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見える化

2011年05月07日

 議員報酬の削減について。
 今日(日付が変わったので正確には昨日)、各会派の代表者らが集まり、協議が行われました。
 既に一部テレビ報道によって報道されており、明日は新聞紙等での報道がなされるかもしれませんが、報道では恐らく伝わらない部分も含めて、この場を借りて、県民の皆さまに、詳細をご報告させていただきます。少し長くなりますが、もしお時間が許すようでしたら最後までお読みいただければ幸いです。
 まずは、これまでの事実関係を少し。
 議員報酬カットは、「県内の経済情勢が厳しい」ことを理由として、議員自らの提案により継続されてきました。5%カットです。そして、このカットは4月29日をもって期限が切れ、4月30日以降のカットについては、同日から新たに任期がスタートする45人の新議員によって、議論・決定されることとなっていました。
 このことについては、既に以前のブログでもご報告していたとおりです。

 そして、今日の協議。
 今日開催された「世話人会」は、マスコミに全面公開されています。当然、私はこの世話人会の場において議員報酬についての議論が交わされるものと認識していました。
 しかし、議員報酬の議論については、世話人会をいったん終了し、マスコミ非公開のもとで「協議会」という別の会議に切り替えて行うとの説明がありました。
 私からは、「県民の皆さんも大変関心の高い問題であるし、マスコミの皆さんがいる前で堂々と議論するべきではないか」と提案をしましたが、座長からは「3月時点で、マスコミ非公開の協議会で議論するということに決まったもの」との説明がありました。
 さて。奇異に感じられる方も多いのではないでしょうか。
 新たにスタートする議員の、その報酬削減については、新たな議員によって決めましょう、ということであったはずなのに、「非公開で議論する」ということだけは、前の議員の方々で決めてしまったというのです。
 こうした手法そのものが県民の皆さんから議会を見えなくしている、遠いものにしている大きな一因になっているのではないかと私は考えます。
 しかし、残念ながら、私以外にこのことについて意見を述べた方はいなかったため、その場にいらっしゃったマスコミの方々に退席いただき、予定どおり(?)非公開の「協議会」において議論が行われました。

 次に議論の内容について。
 座長から、各会派代表者に対して、議員報酬の削減についての各会派の考えが問われました。
 自民党と新みらい、そして社民党からは「5%カットの1年継続」という意見が出されました。
 民主党からは、「20%カットの2年継続」という意見を出しました。民主党としては、議員同士の議論においても互いに論点ペーパーを出すなど、形にし、見えるものにしていきたという想いを持っていることから、今回の意見についてもペーパーとして提出しました。(詳細は新着情報に掲載しております。)
 いぶき会派からは、「最低でも5%カットを1年継続」、県民の声も「5%、1年」、公明党からは「10%、1年」、そして共産党からは「25%、1年」という提案がなされました。

 こうした様々な提案が出ることは大いに予想されたことですし、これを発射台にして、様々な議論を行い、そして互いの意見に耳を傾けながら、それでもなお、相容れない部分がある場合には、その論点や違いを明確にして県民の皆さまに示すことが、議員としての最低の責務だと私は考えています。
 しかし、大変残念ながら、県議会最大会派の自民党議員の方々からは「あれこれ議論をして、歩み寄るというような問題ではない。本会議での採決で決めるしかない。」、「出た意見を各会派に持ち帰って再度議論をする必要はない」といった趣旨の発言があり、今日のわずかな時間の会議をもって「決裂」という形になりました。
 私が残念であったことは、決裂したということそのものではなく、議論が十分に尽くされなかったということです。
 民主党からは、20%カットを2年行うことについて、「震災後の本県の経済復興を最優先するため」、「カットで生みだした財源によってたとえば観光や防災対策などでこんなことができる」といった目的や使途などを出来る限り明確にして提案をしましたが、5%カットの継続を主張された自民党や新みらい会派からは、そうした本県の経済情勢や、5%の使途などについて何の説明もなされませんでした。
 経済情勢の悪化を理由にカットしてきたのですから、そのカット率をそのまま延長するということは、本県の経済情勢は、震災前と震災後で何ら変わらないという認識に立たれているのでしょうか。
 こうした説明なしに、「議論してもムダ」と結論づけるのは大変拙速で雑な議論であると私は思います。
 佐竹知事とともに108万県民の皆さんに責任を果たすべき県議会の、その過半数を超える自民党と、第2党である新みらいには、まさに「自分たちの会派の意思が県議会全体の決定に直結する」責任政党として、その意思を県民の皆様に丁寧に説明していく重い使命があるのではないでしょうか。
 私は今日の議論において、両党が県民の皆様に対する説明責任を果たしたとは思いません。
 その責任は、来週開会する臨時議会の場で果たすという考えだとすれば、民主党としても、本会議の場において堂々と対案を出し、県民の皆様にお伝えしていきたいと考えています。
 しかし、本会議の場で主張するためには、条例改正案を提出しなければいけませんが、それには議員4人の賛同者が必要という決まりになっています。
 このため、民主党会派3人だけでは条例提案できないため、他の会派との協議を進め、当会派の考えに沿うような案で取りまとめを行い、条例提案にこぎつけるよう努力したいと考えています。
 もし、そうしたことが実現すれば、「議員報酬条例」という1つの条例に対して、2つの条例改正案が本会議に提出され、それぞれが県民の皆さまの前で主張を行った上で、採決をするという、おそらく県政史上始まって以来の「議員同士が真剣勝負する本会議」が実現することになります。
 県民の皆さまには、議員報酬そのものの決着についてだけではなく、こうした「議会の透明化」「議論の見える化」もまた、私たち民主党会派が目指す「議会改革」の入り口であるというふうにご理解いただければ大変幸いです。
 長文に最後までお付き合いいただきましたことを併せて感謝申し上げます。

連鎖

2011年05月05日

 今日はいつもと少し毛色の違う話題にしたい。

 ビンラディン氏、殺害。
 その報道に驚いた方も多いのではないか。
 killという言葉を用い、まさに一国の大統領が、国を挙げて個人を殺害したということを高らかに宣言した。
 国際法上、この行為がどうように正当化されるものか、され得るものか、なぜか日本のメディアはあまり取り上げようとしていないように見える。
 株価が上がった、などと報道するばかり。

 10年前、私は公務員をするかたわら、ある古い友人の厚意で、とある雑誌にコラムを寄稿させてもらっていた。ちょうどそのころ、世界貿易センタービルに飛行機が突っ込み、そして「テロとの戦い」が始まった時期でもあった。
 私は決して、アメリカ嫌いでもイスラム教徒でもないのだが、ビンラディンが一時期アメリカから支援を受けていたこと、アメリカの「正義」が多くの罪もないイラク国民の命を奪ったことなど、にわかに納得しがたいことが多く、「憎しみが憎しみを呼ぶ。これ以上、不幸と悲しみの連鎖を続けるべきではない。」と書き綴ったことを昨日のことのように覚えている。
 それから10年経ち、世界は変わっただろうか。
 世界は「テロとの戦い」に勝利し、そして終結させただろうか。
 既に、中東からは報復の声や、戸惑いの声が上がっている。
 この殺害は第二、第三のビンラディンを生み出す。なぜ、あのリンカーンを生んだ国が気付かないのか。

 世界も、日本も、同じことを同じように繰り返しているような時間はない。
 食糧問題、エネルギー問題、環境問題、そしてそれらの根底にある地球全体での人口増加や「発展」への飢え。
 世界のリーダーたちは、こうした問題について、「負の連鎖」から国民を救う義務があるし、そのためには「繰り返し」や「現状維持」の甘い誘惑から自らを解き放って、前に進んでいくしかないと思う。

 明日は県議会各会派の代表者らが集まり、議員報酬のあり方について議論が行われる予定だ。
 秋田にも負の連鎖は多数存在する。震災後はその傾向がさらに顕著だ。
 議員報酬の議論の先にそのことを見据えなければならない。
 そういう思いで、明日の会議の場で、私からの意見ペーパーを出したいと考えているし、そのペーパーはこのHP上で明日公開させていただきます。
 

 

愚直に

2011年05月01日

 復興財源をどうするか、という議論が盛んだ。
 増税はまかりならん、国債を発行せよ、という方も多い。本県の佐竹知事もそのお一人のようだし、国会においても与野党の別なく、そういう論陣を張られる方がいる。
 復興には20兆円とも30兆円とも言われる財源が必要と言われているが、当然のことながら、誰も正確には解らない。
 国債整理基金の定率繰り入れ停止などによる財源捻出を主張する政党もあるが、今、特別会計などの「埋蔵金」探しをやっている場合ではないようにも思える。
 一方、マスコミ各社の世論調査では、復興増税については「賛成」が半数を超える結果となったところが多かったようだが、その精度・真意は定かではない。
 ただ、阪神淡路大震災の際に、日本赤十字社に寄せられた義捐金は1年間で約1000億。今回の震災では、この2カ月足らずの間に約1600億となっており、今回の震災に対する国民全体の「共有度」を一定程度表わしていることは確かだろう。

 私は、消費税か、所得税か、といった税目はさておき、復興という特定目的のための増税は必要だと考えている。国債を発行するとしても、増税がセットであるべきとも思う。
 なぜなら、震災からの復興、そして新しい日本の国づくりは、「今」を生き、「日本」を消費している我々の「未来」に対する大きな責任であり、その財源を「未来」に負担させるようなことはあってはならないと思うからだ。

 財源・財政問題だけではない。これまで「たなざらし」にされてきた問題がたくさんある。
 たとえば、首都機能移転。
 ずいぶん昔に話題になり、進むかに見え、結局、露と消えたこのテーマも、もう一度、そして今度こそ何らかの成果を出すべきではないか。
 あるいは、道州制。その前哨戦としての「広域連合」。今回の震災が仮に「東北州」で起きていれば、あるいは、「東北広域連合」が存在していれば、被災者支援・受け入れ、経済復興はより大局的、効率的に進んだのではないかとも思う。
 エネルギー政策にしても、原発からの脱却を本当に目指すとすれば、「利便性」とある種刺し違える国民的覚悟を持ってでも自然エネルギーに転換していかなければいけないだろう。
 高速道路、港湾、空港、鉄道など社会インフラの整備なども日本全体で再構築しなければいけない。

 つまり、この震災は、単なる「東北の復興」がゴールではなく、この国の行政システムや、国土の構造、ライフスタイルや価値観の変革など、「わかっていながら連綿と先送り」されてきた問題について、私たちの世代において結論を出し、そして、新しい日本を創ることがゴールだと私は思う。
 そして、秋田は今こそ愚直に、そうした問題について体当たりすべきだとも思う。
 秋田だけでできること、東北単位でできること、国を動かさなければできないこと、いろいろだが、「東北の日本海側に首都機能の一部を移転しろ」、「原発に代わる東北のエネルギー産業に集中投資しろ」ぐらいは主張してもいいのではないか。

 安全・安心な秋田からこそ、新しい日本のグランドデザインを発信し、秋田のプレゼンスを高めたい。
 県議会を含めた秋田県政の「構想力」が問われる時とも言えるかもしれない。
 私もその責任を担う一員として、何らかのアクションを早急に考えたい。
 

 
 

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沼谷 純はこんな人!

昭和48年3月
秋田市生まれ。仁井田育ち。
平成7年4月
秋田県庁入庁、企画調整課配属。
平成22年12月
政治を志し、秋田県庁を脱藩!
(退職)
平成23年4月
秋田県議会議員に初当選。
現在3期目。
令和3年2月
秋田県議会議員を辞職し、秋田市長選挙に挑戦。
令和5年4月
政治家として再始動を決意。
現在
秋田市横森在住。

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