玉川温泉事故以来、ということになろうか。
再び、「秋田」の名前が全国ニュースになってしまった。
何よりもまず、今回の八幡平クマ牧場の事故により、お亡くなりになられたお二人の方のご冥福をお祈りするばかりだが、ご本人も含め、ご家族・ご親族の方々はやりきれない気持ちでいっぱいだろう。
今回の事故(事故という表現が適切かどうか悩ましいが)については、現時点で報道等でしか私もまだ知らないが、それで見る限りにおいても、管理・飼育などの方法において、適切であったとはとても言い難い。
当然のことながら、従前からの管理方法を含め、所有者の責任が第一に明確にされるべきであるが、法律上の県の役割・立場についても、ここで簡単に書いておきたい。
「動物の愛護及び管理に関する法律」(通称「動物愛護法」)において、県は、クマやライオンなど特定動物を飼育する者に対して、許可権限を持っている。
許可の際には、「飼育する数・種類、飼育施設の内容・規模」などを確認の上、許可を出すことになり、立ち入り調査の権限や、許可取り消しの権限も持っている。
報道でも、飼育頭数に関する情報が錯綜していたが、どうやら、38頭との届け出が実際には34頭だったというような状況であったらしい。
県は数度にわたって立ち入り調査や指導などをしていたようだが、飼育頭数すら正確でない状況の中で「指導」のみに止めておいたのだとすれば、それが果たして許可権限者として適切であったかどうか、そのあたりは県としてしっかりとした説明が必要だろう。
屋根もない中で、夏も冬も吹きさらし、冬眠をさせる環境もなく、学校給食の残飯とリンゴなどを与えるだけだったとの情報もあり、劣悪な飼育環境に置かれていたことも推測される。
この施設は、有料での餌やり体験など、民間観光施設としても20年以上運営されており、県としても数度にわたって、許可の更新手続きをしていることから、こうした飼育環境が相当前から続いていた可能性もある。
明日は4月当初の暴風被害への対応などに関する臨時議会が開会されるが、今回の事故についても県が今後どのような対応を図っていくか、注視していきたい。
秋田県の観光振興という意味でも、こうした1つ1つの問題に対して、丁寧に対応していくことが必要であり、そうしたことの積み重ねこそが本県の観光誘客に関する「受け入れ体制」の整備につながるものだとも考えている。