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2014政府予算案。

2013年12月26日

 来年度の政府予算案が決定した。

 まさにセレモニーであるがゆえに廃止された予算案にかかる大臣同士の「大臣折衝」が復活し、様々な業界と族議員とがタッグを組んだ予算増額に向けた動きが活発になるなど、一連の予算編成過程は、まさに安倍総理が「取り戻した」権力の、そのクラシックな姿が鮮明に浮かび上がったなあ、というのが第一印象としてある。

 昨年末の政権交代の時点では、民主党政権が半ばまで予算案を作り上げていたため、その意味では、今回の予算案こそが安倍政権の、「やりたいこと」が存分に、そして全面に出る本格的な予算ということになる。

 私は、政治の「意志」は予算に表れると思っている。

 国であれ、地方であれ、歳入をどう確保するか、そして、その限られた財源をどこに振り向けていくか、これこそが政治の意志そのものであり、政治家がどんなに雄弁に語ろうと、メッセージを放とうとも、予算が伴わなければそれは蜃気楼に過ぎないからだ。

 政治家はタクシードライバー、国民は客、車は政策、ガソリンが予算だ。

 ガソリンがなくては、車が動かず、車が動かなければドライバーは不要だし、客は目的地へ行けない。

 予算を見るときに気をつけなくてはならないのは、単純に「増えた、減った」という増減ではなく、「増やした」のか「増えた」のか、あるいは「減らした」のか「減った」のか、という、そこに政治の意思が介入したのかどうか、という点だ。

 たとえば、社会保障費は「増やしたくはないが、増えてしまった。」という自然増だ。

 その中で、診療報酬のプラス改定は、医師会等への配慮によって「増やした」ものだ。

 200億を超えるこの「増やした」分は、新たな国民負担となる。

 公共事業も「増えた」のではなく「増やした」ものだ。国土強靭化という金科玉条をぶら下げて、景気対策のための借金公共事業がこれからも続くことになりそうだ。

 防衛費も「増やした」。防衛予算を増やしていきたいという安倍総理の意向がある以上、今後も増えていくことになるだろう。

 一方で、「減らした」ものは、たとえば地方交付税。

 これは自民党政権に代わってから、再び削減傾向が強まっているだけではなく、この地方交付税を使って、地方自治体の政策や行政運営を束縛するような「アメとムチ」に使われるようになってきている。地方分権とは逆行する流れだ。

 このほか、医療・介護分野では個人負担が増える流れとなっているが、全体としてこうした予算編成から見えてくるのは、「国家あっての国民」という現政権のスタンスではないだろうか。

 国あっての地方。国家あっての国民。こうした姿勢がより鮮明に出てきたように私には感じられる。

 こうしたことを書いている今、安倍総理が靖国神社を参拝との速報が入ってきた。

 私も何度か参拝しているが、現下のアジア情勢における総理参拝が他国にどのような影響を与えるか、そのことを注視していきたい。

 私は盲目的に護憲を叫ばないし、空想的な平和主義も唱えないが、であるからこそ、現実社会の中で、所与の条件の中で、賢く実利を勝ち取っていく外交や防衛が必要だと考えている。

 今後の安倍ドライバーが、私たちをどこに連れて行こうとしているのか、そこを見極めていかなくてはいけない。「決める政治」が、客の意志を無視してドライバーが行き先を決めるようなことにならないことを切に望み、残り数日の2013年を送りたい。

 

具体性のなさ。

2013年12月19日

 12月議会が明日で閉会する。

 今回の議会全体を通して感じたことを簡潔に書く。

 この12月議会は非常に重要な議会だった。

 来年度からスタートする「第2期ふるさと秋田元気創造プラン」、「行革大綱」、「定員適正化計画」、「中小企業振興条例」、「防災計画」など、2期目の佐竹県政の行方を定める目玉商品がズラリと並んだ議会だったからだ。

 これらは、それぞれ「素案」といったような段階であり、最終的には2月議会において議論され、成案・成立となるものだ。

 率直に言って、私が気になったのは、これらに関する「具体性のなさ」である。

 たとえば、中小企業振興条例が2月議会で成立したとして、4月から施行ということになるが、当然、この条例を具現化する政策や予算がセットで動いていかなくては意味がない。すると、もう12月の現時点あたりで、条例案の条文がどうこう、ということより、むしろ、これをどうやって動かしていくか、という政策論や予算ベースの議論になっていかなくてはならないのだが、そうした議論はほとんど見られなかった。

 私も含め、議員のうち数人が具体的な提案をしたが、佐竹知事はこれについてほとんど後ろ向きな答弁に終始し、では、県として具体的に何をやるのか、ということは語られることはなかった。

 また、第2期のプランについても、目標設定や目標値の妥当性が議論されるばかりで、「少子化対策に関する目標設定が甘いのではないか」という議論はあっても、「少子化対策のためには○○をやるべきだ」というような議論の深まりはなかった。

 これも、予算や政策と連動した提案が県側からほとんどなく、議会側からの幾つかの提案についても、「まだ検討中」「これから検討する」といった曖昧な答えが目立ったことにその原因があるように感じた。

 来年度からの予算編成の過程にある、ということは私なりに理解するとしても、予算や政策と全く切り離したプランや条例の議論は県当局にとっても議会にとっても不毛であり、これほど重要な計画や条例などを時間をかけて議論をしていく以上、県側から「具体的にやりたいこと」の提案がもっとあってよかったのではないか、と率直に思う。

 観光についても、本県の宿泊型観光は他県と比べても弱く、そこにテコ入れをしない限り、いくらイベントをやったところでお茶を濁して終わるだけだということは自明のはずなのに、その宿泊施設の改修・改装への支援を議会側が党派を超えて提案したにもかかわらず、佐竹知事はやる気を見せることはなかった。

 では、ご自身が「総合戦略産業」と位置付けた観光産業について、何をやるのか、DC後にどういう政策を打つのか、そこについて全く語られることがなかったのは非常に残念でならない。

 産業政策、雇用政策にはスピード感と機動力が必要だ。

 計画は計画、条例は条例で議論しましょう、予算や政策はそれが終わってから、ということでは、議論の中身は薄くなり、取りかかりのスピードは遅くなるわけで、計画や条例と並行して政策や予算を議論していくようなスタンスで進めていかなくては、他県との競争に遅れていくばかりだ。

 議会との無用の軋轢や摩擦を避けたいという佐竹知事の政治スタンスを否定するものではないが、もう少しやりたい政策をハッキリと打ち出していただかないことには議論の素材さえないという状況になってしまう。

 同時に、議会側も概念論や抽象論に終わらせず、もっと突っ込んだ提案や質問を行っていかなくてはいけない。

 真剣勝負たる議会の場で、議員が知事を褒め上げるような場面も目立ったが、これなどは私からすれば論外という感すらある。

 議会は社交の場ではない。社交は議会の外でいくらでもやる機会はあるだろうから、せめて議会の場では限られた質疑の時間を最大限有効に使い、県民の皆さまが知るべき情報や政策を議論し、引き出してもらいたいと思う。

 議会と県当局との「なれあい」が県政を停滞させるようなことがあってはならない。

 その危機感をむしろ強くした12月議会であった。

 

 

 

まだ遠い「新たな文化施設」

2013年12月11日

 3日間にわたる観光産業委員会の審議が終わった。

 主な論点のうち、新たな文化施設に関して再び書こうと思う。

 こうしたことは事実を1つ1つ積み上げていくことが大事だ。

 県・秋田市が新たな文化施設を作ろうとする理由は大きく3つある。

 ?県民会館(県)、文化会館(市)ともに老朽化し、耐震化など今後大規模修繕が必要となる。

 ?県民会館は設備も古く、時代に合わない建物構造となっているなど、利用や鑑賞の環境として適さない状況となっている。

 ?今後の人口減少を見据えたとき、2つの施設を県・市それぞれが所有して維持管理していくより、1つにしたほうが施設の運営や維持管理コストなどが安くすむ。

 これらがいわゆる「新たな文化施設の必要性」だが、これに事実的な裏付けを付けていく必要がある。

 それを私は今回の議会でしっかりやりたいと思っていた。そもそも新しいものを作る必要があるかどうか、を判断しなければ、どんなものを作るか、という議論にも入れないからだ。

 <問い> 県民会館、文化会館の人件費も含めた維持管理費はいくらか。

 <答え> 県民会館は1億2千万、文化会館は2億2千万。

 <問い> 今後、耐震化など大規模修繕が必要とのことだが、それはいくらかかるのか。

 <答え> 県民会館は平成6年に耐震化を含めた大規模修繕を行ったが、築50年を超え、建物そのものの耐久度として建て替えを考えなくてはならない時期。文化会館は、築30年を超え、今後大規模修繕が必要となるが、その金額・時期等は不明。

 <問い> 新たな文化施設ができれば、現在の県民会館は取り壊しの方針とのことだが、文化会館はどうか。

 <答え> 市の所管だが、文化会館をどうするかは未定。

 委員会での質疑はこんなふうにして進んでいく。

 細かい点はほかにも多々あったが、非常に重要な事実がこの質疑に含まれているので、この部分だけを書きだした。

 つまり、県民会館は既に耐震化は終わっており、文化会館はいつどのぐらいかかるかは不明ということであり、「今後、大規模修繕が必要となる」ということへの数字的裏付けがまだ弱いということだ。

 また、もっと重要なことは、文化会館の存廃が決まっていないということだ。

 一般家庭においてテレビを買い替えるときに、今あるものを引き取ってもらうか、誰かにあげるか、はたまた別の部屋で使うか、そのぐらいのことは決めてから家電量販店に行くわけで、今あるものをどうするかさえ決めずに、新しいテレビの性能や大きさを議論するなどというのはナンセンス極まりないのである。

 どうも巷では、「あのあたりに建つようだ」とか「5000人規模を」といった、先走った、そして、誤った情報が流れているが、委員会での議論を見ていただければわかるとおり、建設の前提条件はまだまだ整っていないのである。

 こうした議論や事実の積み上げの果てに、初めてこの「新たな文化施設」の是非が判断できるし、コスト比較が全てではないとはいえ、現在の2施設の「維持管理費+修繕費+(取り壊すとすれば)取り壊し費」と、新たな施設の「建設費+維持管理費」の比較ぐらいはしないことには、県民の皆さまから笑われてしまうだろう。

 現時点で、もう文化施設が出来上がるかのようにお話される議員の方がいらっしゃるなら、それは、そうした議会の中での議論をまったくせずに、すっ飛ばして、希望的におっしゃっているに過ぎないし、血税をお預りする立場にある議員にある者として恥ずべきことである。

 また、新たな文化施設を作ることが「県・市共同のプロジェクト」と県当局が言うのならば、今あるものの存廃や、将来にわたってのコスト比較・シミュレーションそういったことも共同でやってこその「共同プロジェクト」であり、日の当たる、「作ること」だけが共同ではないことを肝に銘じて当たっていただきたいとも思う。

 仮にこの施設が出来ればまた50年にわたって県民・市民に使われることになる。今の子どもたちや若者たちにこそ長く愛され、使われる施設にならなくてはいけないが、彼らはこの新施設建設の是非の議論に直接的に関わることはできない。

 だからこそ、知事・市長、県議会・市議会、民間事業者など今、オトナの私たちが責任を持って、未来の世代からの付託を受け、判断をしなくてはいけない。

 私としては、未来の政治家たちから笑われないように、あらゆることを考えながら、真剣に議論を積み上げながら、この施設について判断をしていきたい。

 秋田市議会においても、文化会館の現状や将来コスト、そして存廃などについて真摯な議論が行われることを望みたい。

 

 

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沼谷 純はこんな人!

昭和48年3月
秋田市生まれ。仁井田育ち。
平成7年4月
秋田県庁入庁、企画調整課配属。
平成22年12月
政治を志し、秋田県庁を脱藩!
(退職)
平成23年4月
秋田県議会議員に初当選。
現在2期目。
現在
秋田市横森在住。

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