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一極集中再び。

2013年05月22日

 「地方なくして日本なし。」

 「地方の活力なくして日本の活力なし。」

 こういう言葉が言われ続けてきた。

 これに反論する人、反論できる人は少ないだろう。

 日本の高度経済成長は、地方の労働力が大量に首都圏に流入して達成された。

 経済成長と人口移動には深い相関関係がある。言うまでもなく、「景気のいいところ」、「仕事のあるところ」に人は集まるので、景気が良くなればまず地方から首都圏に人が流れる。

 結果、皮肉なことに日本の景気がよいときほど、秋田から若者が出ていく。これは戦後の秋田県の人口動態を見れば明らかである。

 人材、エネルギー、食糧・・・様々なものを地方は首都圏に供給し続け、それに対して地方が正当なる見返り、評価を得てきたかと言えばそうではないと私は思っている。

 今、政府が「3本の矢」の3本目として、成長戦略をまとめようとしている。

 どれもこれも「小粒」で「いつか通った道」ばかりだが、私自身の強い思いとしては、最大の成長戦略は、「地方分権」だと思っている。

 東京一極集中を是正し、地方に権限と財源を与え、税制も含めて各地域が自由に設定できるようにする。そのために道州制が必要なら道州制を大いに推進するべきだとも思う。

 しかし、どうも今の自民党政府はそれとは逆の方向に行こうとしているようだ。

 「都市高齢者 地方受入れを模索」との報道があった。

 首都圏でこれから爆発的に増える要介護高齢者。これを首都圏で対応しきれないので、地方の施設で受け入れてもらう、ということが政府で議論されている。

 ここで重要なのは定年退職後の元気なシニア、ではなく、介護が必要な高齢者であるという点だ。

 医療・介護分野で地方に雇用が生まれるという意見も出されたようだが、正直、冗談じゃない、というのが私の率直な気持ち。

 言葉は悪いが、地方を首都圏の「姥捨て山」のように使われたんではたまったもんではない。

 本当に地方受入れを考えるなら、要介護になる前に、50代後半あるいは60代前半からの地方移住を政府が「制度」や「法律」によって本気で後押しすべきだ。地方で暮らし、地方のコミュニティに入って、その地域の一員として老いを迎え、やがて命を終えるというなら話はわかる。しかし、そこに手を付けないで、介護高齢者だけを受け入れてくれ、などというのは地方蔑視の最たるものである。

 もう1つ。

 安倍首相は首都東京での特区構想の検討を指示したとのこと。

 特区の内容は、現在40.7%の法人実効税率を、都心などに限って、シンガポールや香港なみの20.2%に引き下げるといったものだ。

 これが実現すると確かに首都圏は潤うだろう。

 しかし、地方でこそ、こうした軽減税率が必要なはずである。

 これではまるで、「お金と企業と若者は首都圏へ」、「食料と自然と高齢者は地方へ」と言わんばかりではないか。

 こういう東京一極集中の流れの先にあるのは、取り返しのきかない地方の疲弊と、呆れるほどの格差社会の到来だろう。

補完勢力。

2013年05月20日

 先週、政党支持率に関する報道がいくつかあった。

 言うまでもなく圧倒的に自民党の支持率が高い。

 レースでもなんでもないが、維新の会の支持率が下がり続け、「ついに」という言い方も自虐的だが、民主党と入れ替わったとか。

 民主党が何をした、ということではなく、維新の会が、世界に向かって見苦しい言い訳や認識を発し続け、日本の品位を貶め続けている結果であろう。

 

 とはいえ、維新の会も民主党も政党支持率は一ケタ台なのだから、有権者の皆さまから見れば、情けないほどのドングリの背比べであるし、その争いに何の意味もないと私自身は思っている。

 みんなの党と維新の会の選挙協力が白紙になり、これで民主党が漁夫の利を得るなどという報道もあるが、少なくとも本県では、みんなの党も維新の会も選挙区に候補者がいないのだから、得る「漁夫」はない。

 どんなに劣勢でも、民主党は民主党としての選挙、政策を地道にやるしかと思っている。もはや「風」も「数」もなくなった民主党は、そういう「鍛え直し」の道しか残されていないし、その道を俯かずに顔を上げて進んでいくべきだ。

 維新の会の比例候補となられた本県の方が、選挙区から出馬しない理由を「自民党の邪魔をしたくない。」と取材に答えたという記事もあった。

 自民党と公明党の選挙協力の姿としては、よくある風景だが、自民党と維新の会の関係としては全国的にも珍しい形ではないかと思う。

 いずれ、本県においては自民党と維新の会が手を組んで選挙をやられるということであれば、維新の会が自民党の補完勢力としての極右政党であることがハッキリしたわけで、かえってわかりやすくて良いと思う。

 そういう勢力だけで成り立つ国会、国政の姿は見なくて済むように全力を尽くすだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バター餅。

2013年05月17日

 今日、目に留まった報道。

 「円安影響 バター餅にも」とのタイトル。

 昨年開催された全国スイーツコンテストで4位に輝き、今、地元でも大いに売り出し中のバター餅が、今月1日から50円値上げするという。

 秋田の銘菓として長らく愛されている「金萬」は、525円のものが630円に値上げというから、これは大幅値上げと言ってよいだろう。

 いずれも値上げの理由は小麦やバターなどの原材料価格の高騰。

 株が買われ株高になって外国人投資家や株を持つ方々は嬉しい悲鳴を上げる一方、国債の人気がなくなり、その分、金利を上げざるを得ない状況となっている。これによって、国債金利に連動する住宅ローンなどは既に上昇傾向にある。

 テレビをつければ、何やら景気の良い話ばかりが聞こえてくるが、どこか別の国のことのよう、おとぎ話のようで、同じ国、同じ時代に生きているはずの我々地方の人間、庶民の生活現場では、日用品や食料品の値上げばかりが目につく状況となっている。

 こうした物価高や金利上昇を耐えたあと、地方においても景気回復の足音や所得向上の動きが見えてくるならばこれは大変喜ばしいが、こうした「実感」は、金融緩和や一時的な財政出動では得られないのであり、やはり、地に足のついた、実態の伴った成長戦略こそが、早期に求められるところだ。

 安倍内閣は、3本目の矢として、成長戦略の策定を急いでいる。

 この中身が本当に我々、地方の人間、地方の暮らしに恩恵あるものになるのかどうか、そこをしっかりと見極めていきたい。

 199年代のバブル景気の際には、首都圏の景気だけがよくなって、秋田の景気は何も変わらなかった。むしろ、首都圏への人口の流出は加速した。

 景気回復という言葉は魔法のようだ。

 その魔法のような言葉を自民党は半年前に使って、選挙に大勝した。

 この秋田にも景気回復の波が届いてくれることを期待はしているが、耳障りのいい言葉に惑わされることなく議員として、しっかりと秋田の経済を見つめていく責任があると思っている。

 話は変わり、これまで「流入」の一方であった維新の会。

 ここにきてついに離党者を出した。

 「従軍慰安婦は必要だった」という党首も党首なら、「日本には韓国人の売春婦がうようよいる」という所属議員も議員である。言った後に離党届を出したところで、その発言は消えない。またもやこれで国際問題の火種となろう。

 こういう政党と一緒になって改憲をやって国防軍を設置しようという自民党もそろそろ頭を冷やしたほうがよい。

 96条の先行改正にもこれだけ国民や有識者から反論が出ているのだから。

 マンモス政党の自民党らしく、落ち着いた政治をやってはいかがか。

 そうでなくては、「TPP反対」の旗に振り回された本県農家の方々、「景気回復」の旗を信じ続けている中小企業の方々、「社会保障制度改革」を信じた高齢者の方々は再び政治に絶望するだろう。

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沼谷 純はこんな人!

昭和48年3月
秋田市生まれ。仁井田育ち。
平成7年4月
秋田県庁入庁、企画調整課配属。
平成22年12月
政治を志し、秋田県庁を脱藩!
(退職)
平成23年4月
秋田県議会議員に初当選。
現在3期目。
令和3年2月
秋田県議会議員を辞職し、秋田市長選挙に挑戦。
令和5年4月
政治家として再始動を決意。
現在
秋田市横森在住。

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