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議員会館と議員アルバム。

2012年05月11日

 今日開かれた議会運営委員会では、議員会館について議論がありました。
 議員会館について簡単に説明すると、秋田市山王にある県庁舎の裏にひっそりと存在しております。
 議員一人ひとりに部屋が割り当てられ、日中は執務スペースとして利用することもできますし、宿泊することも可能です。来客・面会などに対応できる共用スペースなどもあります。

 遠方に住んでいる議員は、議会が始まると地元に帰らず秋田市内に宿泊することも多いのですが、その際、民間ホテルに泊まることもできるし、この議員会館に泊まることもできるということになっています。

 昨年来、この議員会館についてどうするか、という議論があり、当会派としては一貫して、「宿泊は民間ホテルで十分対応可能であり議員会館そのものを廃止し、山王の一等地でもあるので、可能なら処分・売却したほうがよい」という考えですが、全体として、「議員会館の宿泊機能は今任期末をもって廃止する」ということが決定しました。

 やや、まわりくどい言い方ですが、要するに、平成26年度末をもって議員会館には泊まれなくなる、ということです。

 ん?泊まれなくなる、と、「廃止」」は違うのかいな?という疑問を抱かれる方も多いと思います。
 これは、「宿泊はできなくてもいいが、日中の執務スペースとして使いたい」という声があるためです。

 当会派としては、完全に廃止をしたいと思っており、仮に議員会館を全廃せずに、日中の利用に限ったとしても、結局その維持管理費が年間800万ほどかかります。
 現在は宿泊機能も含めて1400万ほどの維持管理費がかかっているのですが、宿泊を止めても結局、これだけの維持管理費がかかっていく、というのでは、意味がありません。
 執務スペースが必要だ、という意見については、現在の議会棟や県庁舎の内部に必要最小限度のスペースを設けることで、議員会館の完全廃止を実現したいと思っています。

 もう1つ話題になったのは「議員アルバム」。
 実は私は実物も見たことがありません。
 どうも、4年の任期の終わりの頃に、全議員に配布されるアルバムのようです。集合写真や議会活動中の写真などが収められているとのこと。
 これも、廃止してはどうか、という意見があり、当会派としてはもちろん一も二もなく「廃止」を希望しましたが、「存続」ということになりました。
 大変残念なことです。
 このアルバムは、議員報酬の中から議員同士がお金を出し合って作っているものなので、新たに予算や税金をかけているわけではなく、議員のポケットマネーという意味においては県民の皆さまにご迷惑はおかけしていない、ということになるのでしょうが、私などにとってはこのアルバムを作る意味が何度考えてもわからず、不思議な結末となりました。
 写真なら、デジカメで撮影して、各議員にデータで配布すれば「0円」で済むはずなのですが・・・

 六法全書のような分厚い「県議会史」の編さんにも年間数百万の予算がかかっているんですが、これもまた、当会派から廃止を提案したものの、「県政や県議会の歴史を遺すという意味で貴重だ」ということで存続が決まりました。
 議会史を誰がいつひも解くのか、ひょっとしたら、議員自身が「自分探し」をするために開かれることが一番多いのではないか、などと思ってしまいますが・・・

 アルバムも議会史も、「記録」です。
 記録の必要性は否定しませんが、私自身は、いつかこの職を離れるときにはむしろ跡形もなく去りたいと思います。
 その日が来るまで、ただ前を向いて走るだけで、走り終わった後の記録には興味がありません。

 「記録」と言えば写真。
 写真家、一之瀬泰造が「地雷を踏んだらサヨウナラ」と手紙を遺して、アンコールワットで消息を絶ったのが私の生まれる4カ月前。
 いつか、アンコールワットに行ってみたいものです。

本日の雑感。

2012年05月09日

 東京から戻ってきた。
 夏と冬どちらが好き?と訊かれれば迷わず「冬」と答えるほど暑いのが苦手な自分にとっては、既に東京は足が遠のく気温だ。

 とは言え、野田総理はじめ、いくつか貴重なお話を伺うことができ、また、国会中でバタバタしているところを無理矢理捕縛?捕獲?し、寺田学さんとも何点かお話をしてきた。

 いつ会ってどんな話をしていても感じるが、多弁でも雄弁でもないが言葉にムダがない人である。
 私もそうだが、たいていは、思考<言葉、である。
 頭の中に浮かぶ言葉以上に、言葉は多く出てしまう。それはたとえば、「言い訳」的なものや、「説明」的なもの、迷いや様子伺いといったものが混じるからだろう。
 言葉にムダがない、というのはそれ以上に思考にムダがない、ということだと私は思うし、彼のそれは一種の才能だな、とも思う。
 それがプラスに働くこともマイナスに働くこともあるのだろうが、私はとても好感を持っている。

 そんな東京から戻り、今日は午後から観光産業委員会。
 佐竹県政4年目の総仕上げとして、今年度から始まる「未来づくり協働プログラム」だが、早速、鹿角市から提案のあった、「スキーを核とした交流人口の増大」を目的としたプロジェクトの内容について、現時点の案として説明をいただいた。

 鹿角市に対して総額2億円超の交付金額となるこのプロジェクトの正式な予算提案は6月議会となるのだが、細かい点はさておき、私個人としては、今の内容のままでは6月議会ですんなりとこの予算が通るとは思えず、気づいた点を何点か指摘させていただいた。
 この鹿角市のプロジェクトは、この後の試金石となりうるものだ。
 ここでしっかりとした議論、経過を辿ること、それが県民の皆さまに伝わることが5年で50億という大金をつぎ込むことに対する県と県議会に課せられた責任だと思っている。

 急いでる、早いほうがいい、といった曖昧な理由で地方自治の基本原則から外れるようなプロジェクトの立ち上がり、拙速な立ち上がりになってしまっては、「未来づくり」の看板が泣く。

法律論。

2012年05月08日

 「責任」という言葉がやっと出てきたようだ。

 昨日の佐竹知事の記者会見において、クマ牧場の件についての県の責任について記者から問われた際、次のように述べたようだ。

 「許可をしなければよかったのかという議論も確かにありますが、法律的な許可要件を満たせば許可せざるを得ません。
 その後の指導が甘かったということであろうかと思いますが、確かにこういう事態になり、立入検査もしていますので、そこをもう少し厳しくやるべきだったというご批判については、これは当然当たるのではないかと思います。」

 このコメントを素直に解釈すると、「要件を満たしていたので許可をした。そこは問題がない。しかし、そうは言っても指導が甘かったという批判については認めざるを得ない。」ということか。

 さて、私は不思議に思った。
 許可したこと自体に問題はなかったのか、ということだ。

 私は法律解釈の専門家でもなんでもないが、こういう話になるとやはり法律を正しく読む必要がでてくる。
 敢えて、今日はその条文を抜粋したい。相変わらず堅苦しい内容になるがお許しいただきたい。

 知事がおっしゃる「法律」」とは、「動物の愛護及び管理に関する法律」である。
 その26条にこうある。以下抜粋。

第二十六条  人の生命、身体又は財産に害を加えるおそれがある動物として政令で定める動物(以下「特定動物」という。)の飼養又は保管を行おうとする者は、環境省令で定めるところにより、特定動物の種類ごとに、特定動物の飼養又は保管のための施設(以下この節において「特定飼養施設」という。)の所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、診療施設(獣医療法 (平成四年法律第四十六号)第二条第二項 に規定する診療施設をいう。)において獣医師が診療のために特定動物を飼養又は保管する場合その他の環境省令で定める場合は、この限りでない。
 前項の許可を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書に環境省令で定める書類を添えて、これを都道府県知事に提出しなければならない。
 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては代表者の氏名
 特定動物の種類及び数
 飼養又は保管の目的
 特定飼養施設の所在地
 特定飼養施設の構造及び規模
 特定動物の飼養又は保管の方法
 その他環境省令で定める事項

 

 長ったらしいが、要は「特定動物」であるクマを飼育する場合は、その種類や数、飼育方法などをはっきりさせなさい、ということで、都道府県知事が許可をするに当たっては、こうした内容をしっかり確認することはもちろん、さらに環境省令によって、マイクロチップや脚環によって個体識別ができる状態にあること、が許可の条件とされている。

 つまり、クマの数がわかる、個体が識別できる、というのは許可に当たっての「最低基準」、「必須要件」であり、今回の事件では、事件発生後も飼育頭数が二転三転したり、飼育台帳もなく個体識別ができないような状態であったことなどがわかっているわけだから、私からすれば、そもそも「許可基準」に合致していないのではないか、ということを思うわけだ。

 まして、法律の第29条において、「許可基準」を満たさなくなったときは「許可の取り消しができる」という権限も知事には与えられている。

 佐竹知事のコメントでは、基準を満たしていたので許可せざるを得なかった、というようなニュアンスだったが、頭数も把握されていない飼育実態は許可基準を満たしていたとはとても言えず、ではいったい、何のためのたびたびの立ち入り検査であったのか、とも思う。

 記者会見の中では、法律に問題があったかのような言い方もあったが、私はこれは法律の不備ではなく、法律に定められた許認可事務を法律どおり遂行していなかったからではないかと思っている。

 その意味では、佐竹知事は指導の甘さをようやく認めたものの、許可をしたこと、許可取り消しをしなかったことは妥当だったとおっしゃっているわけで、私とは感覚が少し異なるようだ。
 いずれにせよ、この件について県に責任がないわけがない。
 人命が失われたことをどこかに置き忘れてはいけない。天災ではなく人災だ。

 県の責任と、これまでの経緯を明確にした上での、クマへの県費投入を含めた責任の取り方、判断がなされなくてはならないと思っている。

 私は特段等動物愛護家ではないが、そんな私でも、人命を奪ったクマが20年にわたってこうした劣悪な飼育環境の下で飢餓的状態に置かれていたというようなNPO団体の指摘が本当なら、そのことを想像すると、このクマこそ被害者(クマ)だとも思ってしまうのである。

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沼谷 純はこんな人!

昭和48年3月
秋田市生まれ。仁井田育ち。
平成7年4月
秋田県庁入庁、企画調整課配属。
平成22年12月
政治を志し、秋田県庁を脱藩!
(退職)
平成23年4月
秋田県議会議員に初当選。
現在3期目。
令和3年2月
秋田県議会議員を辞職し、秋田市長選挙に挑戦。
令和5年4月
政治家として再始動を決意。
現在
秋田市横森在住。

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