「でんでん虫むし かたつむり〜」と歌い出そうというのではない。
電田(でんでん)だそうだ。
ソフトバンクの孫社長が、
「全国にある休耕田や耕作放棄地などを「電気の田んぼ」と見立て、その2割に太陽光発電装置を設置すれば、原発50機分の発電ができる」という電田プロジェクトを提唱している。
通信事業をはじめ、インフラビジネスにも強い意欲を持つ孫社長らしい、野心的で大胆なアイディアだと、私自身は非常に前向きに捉えている。
そして、この提案に対して、食いついたのが、橋下知事率いる(という言い方は適切ではないかもしれないが)関西広域連合。26日に開かれる広域連合の会合に孫社長を招き協議する予定のようだ。
報道によると、孫社長は全国に10か所程度、メガソーラーを建設。その建設費の一部を地元自治体に負担してもらうといったことを考えているようだ。
これを本当に進めるとすれば、単に費用の問題だけではなく、広大な用地の確保や、地域の農業政策や産業政策など、様々な調整や判断が必要になるが、安全・安心なエネルギー政策を求める国民世論の「意」を得た方向であることは間違いないだろう。
一方、我が国の耕作放棄地はこの20年増加を続け、今や40万ヘクタールにも及んでいる。秋田県の水田や畑、全て合わせた耕地面積が約15万ヘクタールであることを考えれば、広大な本県が有する農地の3倍近い農地が放棄されているという問題についても、1つの提案として受け止められるのではないか。
私は、孫社長のこの提案そのものも興味深かったが、同時に、これに素早く反応したのが、関西広域連合であることにもまた注目している。
そして、その注目には正直、嫉妬を伴っている。
これこそが、秋田の役割ではなかったか。東北復興の1つの手掛かりにはならないか。「夢物語」と笑う前に、可能性がゼロではないなら議論のテーブルに上げる価値は十分にあるのではないかと思う。そこに食いついていく「スピード感」、「提案・交渉力」という点で、関西に後れを取ってしまったのは、「食料・環境・エネルギー」を売りにする本県としては悔しい限りだ。
今からでも遅くはない。まさにトップ外交で政府や孫社長に、秋田を売り込んでいきたい。
そういえば、最近、私の友人から、
「沼谷さん、孫さんに会いますか?会いたいですか?」
と訊かれたので、私は、イチもニもなく、
「もちろん会いたいです。会えるんですか?すごいコネですね!」
と喜びを爆発させた。
そして数日前、その友人に再会すると、
「いやー、私の友人の沼谷さんが会いたがっている、って孫さんにメールしてみたんですけど、音沙汰ないですねえ」と爽やかな笑顔を見せて、友人がそう言った。
日本人の誰もが知る孫社長は、どうやら私のことも、私の友人のこともご存じないらしい・・・当然か。
どなたか、この新人地方議員を孫社長に会わせていただけるリアルなコネをお持ちの方がいらっしゃいましたら、是非、私にご一報くださるようお願いします。
いっそ、本社に飛び込み直訴でもしようか・・・「情熱の県議会議員」と名乗るぐらいなんだから。