やっと、ここまでこぎつけました。
というのが今の私の気持ちです。
選挙の際、「ダイエット本の購入とか、政治資金パーティーの会費とか、マスコミの皆さんに指摘されているような、いい加減な政務調査費の使い方がされている。こういう政務調査費の問題について、しっかり見直したい。議員報酬と並んで、この政務調査費にも取り組んでいきたい。」というように訴えてきました。
それは、民主党として選挙の「行動方針」として全戸配布もさせていただきました。
当選後、やはり今年度も事務所費の問題が出てきました。
たとえば、自分の家を事務所にして、自分に自分で賃料を支払うというものです。
ここから、この2カ月ほど、議会運営委員会で、政務調査費の見直しについて議論を重ね、当会派からの提案により、「親、兄弟、妻子などへの賃金」、「政治資金パーティーの会費」などに政務調査費を充てないことは決まりました。
しかし、実は何より大事なことは、そうした個別の問題の1つ1つではなく、政務調査費の使い道を議員たちだけで決め、そのチェックも議員(と議会事務局)だけでする、という今の仕組みそのものが、不透明であり、「お手盛り」と見られているということです。
問題が出れば、その問題点だけを「対症療法的に」ふさぐような形で使途基準が見直され、その結果、県民の皆さんは「どうせまた、何かマスコミから指摘されれば、言い訳しながら返還したり見直したりするんだろう。」と冷めた目でご覧になっているのではないか、私はそう思ってきました。
だからこそ、今回、第三者の目を入れる、そこでチェックをする、ということにはこだわりたいと思ってきました。
残念ながら、自民党、新みらい、社民党会派の反対により、議会運営委員会の場では、合意に至りませんでしたので、今回、民主党会派と、県民の声(瀬田川栄一議員)との共同提案という形で、来週火曜日の本会議に条例を提案させていただくこととなりました。
第三者機関の設置条例、というより、正確には、現在の政務調査費条例の一部を改正する、ということになりますが、趣旨としては、第三者機関を置くための条例案ということになります。
少数会派で全員が新人ゆえ、議会内部で様々な軋轢や障害、衝突などがあることも事実ですが、そうしたことを私たちなりに、考え、クリアし、説明・調整を繰り返しながら、この条例提案にこぎつけました。
第三者機関を設置し、政務調査費のチェックをさせること。
そして、ただチェックするだけではなく、使い道についても、議員だけではなくこの第三者機関にも入ってもらって決めていくこと。
この2つが条例案の柱になっています。
4日の本会議では、私が登壇をし、この条例案について45人の議員に賛同を呼び掛け、そして県民の皆さまにもご理解を得られるよう、全身全霊で演説をさせていただきます。
この提案に対しては、起立採決で議員一人ひとりの賛否が示されますし、賛否の結果は、当会派の提案によって実現した「議員の賛否公開」により、県議会のHPで公開されます。
残念ながら、今のすう勢では本会議の場でもこの条例案は多数会派の反対により否決される可能性が高いですが、反対するとすれば反対の理由も明確になりますし、こうした1つ1つのことが、私が心から願う「議会の見える化」に繋がるものだと信じています。
否決されることが解っていて条例案を出すことは徒労だ、ムダだ、とおっしゃる方もいらっしゃいますが、通るか通らないかは、数の論理、しかし、通らないからやらない、と言った瞬間に、私たち民主党会派の存在価値はなくなります。
県民の皆さまのお力添えで、この第三者機関の設置を、議会内部の多数決の論理ではなく、県民全体の多数決の力で、成立にこぎつけられたら本当は何よりの幸せです。
採決までの時間はもう残り少ないですが、第三者機関設置の必要性、ギリギリまで訴えていきたいと思っています。
皆様、お力をお貸しください。
いよいよ、9月議会もハイライトに近づいてきました。
明後日、金曜日には佐竹知事との総括質疑が行われます。
今回は45人の議員のうちの約3分の1、十数名の議員が総括質疑を行うようです。
私と同僚の小原さんもその一人。
さて、今日はまず、この総括質疑がどのような流れで進むか、について、「見える化」していきたいと思います。
何度かここで書いていますが、総括質疑は会派ごとに時間が割り当てられます。
会派に所属する議員数が多いほど、割り当て時間も多くなる仕組みで、当会派は15分、最大会派である自民党は75分の持ち時間が与えられます。
議会が開会すると、各会派ごとに相談をし、その持ち時間の中で、誰が、あるいは何人が総括質疑に立つかを決めておきます。
そして、総括質疑を実際に行う日の数日前に、県当局に対して、質疑したい項目について知らせます。
今日の午後3時までに、各会派から、質問者と質問項目が県当局に対して通知されました。
通知と言っても、「○○について質問しますよ」といった程度のもので、詳しい内容は通知しないため、一般質問と違い、議員と県当局とのガチンコ勝負となります。
それぞれの議員が何について質疑を行うか、は私はその全てをまだ知りませんが、今回、非常に珍しいというか、これほどの状況は滅多にないな、という状況が発生しました。
というのは、十数名の質問議員のうち、おそらく10人近くの議員が、国際教養大学に設置する予定となっている「東アジア調査研究センター」について質疑を行うことを予定しているということです。
私もこの件について質疑を行う予定です。
これだけ、議員の関心や話題が集まれば、当然、マスコミの皆さんからも注目が自然、集まりますが、国会での議論や、増税問題や原発問題のように多くの情報が流れているとは言えません。
県民の皆さまからすれば、なぜ、この東アジア調査研究センターで、これだけ揉めているのかいまひとつ解りづらいのではないでしょうか。秋田市のごみ有料化のほうがよほど切実、というのもまた素直な感覚だろうとも思います(笑)
ですので、ここで少しだけ、この予算についての事実関係を整理しておきたいと思います。
総括質疑前ですので、私の主張をここで述べるのは現時点では差し控えさせていただくことをご了承ください。
東アジア調査研究センターは、「中国、韓国、台湾、ロシアなど、経済成長力のある東アジア地域について、その地域の経済情勢などの情報を収集・調査し、県内産業の発展に貢献する」ために作ろうとするものです。もちろん、センターの成果を大学内での教育や人材育成にも活用していくことも想定しています。
センターには専任の教員を4人ほど採用し、そのほかに事務職員や非常勤職員などを含めた体制を想定しています。
センターの運営費は年間で約5000万程度。この5000万は、教員の給与などの人件費や、研究費にその大半が充てられることになります。
一方で、教養大学は今年度新入生から授業料を値上げしました。これまで年間約54万円でしたが、69万円にあがりました。
大学では、この値上げした授業料の中からセンターの運営費を捻出するつもりですが、授業料値上げによる増収は毎年約3千万ずつしか増えないため(毎年新入生の授業料から順次値上げしていくため)、すぐにはセンター運営費の全額を捻出することができない、というのが県と大学側の説明です。
そのため、授業料の値上げが完成する4年後まで、合計1億円の県費を投入し、センターの運営費を補てんしようというのが今回の予算提案の趣旨です。
どうでしょうか。
それのどこに、10人近くの議員が質疑をするほどの問題があるのか、と思うような、問題などまったくないような理屈にも聞こえます。
多くの議員が問題としているのは、大学に積立金があるということです。
積立金というのは、つまり、その年度、年度で、使わなかった、余ったお金を、大学の通帳に積み立ててあるお金、ということです。
この積立金が現在2億7千万あります。
県側は、この積立金は既に大学側で使い道を決めているもので、単に余っているお金ではないので、この積立金をセンターの運営費に充てることはできないと言っています。
議会側には、この積立金からセンターの運営費に充てれば、1億円の県費投入はゼロか、あるいは、少なく抑えられるのではないか、といった主張をしている議員もいます。
今日は、このぐらいにしますが、この東アジア調査研究センターの予算については、こうした財源論が大きな話題、問題となっていることだけはお伝えさせていただきます。
1億の重さ、とでも言い換えて良いかもしれません。
5月臨時会で議員報酬の25%カットを当会派から提案したときも、私はその説明の中で、「25%カットをすれば年間1億円の財源が生まれる。これで秋田の経済復興の一助にしようではないか。」と訴えました。
秋田県知事は3期12年勤めるとだいたい1億円の退職金をもらいます。
1億を大金だと思わない人はいないでしょう。
どういう質疑、どういう結論になるとしても、この1億の重さこそが議会の場で大いに議論されるべきことだと私は思っています。
正直、県当局にも1億円の血税を投入する重さをもっと感じてもらいたいとも思います。
個人であれ、民間企業であれ、1億のお金を動かすときにはもっともっと煮詰めるはずです。その煮詰め方が本当に十分かどうか、ということも総括質疑の場で議論されることになるでしょう。
総括質疑はインターネットで生中継されます。
平日の日中ということで、なかなかご覧いただくのは難しいかもしれませんが、一人でも多くの方にご覧いただければ、と思います。
国会中継も良いですが、たまには県議会中継も。
国会ばかりが政治じゃありません。身近な問題も、その解決策も県政の中にこそあります。そうでなくてはいけません。
県民の皆さまから、そう思っていただけるような県議会、論戦にするのが私たち議員の最大の仕事です。