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命を奪わないクルマ。

2012年04月27日

 想像するだけで、耐えきれない痛みに襲われる。
 気が狂うほどの、という形容詞さえ緩い。

 自分の目の前で自分の子どもが車に衝突され、そのまま25メートルあまりも巻き込まれたまま引きずられ、そして呼びかけにひと言も答えるなく、そのまま命を落とすとしたら。
 いつもの日常、いつもの朝が、一瞬で、「最後の日」になるとしたら。

 続発する交通事故。しかし、中には無免許運転や飲酒運転など、事故ではなく「事件」であり「故意」であるものも多い。
 そして、そのたびに、こうしたまさに罪もない、未来ある命が散っていく。

 ヒトはもうとっくに月の上を歩き、地球を見下ろすことにさえ成功したというのに、人の命を奪わない車一台作ることができない。

 アルコール検知器はあるのに、アルコール検知器で計ってからでないとエンジンがかからない車は作られていない。
 ICチップを内蔵した免許証に変わったのに、免許証を差し込まないと動かない車は作られていない。
 衝突したとき車の中の人間を守る車は作れるのに、車の外にいる人間の指一本守る車も作れない。

 ヒトが持つ知見や科学、技術とは何とも不思議なものだ。
 燃費を競うより、命を散らさない車こそ必要だ。

 秋田県では、佐竹知事の号令のもと、EVバスや、EV自動車、次世代自動車などへの参入を目指して研究開発が進められている。
 しかし、私自身そのことにどこか懐疑的であるのは、果たして秋田がその分野において、その分野を牽引するポジションに立てる独自性や優位性がどこにあるのか、ということが未だ見いだせていないからである。
 後発、とまでは言わないまでも、少なくとも「先発」とは言い難いものも多々ある。
 こうした事件・事故をニュースで見るたびに、ヒトの命を奪わないで済む車ができたら、それだけで世界市場を席巻できるのではないかと思う。
 なぜ、自動車メーカーがそこを競わないのかが不思議でもある。

 秋田はまさに「少子高齢化」先進県である。
 子どもが少ないのだから子どもはより一層大事にしなくてはいけない。貴重な命を居眠り運転や飲酒運転や考え事運転などで奪ってはならない。
 しかし、一方で高齢者も多く、公共交通も行き届かないとなれば、高齢者の方々がマイカーを運転して病院やら買い物やらに出かけることになるわけで、これまた高齢者の方々の運転リスクも高い県だと言わざるを得ない。

 子どもや高齢者に限るわけではもちろんないが、子どもが被害者にならずに済む車、高齢者の方々が加害者にならずに済む車、こうした自動車を開発することこそが、少子高齢化先進県である秋田の、まさに「秋田らしい」取り組みということにならないだろうか。

 そんな私も、誕生日の前後1カ月以内、ということで、その期限内ギリギリで、昨日自動車免許の更新に行ってきた。
 車も、車の運転も好きだし、突如、夜中に独りドライブに出ることもある。
 自分がいつでも加害者になりうる、運転するということはそういうことだ。肝に銘じたい。

そんなことにならぬよう。

2012年04月26日

 小沢元代表の無罪判決について、県連の政調会長という立場でいくつかの報道機関からコメントを求められた。

 国会の中ではなく、地方議員として外から見ている目線で言えば、一部の国会議員やマスコミの喧騒とは対照的に、国民・有権者の皆様はこの件に関して、驚くほど冷めた目線で見ておられるのでないか、というのが率直な感想だ。

 一国会議員の判決結果よりも、国会において何がどう議論され、結果、何が決まるのか、決まらないのか、そのことに国民の関心はもはや移っているように感じる。

 民主党の一員ではあるが、敢えて身内に対しても辛辣な物言いをさせていただくと、ぶっちゃけた話、国会内・党内でガタガタするようなら、そういう振幅が大きくなって、結局、「決めたこと」が「決まらない」ならば、そんな状態を引きずっていくよりも、さっさと解散総選挙を選んだほうがよいと個人的には思う。

 おそらく、大方の民主党地方組織も同じ思いではないだろうか。
 それほど、今、現場で有権者の皆様と直面している地方組織、地方議員は厳しい状況、厳しい声にさらされている。
 そのことを民主党国会議員の方々は肝に据えていただきたい。

 そしてもし、内輪で主導権争いを続ける醜態をさらしながら選挙に突入した時には、自民党も民主党もダメ、維新も危うい、という中で、国民の皆様にとっては「決められない政治」から「決められない選挙」ということに変わっていくだろう。

 結果、

 「そして誰もいなくなった」

 などというアガサクリスティの世界さながらの状態を目の当たりにすることになるかもしれない。

 そんなことにならぬよう、相当なる危機感を持って、国会審議に向かってもらいたい。

 現場を預かる地方議員として切に願う。 

バウチャー。

2012年04月24日

 少し前の新聞記事だが、タイミングを逃してしまったため、今になってここに書くことをご容赦いただきたい。
 やや冗長になるかもしれない。

 「学校外教育バウチャー」

 少し耳慣れない言葉だが、要は、学習塾や家庭教師、習い事などの「学校外での活動」に対して、クーポン券などを配布して、経済的に支援をしようというものだ。

 現在、神戸市にある民間団体が、寄付金や街頭募金などを原資として、バウチャーを発行しているのだが、これを自治体でやってみよう、というところが出てきた、という記事だった。

 自治体、とは大阪市である。
 生活保護受給世帯の中学生を対象として、月額1万円のクーポン券の支給を予定しているようだ。

 大阪市ならではの事情というか背景もあるようだが、そこをさておいても、親の所得によって、子どもの学習機会に差が出るのは歴然とした事実だ。

 そもそも、その町や村に学習塾が存在しない、というようなところでは、自治体が学習塾を運営する、というような事例も見られるが、いわゆる「お勉強」以外にも使えるバウチャーというのはユニークかつ先進的だ。

 今、生活保護という制度そのものにも様々な問題が生じているが、そうした「オトナ」の論理や事情や矛盾などがあっても、子どもたちに「多様な学習機会を与えるべき」という価値観はいささかも揺らぐものではない。
 単純に言えば、親が働かない、働く気がないから、子どもは学習塾やスポーツクラブに通えなくても仕方がないのだ、という考えを持つ人がいるとしても、私はその考えには与しない。
 少し脱線するが、「教育や子育ての基本は家庭だ」と主張する自民党や政治家の方々には、では、「高齢者に対する福祉や介護なども、その子どもたち世代が家庭で介護などをするのが基本だ」と主張されるのか訊いてみたいものだ、とも思う。

 オトナは、自分たちが生きてきた中で、税金や保険料を納めてきたから、その当然の見返りとして、年金や介護サービスを受けるが、子どもはそうはいかない。
 高齢者にとっての「年金」や「介護」がセーフティネットであるのと同様に、子どもにとってのセーフティネットは「教育」だが、そのセーフティネットを受けるための「掛け金」を自分では払うことができない。
 子どもが自分の将来の「可能性」や「所得」を担保にして、今、教育を受ける権利や資金を得られるほど、この国は寛容ではない。

 だから、子どもが教育を得る機会は、親や家庭に関係なく、制度として保証されなくてはならないと思う。

 さて。
 ひるがえって我が秋田県。
 県民所得は全国でも最下位クラス。
 小中学生の学力は全国トップクラス。
 これは、親の所得の低さを、学校教育によってカバーしている、と見るべきか。
 それとも所得格差と教育格差の因果関係はない、と考え直すべきか。

 しかし、学校教育では、平均点を上げることはできても、「出る杭」を作ることはなかなかできないのではないか。
 「出る杭」を作るためには、個性や能力に上乗せした投資が必要であり、そこには親の所得が影響してくると私は思う。
 「出る杭」が育ちにくい要因の1つが、秋田の所得の低さにあるとすれば、本県でもまたこうした「学校外教育バウチャー」によって、子どもたちの「個性」に追加投資するようなことがあってもいいのかもしれない。

 近いうちに大阪市に行っていろいろとお話を伺ってきたいと思う。
 粘着質に言わせてもらえれば、子育て世代の経済的負担軽減を理由に、佐竹知事は今年度から医療費助成を拡充したが、それが理由ならば、一番カネがかかるのは、高校や大学や塾や習い事なのであり、それに比べれば乳幼児期の風邪だの発熱だの、医者に通うカネなど大したことはないのである。

 余談だが、八幡平のクマ牧場の件。
 責任はない、問題はない、やるべきことはやってきた、と言い続けて、最後に「県にも責任があった」と認めざるを得ないようなところまで追い込まれるようなことにならないことを私は切に願う。
 その流れは、おにぎり誤表示問題の再来だから。
 

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沼谷 純はこんな人!

昭和48年3月
秋田市生まれ。仁井田育ち。
平成7年4月
秋田県庁入庁、企画調整課配属。
平成22年12月
政治を志し、秋田県庁を脱藩!
(退職)
平成23年4月
秋田県議会議員に初当選。
現在3期目。
令和3年2月
秋田県議会議員を辞職し、秋田市長選挙に挑戦。
令和5年4月
政治家として再始動を決意。
現在
秋田市横森在住。

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