議員報酬の削減について。
今日(日付が変わったので正確には昨日)、各会派の代表者らが集まり、協議が行われました。
既に一部テレビ報道によって報道されており、明日は新聞紙等での報道がなされるかもしれませんが、報道では恐らく伝わらない部分も含めて、この場を借りて、県民の皆さまに、詳細をご報告させていただきます。少し長くなりますが、もしお時間が許すようでしたら最後までお読みいただければ幸いです。
まずは、これまでの事実関係を少し。
議員報酬カットは、「県内の経済情勢が厳しい」ことを理由として、議員自らの提案により継続されてきました。5%カットです。そして、このカットは4月29日をもって期限が切れ、4月30日以降のカットについては、同日から新たに任期がスタートする45人の新議員によって、議論・決定されることとなっていました。
このことについては、既に以前のブログでもご報告していたとおりです。
そして、今日の協議。
今日開催された「世話人会」は、マスコミに全面公開されています。当然、私はこの世話人会の場において議員報酬についての議論が交わされるものと認識していました。
しかし、議員報酬の議論については、世話人会をいったん終了し、マスコミ非公開のもとで「協議会」という別の会議に切り替えて行うとの説明がありました。
私からは、「県民の皆さんも大変関心の高い問題であるし、マスコミの皆さんがいる前で堂々と議論するべきではないか」と提案をしましたが、座長からは「3月時点で、マスコミ非公開の協議会で議論するということに決まったもの」との説明がありました。
さて。奇異に感じられる方も多いのではないでしょうか。
新たにスタートする議員の、その報酬削減については、新たな議員によって決めましょう、ということであったはずなのに、「非公開で議論する」ということだけは、前の議員の方々で決めてしまったというのです。
こうした手法そのものが県民の皆さんから議会を見えなくしている、遠いものにしている大きな一因になっているのではないかと私は考えます。
しかし、残念ながら、私以外にこのことについて意見を述べた方はいなかったため、その場にいらっしゃったマスコミの方々に退席いただき、予定どおり(?)非公開の「協議会」において議論が行われました。
次に議論の内容について。
座長から、各会派代表者に対して、議員報酬の削減についての各会派の考えが問われました。
自民党と新みらい、そして社民党からは「5%カットの1年継続」という意見が出されました。
民主党からは、「20%カットの2年継続」という意見を出しました。民主党としては、議員同士の議論においても互いに論点ペーパーを出すなど、形にし、見えるものにしていきたという想いを持っていることから、今回の意見についてもペーパーとして提出しました。(詳細は新着情報に掲載しております。)
いぶき会派からは、「最低でも5%カットを1年継続」、県民の声も「5%、1年」、公明党からは「10%、1年」、そして共産党からは「25%、1年」という提案がなされました。
こうした様々な提案が出ることは大いに予想されたことですし、これを発射台にして、様々な議論を行い、そして互いの意見に耳を傾けながら、それでもなお、相容れない部分がある場合には、その論点や違いを明確にして県民の皆さまに示すことが、議員としての最低の責務だと私は考えています。
しかし、大変残念ながら、県議会最大会派の自民党議員の方々からは「あれこれ議論をして、歩み寄るというような問題ではない。本会議での採決で決めるしかない。」、「出た意見を各会派に持ち帰って再度議論をする必要はない」といった趣旨の発言があり、今日のわずかな時間の会議をもって「決裂」という形になりました。
私が残念であったことは、決裂したということそのものではなく、議論が十分に尽くされなかったということです。
民主党からは、20%カットを2年行うことについて、「震災後の本県の経済復興を最優先するため」、「カットで生みだした財源によってたとえば観光や防災対策などでこんなことができる」といった目的や使途などを出来る限り明確にして提案をしましたが、5%カットの継続を主張された自民党や新みらい会派からは、そうした本県の経済情勢や、5%の使途などについて何の説明もなされませんでした。
経済情勢の悪化を理由にカットしてきたのですから、そのカット率をそのまま延長するということは、本県の経済情勢は、震災前と震災後で何ら変わらないという認識に立たれているのでしょうか。
こうした説明なしに、「議論してもムダ」と結論づけるのは大変拙速で雑な議論であると私は思います。
佐竹知事とともに108万県民の皆さんに責任を果たすべき県議会の、その過半数を超える自民党と、第2党である新みらいには、まさに「自分たちの会派の意思が県議会全体の決定に直結する」責任政党として、その意思を県民の皆様に丁寧に説明していく重い使命があるのではないでしょうか。
私は今日の議論において、両党が県民の皆様に対する説明責任を果たしたとは思いません。
その責任は、来週開会する臨時議会の場で果たすという考えだとすれば、民主党としても、本会議の場において堂々と対案を出し、県民の皆様にお伝えしていきたいと考えています。
しかし、本会議の場で主張するためには、条例改正案を提出しなければいけませんが、それには議員4人の賛同者が必要という決まりになっています。
このため、民主党会派3人だけでは条例提案できないため、他の会派との協議を進め、当会派の考えに沿うような案で取りまとめを行い、条例提案にこぎつけるよう努力したいと考えています。
もし、そうしたことが実現すれば、「議員報酬条例」という1つの条例に対して、2つの条例改正案が本会議に提出され、それぞれが県民の皆さまの前で主張を行った上で、採決をするという、おそらく県政史上始まって以来の「議員同士が真剣勝負する本会議」が実現することになります。
県民の皆さまには、議員報酬そのものの決着についてだけではなく、こうした「議会の透明化」「議論の見える化」もまた、私たち民主党会派が目指す「議会改革」の入り口であるというふうにご理解いただければ大変幸いです。
長文に最後までお付き合いいただきましたことを併せて感謝申し上げます。