来年の参院選から18歳への選挙権が引下げられることになった。
それ自体は大いに歓迎すべきことだ。
ただ、各政党が参院選に向けて「18歳対策」だと、にわかに体制づくりやら対応を始めるということには政党に属する者ではありながら、どこか違和感を感じる。
端的に言えば、「選んでほしい」「わかってほしい」政治の側が、その下心を丸出しにして「投票の意義」やら「政治の役割」を訴えたところで、彼らにはまるで異国の言葉のように聞こえるだろうと思うからだ。
組織を作ったり人材を配置したりして、さあ、若者とのチャンネルを作ろう、大学生とトークしよう、という自体、おそらくはほとんど効果を持たないに違いない。10歳も20歳も年上の議員さんがやってきて、「雇用対策」を話すような「場」がいかに彼らに響かないかは想像に難くない。むしろ、生活や遊び、アルバイトといった「日々」の中で彼らとの距離を縮めていくことを考えなくてはならないと思っている。
もう1つ、こうした引下げの一方で、依然として「公職選挙法」で定められた選挙制度はクラシックで難解なまま、放置されている。
本当に日本の将来を担う世代に、政治参加してもらいたいならば、選挙権とセットで選挙制度も見直していくべきだし、教育制度との関わりも無視はできない。
選挙権が18歳に引き下げられたからといって、それだけでは単に「有権者の母数」を増やすことにしかならない。
彼らが有権者ではなく投票者となるために解決すべき制度的課題は山積みだ。