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忖度。

2017年03月24日

 忖度(そんたく)という、あまり聞きなれない言葉が飛び交っている。

 大阪の国有地払下げに関して、財務省などが首相や首相夫人、その他の政治家の心を「忖度」したかどうか、というような話だ。

 一方で、こうした政治家たちが具体的に、口利きやあっせんなど政治的な関与を行ったのかどうか、ということもまた論点になっている。

 この点について、昨日の証人喚問での質疑を含め、私の15年の役人生活を踏まえた所感を述べれば、「忖度」は当然にあった、と思うし、一定の地位や権力にある政治家が、具体的に何かを頼んだり命令したりしなくても、そこに名前が出てくるだけで、役所は「忖度」するはずだとも思う。

 私が役人なら、自分が頭の上がらぬ課長や部長、その課長や部長が頭の上がらぬ大臣、その大臣さえ頭の上がらぬ総理大臣に対して、この日本の中で唯一臆することなく何でも言える夫人が名誉校長をしている学校から、何らかの便宜を求められたときに、「忖度しない」という選択肢はない。まして、その際に、総理夫人の秘書から問い合わせがあったとなれば、どのような回答をするにせよ、「忖度なき回答」であるはずがない。

 しかし一方で、忖度の度合いが、8億円の値引きとどの程度直接的に関わっていたのか、ということについては、おそらくは明確なる証拠などは出てこないと思う。なぜなら、役所内の様々な書類等において、少なくとも「忖度したので値引きした」と記録されているはずもなく、忖度した上で、書類上では8億円値引きの整合性を整えたと考えるのが妥当だろう。

 そして、こうした役所内の「忖度」のプロセスと、そこに対する政治的関与の度合いこそが、今、国民が最も知りたいことのはずなのだが、一方の理事長は民間人であるにも関わらず「偽証罪」を背負った上での証言をし、公務員である役人は偽証しても罪に問われることがない「参考人招致」の場で「忖度はなかった、適正な意思決定だった、政治家の関与はなかった」と好き勝手に取り繕えるというのだから、そもそもこの国有地払下げに関する真相究明という土俵は、全く不公平な土俵が最初からしつらえられていると言わざるを得ない。

 2か月で30回以上もメールをやり取りしている総理夫人をはじめ、土俵の外からアレコレ騒ぐのではなく、関係者一同、証人喚問という同じ土俵の上で相撲を取ったらどうだろうか、と率直に思うのである。

 

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沼谷 純はこんな人!

昭和48年3月
秋田市生まれ。仁井田育ち。
平成7年4月
秋田県庁入庁、企画調整課配属。
平成22年12月
政治を志し、秋田県庁を脱藩!
(退職)
平成23年4月
秋田県議会議員に初当選。
現在3期目。
令和3年2月
秋田県議会議員を辞職し、秋田市長選挙に挑戦。
令和5年4月
政治家として再始動を決意。
現在
秋田市横森在住。

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