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維持稼働。

2011年08月05日

 「原子力安全庁」の設置、「原子力損害賠償支援機構法」、「再生可能エネルギー買取法案」・・・遅い、との批判も多々ある中ではありますが、「当面の復旧・復興対策」と並走する形で、原発を巡る「根本的な部分」についての政策が姿を現してきました。

 特に、再生可能エネルギー買取法案は、買い取り価格をいくらに設定するか、買い取り量に上限を設けるかどうか、電力料金へのコスト転嫁など、暮らしに密着する問題であることはもちろんですが、秋田県のように自然エネルギーに「強み」を持つ地域にとっては、今後の産業政策、地域振興という意味でも、大変重要な法案です。
 「脱原発」でも「卒原発」でも、言葉はどちらでもよいわけですが、いずれ、秋田県にとっては、原子力への依存度を下げ、自然エネルギーの普及拡大や、国民のライフスタイルの見直し、「エコ」や「クリーン」への価値付けが国を挙げて進められることが、間違いなくプラスに働くだろうと私は思っています。

 その意味では、秋田県が「ポスト原発」、「原発なき日本」というものについて、もっと積極的なアピール、動きをしてもよいのではないかと思っています。そういう方向に行けば行くほど、秋田の「価値」は高まっていくはずですから。
 秋田から、「原発に依存しない日本の姿」、そのモデルや制度、暮らし方などをどんどんと提案していきたいものです。
 先月開催された全国知事会議でも、山形県、滋賀県の両知事は「卒原発」という言葉で、原発なき日本の姿を提案されました。秋田のリーダーである佐竹知事が、「今後の原発政策のあり方」について、どのようなお考えをお持ちか、機会があれば伺ってみたいと思います。

 さて、「今後の原発政策」について、与党時代、一貫して原発を推進し、そして、現在野党になっている自民党は、今、どのように考えているのでしょうか。
 少し気になったので、自民党のHPを拝見しました。
 ありました。

 「日本再興」

 自民党の今後の政策立案のベースになる中長期な考え方を取りまとめたものが、先月、7月20日に出されていました。
 原発あるいはエネルギー政策については、当面は、「安全強化策を施した上で、既存原発の稼働維持」とハッキリ書かれています。一方で、将来的に原発をどうするか、ということは一切書かれていません。原発依存度を減らす、というような大きな方向性すら出されていません。

 この2つを合わせて理解すれば、自民党は、「将来的にどうするかは決めていないが、今後も、既存の原発は今までどおり動かしますよ」ということになります。
 今、民主党政権が迷走しているといった批判にさらされています。が、「フクシマ後の日本」を創る責任は自民党にも当然あるはず。
 その自民党の中長期的な原発政策が、「原発維持」というだけというのは、あまりにも残念ですし、繰り返しになりますが、秋田県にとって、原発が維持されていくことは何らプラスにならないと私は思っています。

 東北は原発がなくてもエネルギーには困らないのです。
 極論を言えば、少なくとも東北にとってみれば、不要なものを抱え込んで、そのリスクに人も牛も草も土もさらされているのです。

 余談ですが、「日本再興」を読み進めるうちに、もう1つ、気になる一文を見つけました。
 我が国の「非核三原則」(持たず、作らず、持ち込ませず)についても、核兵器を積んだ艦船の寄港は認める「非核2.5原則」への転換を図る、とのこと。

 今、日本国民がこれだけ「原発」に苦しみ、震え、見えないリスクに怯えているこの時期に、「原発は維持」、「2.5原則への転換」と堂々と宣言できるのは、さすがに「オトナの自民党」ということでしょうか。

 原発やエネルギー政策を政局にすべきではありません。しかし、政策に違いがあるならば、それはまさに有権者の皆さんの「選択」が必要になります。
 そういう意味でも、今後、各政党のエネルギー政策については、与野党を問わず、有権者の皆さんに注視していただきたいと思います。
 

 

 

 

安全格差

2011年08月03日

 いよいよ、米の検査が本格的に始まることになりました。
本県でも、牛肉の全頭検査が始まり、2日に出荷分の22頭は「安全」との検査結果が出ました。
また、放射性セシウムが検出された腐葉土が、県内のホームセンター経由で流通し、小学校等で使用されたものについても、調査の結果、「通常レベル」との結果が出たようです。

 放射能の影響は、未だその全容がハッキリしていません。地道な、そして、果てしない作業になるかもしれませんが、こうした検査作業に従事する人員や機器の確保も行いながら、かなり長期にわたって、こうした検査体制を維持していく必要があります。

 内閣府の食品安全委員会は、「生涯を通じての累積線量の限界を100ミリシーベルト」と発表しました。これを超えると、発ガンリスクの増加など健康への影響が明確とのこと。
ただ、これは内部被ばく、外部被ばくを合わせたものであるため、食品を摂取することなどによる「内部被ばく」の限界値がどの程度なのか、あるいは、児童や乳幼児などにはより厳しい別の基準が必要ではないか、といった問題がありますし、これだけ原発不信を招いている社会情勢からすれば、そもそも100ミリシーベルトという基準そのものがどうなのか、という意見も多々あるでしょう。

 私たち一般人の感覚からすれば、カロリー表示のように、成人一日あたり●●●●カロリーという目安があり、おにぎり一個では●●●カロリーというように、このシーベルトが表示・計算されるようであれば、解りやすいわけですが、そうなっていない中で、「セシウム入り●●」といった情報だけが次々出てくるぶん、国民・県民の皆様の不安は増すばかりでしょう。

 こうした状況が続いていけば、肉も米も水も空気も、あらゆるものの安全を求め、そして今まで以上に、「安全をお金で買う時代」になっていくでしょう。
その先にあるのは、経済力がある者が、安全を手に入れ、お金のない人間は、危険な場所から離れることもできず、安全な食品を十分に買うこともできない、といった「経済力が安全格差を生みだす」という状況かもしれません。

 資本主義経済の日本で、経済力の差が、子どもの教育をはじめ、様々な面で「差」に繋がっている面は事実ですし、それを全て平等にすることは無理なことです。
しかし、「教育」が国民の権利として保障され、義務教育制度をはじめ、「機会格差」を生まないような国の責務・制度が明確になっていることと同様に、この「安全」についても、安全格差是正のための制度・政策が必要になってくるかもしれません。

 今日から始まった、竿燈祭り。
大町のニューシティ跡地では県内のご当地グルメ「B級グルメフェスティバル」が開催されていました。
私も、足を運んでみましたが、横手やきそばは「圧巻」の行列、意外な(といっては失礼ですが)奮闘ぶりは、本荘ハムフライ、そして私の個人的な一押しは、「バリコロ」です。(敢えて、これ以上の情報提供は差し控えさせていただきますので、バリコロがなんであるか、是非、現地でお試しください)
「食の安全」がかつてないほどに揺らいでいる今ですが、行列を作る皆様、ビールを片手にB級を召しあがる方々、お父さんの肩に乗ってアイスを食べるお子さん・・・そこにあるのは、「笑顔」であり、「喜び」であり、
こうした「ささやかな、目に見える安心」を守っていくのが、私たち、地方議員の務めなのだな、と改めて実感をしながら、会場を後にしました。

 

ニコファーレ。

2011年08月02日

 ニコファーレ。

 お恥ずかしい話ですが、つい最近、この言葉を知りました。
 まだご存じない方は、検索してみてください。(知らないのは私ぐらいだとは思いますが・・・)
 私は、ある音楽番組でこれを知り、衝撃を受けました。
 アーティストが歌っている、それを観ている視聴者が、ニコニコ動画と同じようにコメントを流す。歌うほうも、コメントする視聴者も、それを観る視聴者も、全てが同時進行で、辛辣なコメントも含めて、まさに「垂れ流し」と言ってもいい状態。
 ツイッターとの連動は、NHKでも既に取り入れていますが、芸能メディアというのはさすがに何でもアリだなあと感心しました。

 また、お馴染みのYouTubeの場でも、政治家の方々が自らの主義主張を発信されています。
 先日、マニフェスト議連で講演をされた河野太郎議員は、このYouTube上で、原発問題についての解説をされています。(一瞬、どこかの大学の通信教育かと勘違いしそうになりますが、大変わかりやすいです)

 さて、今日は少し遠回りな話題から入りました。
 個人が、ダイレクトに公の電波に自らの声を乗せることができてしまう時代、政治家が、新聞やテレビを媒体せずに自らの主張をダイレクトに有権者に向かって発することができる時代。
 これは、国民と政治を近づける方向に作用するようにも思いますが、一方では、発するほうも、受け取るほうも、より「個」の側面が強く出ることで、その無数の「個」から1つの「合意」を導き出すという政治の役割は、ますます重く、そして複雑になってきたのかもしれないとも思います。

 そんな思いを持ってニュースを見れば、佐賀県知事の「やらせ」問題もまた、「個」を偽装した「合意」形成でしょうし、数日前に実施された埼玉県知事選挙の投票率が実に25%であったという事実もまた、「個」へのアクセスを過剰に禁じた現在の選挙制度の限界・融解を顕しているようにも見えます。

 では、そんな中で、おまえは何をどうやるんだ、という最もなご意見もあろうかと思います。
 古いスタイルと言われるかもしれませんが、今週土曜日には、「まちなか座談会」を開催します。次の時間・場所で、県政報告会も実施させていただきます。

  1.日時 8月6日(土)16:00〜
  2.場所 河辺ドライブイン(国道13号線沿い みちのくコカコーラ隣)

 また、民主党会派としての広報紙も出来ましたので、いろいろな形で県民の皆様のお手元にお届けさせていただきたいと考えています。

 もう1つ。
 このホームページも、若干、改良を加えたいと思っています。4年間で、何回バージョンアップできるかわかりませんが、時代のスピードに取り残されないようにやっていきたいと思っています。
 何かを解説できるぐらいの自信ができたらYouTubeでこっそり発信し始めてみたいとも思いますが・・・

 我が秋田県議会も、広報紙とHP以外にもいろいろなツールに取り組んでいきたいものです。
 そういえば、どこの学校にも会社にもある「広報委員」とか「広報委員会」みたいなものが県議会には見当たらないような・・・・議会の情報発信のあり方を議論するのも「議会運営委員会」の仕事だということになるかもしれませんが、ここは是非、党派を超えて、若い人間だけを集めて広報チームを作らせてもらえたらいいのですが。こういうことは、「権威」や「経験」より、「アイディア」と「冒険」が大事ですから。

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沼谷 純はこんな人!

昭和48年3月
秋田市生まれ。仁井田育ち。
平成7年4月
秋田県庁入庁、企画調整課配属。
平成22年12月
政治を志し、秋田県庁を脱藩!
(退職)
平成23年4月
秋田県議会議員に初当選。
現在3期目。
令和3年2月
秋田県議会議員を辞職し、秋田市長選挙に挑戦。
令和5年4月
政治家として再始動を決意。
現在
秋田市横森在住。

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