先週から始まった9月議会の一般質問。
2日間の質疑を聴いていて、率直に言って「消化不良」と言わざるを得ない。
その原因は、議員の質問に対する当局の答弁の曖昧さに尽きると言っても過言ではない。
たとえば、県が策定中の中小企業振興条例(仮称)について、「中小企業が行政に求めているのは、資金供給の円滑化や地元発注の拡大、こういうことにどう対応していくのか」と質問した議員の方がいた。
つまり、条例は条例として、具体的にどういう政策を講じていくのか、という問いであったのだが、これに対して知事は「県内中小企業の持つ活力を最大限引き出すため、ハード・ソフト両面にわたる総合的な支援のあり方を検討します。」と答弁した。
また、別の議員が、秋田空港の民営化について、知事の考えを問うた。秋田空港の民営化は佐竹知事自らが先般の知事選公約にも掲げたいたわけだが、これに対しても「最適な民営化のあり方を検討します」とだけの答弁であった。
このほかにも、「秋田の行事」が取り外された後の現美術館の利活用について、いくつかの具体的提案を示した上で「問題を先送りせずに早期に結論を出すべき」と問うた議員もいたが、これに対して教育長は、「各方面の意見を聴きながら、秋田市の動向も踏まえつつ検討します」との答弁。
これらの質疑を本会議場で聴きながら、何と空疎な言葉の羅列か、とため息をつかずにはいられなかった。
今年度中に条例を策定しようとしている県が、その具体策の1つも例示できないようでは、佐竹知事が二期目の目玉に掲げた「中小企業振興」の名が泣く。現美術館にせよ、これはあくまで県の施設であり、市の丸投げという状態を無期限に続けていることの行政的責任は大きくなる一方だろう。
こういう中身のない答弁を繰り返しているようでは、県政と県民の距離は遠くなるばかりだし、こういう答弁をそのままにしておくことは逆に県議会の存在意義を問われかねないと私は思う。
一般質問の後に続く、各委員会での審議や、総括審査などでこうした点はしっかりと議論していかなくてはいけないだろう。
佐竹知事には、中身のある、具体を伴った答弁や政策、ビジョンを示していただくことを切にお願いをしたい。