1年前のちょうど今日。
地元新聞紙に、私の出馬表明が掲載されました。
県庁の御用納めの日、28日をもって退職し、翌日、29日に「県庁を退職し、民主党公認として県議選に挑戦」という形での掲載となりました。
28日夜には、お世話になった元上司、先輩、同僚の方々が私のために壮行会を開いてくれましたが、その席でも、私は、「選挙に出る」とは言いませんでした。
選挙に出ることを退職の日になっても自分の口から言わなかったことも、出馬表明を御用納め後にしたことも、「退職の日までは、県庁職員として同じ県庁のみんなと一緒に何事もなく仕事をしたい、全うしたい」という気持ちからでした。
29日の新聞を自分で見たときには、自分のこととは思えず、写真を見ても記事を見ても、非常に不思議な感覚でいたことを今でも覚えています。
あれから丸1年が経過し、いよいよ政治の道を選んでから2年目が始まります。
1年、1年、でしっかりと勝負していきたいと思います。
この年末年始、大晦日と元旦ぐらいはお休みをいただこうと思っています。
久々の休みに欲張って、本を4冊も買ってきましたが、どこまで読めるか・・・・・
「山本五十六の生涯」
「日中国交正常化」
「通貨から世界経済を読み解く方法」
「原発と日本はこうなる」
最後の本の著者は、自民党衆議院議員の河野太郎氏ですが、未だ、原発の推進を堂々と主張される自民党国会議員の方々も多い中で、河野議員の主張は、私にとってはとても平易であり、インパクトがあり、この本を読み進めることも楽しみにしているところです。
また、来年は日中国交正常化40周年を迎えるということもあり、この40年の歴史を私なりに勉強をしておきたいという気持ちや、今の世界経済がモノによる実物経済という側面よりも、投資や為替といった部分で動いている面が先進国を中心に非常に大きくなってきており、そのことが先般の反格差デモなどの1つの要因になっていることなどへのある種の恐れといったものから、他の本は選びました。
山本五十六・・・は、完全に個人的な趣向によるものですが・・・・
ここ数日の積雪、吹雪により、秋田市内の道路状況はとんでもない状態となっております。
あちこちで事故も見かけますが、どうか、皆様もお出かけの際にはくれぐれもご留意ください。
佐竹知事は、昨日の定例記者会見で、今年を表す一文字を「災」と書き表した。
東日本大震災をはじめ、世界的にも様々な自然災害が頻発し、秋田でも豪雪被害にも見舞われるなど、災害対応に追われた1年、であったと。
また、ご自身が脳出血で長期入院生活となったことも、「災い」と評された。
確かに。
震災も、天災も、病気も「災い」だ。
しかし、災いが多くあった年を、ただ「災い」と表すことは、私は非常に残念だと思う。
災いの中に何を見出したのか、何をつかもうとしたのか、県政のリーダーとして、「そこ」を表していただきたかったと思う。
じゃあ、沼谷、そういうおまえは一体、なんと表すのか?
と問われるかもしれない。
私なら・・・・
「支」
だろうか。
被災地の復興というものに、どう「支援」していくのか、が問われた、問われ続けた1年だったと思うし、それはこれからも続くだろう。
また、秋田県自身も、「支え合う」ということについて改めて見つめ直す年となった。
国政を見れば、内閣の交代などがあったが、常に報道等で注目されつづけてきたのが、乱高下する「支持率」だった。国民の皆様の心がどこにあるか、そのことを考えさせられる1年ともなった。
消費税増税も議論されているが、これもまさに、社会保障も含めた世代間の「支え合い」をどう作るか、ということだろうと思う。
諸外国を見れば、これまで独裁的な体制によって「支えられてきた」政権が次々と倒れ、反格差という考え方を「支持」した同時多発的なデモが世界各地で起きた。
個人的なことで言えば、4月の選挙において、県民の皆様から「ご支持」をいただき、この仕事を与えていただき、今年1年、様々な方々に「支えられ」ながら走ってこれた。
また、佐竹知事が、ご自身で「災い」と評された脳出血についても、私は、記者会見中、職員に「支えられながら」退場する知事の姿が大変印象に残った。
その知事は、今年1年の県政運営について、知事は「70点」と評されたようだ。
これについて、あれこれ書くことは控えるが、率直に言って、70点はいささか高すぎるのではないか。
ご自身への支持率が果たして70%より上か下か、最近の世論調査がないので不明だが、来年は佐竹県政の成果を求められる年、是非、謙虚にひたむきに頑張っていただきたい。
12月議会が終わり、数日が経過しましたが、いくつか話題となったことについて引き続き報告していきたいと思います。
観光文化部。
という、新しい部が来年からできることになりそうです。
様々な報道が既にあり、「民間人を登用」といった話もありますが、県議会議員の多くは「まだまだ煮詰まっていない」、「順番が逆だ」という御意見を持っているようです。
私自身もそう思います。
会社でもNPOでも、新しい組織を創ろうとするときは、「何をやるか」、「どうやるか」、「新しい組織を立ち上げる必要があるか」といったことを検討します。
とりわけ、秋田県の観光を強化しよう、ということであれば、掛け声倒れにならないよう、何を目標にして、どうやってやるか、といった「目標」「戦略」「手段」が明確でなくてはいけません。
観光文化部は、それがありません。
県庁の中で、観光や文化、物産などを所管する組織がバラバラに存在していることは事実ですが、それを新しい部にまとめさえすれば、観光が振興できる、というかなり安直な発想であるように思います。
その点を12月議会では多くの議員が、「戦略があって組織ができるならわかるが、その反対というのは順番が逆だ。」、「何をやりたいのかビジョンが見えない。」指摘し、結果、県当局はこれから「観光戦略」を作って、議会に示すことにしました。
とはいえ。
4月から新しい組織を立ち上げるために、今からバタバタとそのアリバイづくりのような「戦略」を1、2カ月で作って、それで果たして本当にうまくいくのでしょうか。
私は、新しい組織を作ることも、観光に力を入れるということも否定はしません。
しかし、私が最も問題だと感じていることが2点あります。
1点目は、組織の肥大化、です。
新しい部はできますが、廃止される部などはありません。
つまり、組織が増えることになります。
「スクラップ&ビルド」ではなく、「ビルド&ビルド」。
部が増えれば、部長も増えるわけです。1つポストが増えます。
前知事があれだけスリムで簡素な行政体を、と取り組んできたにもかかわらず、佐竹県政下では、○○局などどんどん組織が細胞分裂を繰り返したり、先祖返りを起こしているように見えます。
その中で、既存組織のスリム化なしに組織が増えていくことに私は強い危惧を感じます。
2点目は、佐竹知事のパフォーマンスに過ぎないのではないか、ということです。
佐竹知事の任期は、あと残すところ1年4カ月です。
任期最後の年になって、新しい組織を立ち上げて、「観光やります」というのはいいですが、では、その成果が出るのはいつなのか、その果実を県民の皆さまが実感できるのはいつなのか。
成果とは、県民の皆さまに還元されてこそ初めて「成果」と言えるのであり、組織を立ち上げただけでは何の成果でも実績でもありません。
正直、今頃新しい組織を立ち上げるというのは、立ち上げたことそのものを実績化しようとするパフォーマンスではないか、とさえ言いたくなります。
新しい部を作るときには、秋田県庁の組織を定めた、条例や規則を改正する必要がありますので、来年の2月議会には条例改正案が議会に提出されます。
その条例案を可決すれば新しい部ができますし、否決すれば観光文化部はできません。
私も含め、県議会議員一人ひとりが、この観光文化部の必要性を吟味し、設置するのであれば即効性、実効性あるものにしていかなければなりません。
議論が浅いままに、浅い組織ができていく、ということだけは避けなくてはいけないと思っています。