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トータルコスト。

2012年02月18日

 前回の、予算編成の関係でもう1つ。

 企業であれ、NPOであれ、町内会であれ、もちろん役所であっても、ある組織が持っている資源は限りがあります。
 それはたとえば、カネ。
 あるいは、時間や人や情報や設備。

 ある目的に向けて、組織が持っている資源を最大限どう活用していくか、ということがいわゆる組織のマネジメント、経営ということだろうと思います。

 当然、県庁にも、モノ、ヒト、カネがあるわけです。
 しかし、今の県庁ではこれらが一体的にマネジメントされていません。

 具体的に言うと、毎年毎年、県庁では膨大な数の事業を行っていますし、それに対して、予算というものがくっついているわけです。
 しかし、この予算というのは、ある事業を行うのに必要な、「外出し」の経費です。
 つまり、何かを外部に委託するための「委託費」とか、どこかに行くための「旅費」とか、モノを買うための「物品購入費」など、「見える」経費ということです。

 企業の経営者の方などは、おそらく、もう1つ大事な経費を忘れているんじゃないか、とご指摘があるかもしれません。
 そうです。
 「人件費」という経費がそこには表れてこない。「見えざる」経費となっているのです。
 企業であれば当たり前の、その事業を立ち上げるのに、実行するのに、何人の社員が必要で、どのぐらいの期間が必要か、という「人件費コスト」や「時間コスト」という概念が県庁の予算にはないのです。

 私はこれについては県庁職員時代から疑問を感じていましたが、そこを改善する立場・権限がなかったため、諦めていました。
 今回、議員として、人件費コストも含めた予算編成というものを提案させていただこうと思っています。

 完全な把握は不可能でしょうが、その事業をやるのに何人ぐらいの職員が必要か、というぐらいの見積もり、その人件費というものも県民の皆さまに公開していくべきだと私は思います。
 企業のコスト管理と同じところまではできなくても、そこに近づける努力はすべきでしょうし、県庁という組織がもつ最大の資源は、ヒトだと私は思っています。
 県庁の予算、6000億のうち、最も予算をかけているのは職員の人件費です。役所における最大のコストであり、最大の資源はヒトであるということは厳然とした事実です。
 そのヒトという有限の資源を「貨幣化」し、事業にかかるトータルコストとして見えるようにする、このことは県政の「見える化」そのものではないでしょうか。

 もちろん、県政は、予算だけで決まっていくわけではありません。政策や方針といったものが、先にあって予算が後からついてくるわけです。
 その意味で、本当に「見える化」すべきは、予算の手前にある、政策や方針の決定、その部分でしょう。
 県庁内部では、知事や部局長など幹部による定期的な意思決定会議や、幹部の方々からの指示などがいろいろと飛び交うわけですが、こうした内部の意思決定の「見える化」もまた重要な取組だと考えています。
 予算と政策、この両方の決定過程を県民の皆さまに明らかにしていくことを、一般質問において提案したいと思っています。

 次回もまた一般質問ネタを続けます・・・・しつこくてすいません・・・もう少しお付き合いください。
 一般質問内容を公開する、と宣言してからブログへのアクセス数がそれ以前の1.5倍になりました(笑)
 その要因はおおよそ察しはつくのですが、引き続き気を引き締めて書き綴ります。

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沼谷 純はこんな人!

昭和48年3月
秋田市生まれ。仁井田育ち。
平成7年4月
秋田県庁入庁、企画調整課配属。
平成22年12月
政治を志し、秋田県庁を脱藩!
(退職)
平成23年4月
秋田県議会議員に初当選。
現在3期目。
令和3年2月
秋田県議会議員を辞職し、秋田市長選挙に挑戦。
令和5年4月
政治家として再始動を決意。
現在
秋田市横森在住。

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