本日、12月議会の閉会日。
先日のおにぎり事件以外にもまだまだ総括審査などの中身についてご報告すべきことがあるのですが、まずはいったん横に置き。
今日、ガレキ受け入れに関する決議が行われました。
私はガレキ受け入れに賛成しました。
明日にでもまたしっかりと県民の皆さまにご報告・ご説明させていただきますが、今日は、私の賛成討論の録画放送をもってご報告に替えさせていただきたいと思います。
録画放送はこちらから。開始後、22日の1時間38分経過あたりから登場します。
これに関するニュースについてはこちらから。
私の12月議会は開会初日に、佐竹知事のボーナスアップ条例への反対討論で始まり、おにぎり事件への総括質疑を経由して、本日最終日にガレキ受け入れへの賛成討論で、幕を下ろしました。
24日間の議会。
最初から最後まで、悩み抜いた議会でした。
が、出した結論、発した言葉に後悔も誤りもないと思っています。
総括審査で取り上げたいくつかのテーマのうち、今日はこのことについてご報告します。
私は、この「おにぎり誤表示」事件について、発覚直後から県の対応に疑問を持ち続けてきました。
様々な事情があり、今日まで詳しく書きませんでしたが、今日は書ける範囲で書かせていただきます。
10月1日(土)にイベントがあり、この誤表示が発覚し、その2日後の月曜日には秋田博報堂、パールライス東日本が県庁を訪れ、文書を持って、経緯の報告を行いました。
その文書の中には、
「(おにぎり用の米が)全農秋田からパールライス工場に向けて出荷した旨を、県が電話で報告を受けた」
「おにぎりの手配は、秋田県庁を仲介者として全農に任せた形となっており、博報堂は実際のおにぎりの手配には一切関わっていなかった」
といったことが記載された上で、
「受託者として、もっとしっかりと関わるべき、確認すべきであった。非常に申し訳ない」と結ばれています。
私は、その後、秋田博報堂も訪問し、この文書の内容についての事実確認等を行いましたが、博報堂側では、この文書の内容は事実だと認めておられましたし、おにぎり手配が通常の流れとは違う、イレギュラーな形で進んだということもハッキリおっしゃいました。
(これ以外にも私が知り得ている情報もありますが、これ以上はここに書くのは控えます。)
もし、これが事実だとすれば、県は実際のおにぎりの手配、その実務の流れの中に関わっていたことになり、これまで県が言ってきた、単なる「委託者としての結果責任、道義的な責任」といったような曖昧な責任ではなく、もっと明確かつ具体的な県の「過失」が発生する可能性があります。
私が大変な問題、異常な対応だと感じてきたのは、こうした博報堂からの文書が提出されているにもかかわらず、その後、県が、県としての事実確認・検証を一切行ってこなかったこと。そして、そうした事実確認の指示を佐竹知事も一切しないまま、ただ「法的措置も含めて博報堂に厳しく対応するように」という指示をしたことです。
誰が、いつ、どのようにおにぎり手配の実務を行ったのか、その点を組織として全く検証せず、ただただ、博報堂に責任がある、と言い続け、補償案を待ち続け、県の責任には言及しない、という態度を取り続けたことは、こうした事態が起きたときの対応としては最低限行うべきことさえ行われていなかったと思っています。
総括審査の中で、私は、
「誰が、いつ、どのように手配を行ったのか。博報堂は自分たちが手配に関与していなかった。県が仲介者だったとしているが」と訊きましたが、
「誰がどう手配したかの検証はしていない」という答弁でした。
そればかりか、
「博報堂が手配したのでなければ、一体だれが手配するというのか、パールライスが勝手におにぎりを作るわけがない」などと開き直りとも取れる答弁までされました。
もし、博報堂が全ての手配を実際に行ったのであれば、博報堂から提出された文書の記載は事実と異なることになります。
そうであるなら、その文書を行政庁である県は受け取るべきではないし、訂正・修正をさせなければいけません。
その文書を受け取ったままで、それに対する検証も一切行われないまま、2カ月以上が経過し、今になって、「じゃあ一体誰が手配したというんだ」では、あまりにもお粗末です。
審査の中で、最終的に県側から
「誰が、いつ、どのように手配したのかその事実を検証し、公表する」という答弁がありました。
私としては、博報堂、全農秋田、パールライス、そして県という4者が絡み合った中で起きた今回の事件が、それぞれの利害を超えて、真摯に事実検証が行われ、真実が公表されることを願うのみです。
今回のことで私は、佐竹知事の県政を預かる者としての姿勢に疑問を感じました。
なぜなら、私自身、県庁は、委託者ではなく受託者だと思っています。
真の委託者は県民の皆さまです。
「秋田のために、秋田米をPRするように」という県民の皆さまからの委託を受けたのが県庁。
県庁は、いわば元請けです。そこから、博報堂という下請け、パールライスという孫請けが発生しているはずです。
住宅メーカーが下請けのミスで欠陥住宅を作ってしまったときに、施主に対して、「下請けに対して、法的措置も含めて厳しく対応しますので」と言うでしょうか?
あるいは、
「下請けが補償案を出してくるまでは、元請けとしての責任を認めるわけにはいきません」と施主に対して言うでしょうか?
施主である県民の皆さまに対して、佐竹知事がまずすべきは、「オーナーである県民の皆さま、農業関係者の皆さまに深くお詫びする」と、下請けである博報堂らと一緒に頭を下げることではなかったでしょうか。
元請けと下請けの責任の所在・範囲は、オーナーに謝罪した上で、当事者間でそれこそしっかり事実検証をして、話し合えばよいことです。
オーナーへの謝罪も遅れ、元請けとしての検証もないままに、今日まできた「おにぎり事件」。
県がこういうやり方をするのだ、ということになれば、様々な形で県からの事業や仕事を請け負っている県内中小零細企業の方々にとっても、不安が募ることにはならないか、大変危惧しています。
誤表示が起きたことよりも、起きたあとの県の対応、佐竹知事の指示、これは絶対に間違っていると私は思います。
明日・明後日の2日間、12月議会のハイライト、総括審査が行われます。
今回は、14人の方が質問を行います。
この総括審査における各議員の質問項目を見ると、それぞれに議員のキャラクターというか、想いの居場所がわかりますし、同時に、各議員が共通して取り上げるようなことは、今の県政におけるホットトピックと言ってよいものだと思います。
14人のうち、
がれき受け入れについて取り上げる方が6人。
新しくできる観光文化部について取り上げる方が5人。
5年間で総額50億を市町村に交付することを予定している、未来づくり交付金について取り上げる方が3人。
といった具合で、このあたりのテーマについては、様々な角度・視点からの議論が行われると思います。
私も、上記の「観光文化部」、「未来づくり交付金」について質問を行うほか、「大学行政のあり方について」、「委託事業のあり方について」を取り上げる予定です。
大学行政については、国際教養大学と秋田県立大学という2つの県立大学を有する秋田県が、どのようにこの2つの大学に関わってきたのか、関わっていくのか、を議論していきたいと思います。前回の9月議会で紛糾した大学の「剰余金」についても再び取り上げるつもりです。
委託事業については、県庁が委託者として発注している様々な事業、膨大な事業について、先般の「おにぎり事件」を踏まえて、今後どのように再発防止に努めていくのか、といったことについて議論するつもりです。
質問に立つのは、明後日、火曜日の11時頃からかと思います。
平日の日中ではありますが、秋田県議会のHPでは、生中継も録画放送も行っておりますので、ご覧いただけましたら幸いです。
昨日の新聞報道にあったとおり、我が民主党会派は現在、県政野党という基本的な立場をとっています。
議員内閣制を取る国と違い、地方自治体での与野党というのはあまり意味のないことだと個人的には思っていますが、それでも敢えて「野党」という立場を取っているのは、そういう視点で現在の県政を見ている一定の民意の受け皿が必要だと感じているからです。
現在の県議会において、そういう役割を主道的に担えるのは民主党会派だけだと自負もしています。
今回の質問も、そうした視点に立ってやっていきたいと思っています。
ややもすれば、批判的なトーンになるわけですが、個人的な感情などでやっているわけではありませんので、そこだけは皆さまにも御理解いただければと思います。
批判的、と言えば、いつもおもしろおかしく、批判的な視点で構成されているテレビ番組の「TVタックル」の明日夜の特番に、寺田学さんが出演されるとか。
どんな内容かよく解りませんが、これまたお時間ありましたら是非、生か録画で。