7年4月
秋田県庁入庁、企画調整課配属。
平成22年12月
政治を志し、秋田県庁を脱藩!
(退職)
平成23年4月
秋田県議会議員に初当選。
現在3期目。
令和3年2月
秋田県議会議員を辞職し、秋田市長選挙に挑戦。
令和5年4月
政治家として再始動を決意。
現在
秋田市横森在住。

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