秋田県での大雨被害への対応に追われていた最中、ニュース速報で民進党の蓮舫代表が辞任することを知った。
事前に知る術も、事前に知り得る立場にもないため、その速報が第一報となったのだが、正直、驚いたというよりは「やはり」という感想のほうが強かった。
二重国籍問題の影響がないとは思わないが、それ以上に蓮舫代表に党運営は行き詰まっていたように地方議員の私ですら感じていた。
「行き詰まり」の中身をここで縷々書き記すことはしないが、やはり次期衆院選の足音が近づく中、野党第一党として憲法をどうするのか、経済をどうするのか、地方の人口減少や社会保障制度の持続可能性への懸念といった「この国のありよう」や「国政政党としての根本的立ち位置」について、常に安倍政権との対比や反射でしか自らの主張を語ることができない状況が続いていたことが最も大きいように感じる。
もちろんこれは蓮舫代表1人の責任というより、野党転落後の民進党が未だに背負い続けている「国政政党としての脆さ」そのものであるのだが、その立て直しを図るべく「対案路線」を打ち出した蓮舫代表であったればこそ、この行き詰まりには自らも忸怩たる思いはあっただろう。
私自身は誰が総理大臣であろうと、どこが政権与党であろうと、「憲法改正」の問題を有耶無耶にしていては、いつまで経っても政党としての信頼は得られないと感じているし、一つひとつの根本的政策について、民進党自身の立ち位置を「相対的」ではなく「絶対的」なものとして鮮明にできないようなら、解党も一つの選択肢と思っている。
今、国民には選択肢がない。
これほどに内閣支持率が低迷し、「支持政党なし」という層が最も分厚い政治的民意となっている中で、自民党に対峙しうるしっかりとした野党を作り上げることは、何よりも急務の課題だと私は思っている。
民進党の立て直しが、その課題に応える最も近い道であるならば、その道を迷わず進むべきであるが、民進党の解党や野党再編がむしろ「真の二大政党制」に近づく道であるならば、そこから目を背け、党の維持や体面にこだわり続けるよりは、思い切った政治的判断をするべきだと私は考えている。
その意味で、私は真の二大政党制を実現するために民進党が捨て石になっても構わないという立場を取っている。
次にどういった方が代表になるのかはわからないが、そうした覚悟とビジョンをしっかりと持った方に代表になっていただきたいし、率直に言えば、旧民主党政権下において閣僚などを務めた方だけで代表選が行われることは避けてもらいたいとも思う。