昨年末、12月議会において一般質問を行わせていただいたのだが、その際、私は「県内に山ほどある遊休地、遊休工業団地などに県自らが目がソーラーを設置してはどうか」との提案をさせていただいた。
もちろん、秋田県内でも民間事業者が県有地や市有地を借りてメガソーラー建設に乗り出しているし、これはこれで大いに結構なことではある。
それでもさらに「県自らが」という提案を私がしたのは3つの理由からである。
1つには、建設コストは毎年得られる売電収入で回収でき、いずれはコストを上回る収益を生み出すことが予想できる発電事業であるのだから、せっかくのメガソーラー事業を指をくわえてみているのは非常にもったいないということ。
県は既にダムなどでの発電事業に取り組んでいる「事業者」でもある。
2つめには、このメガソーラー建設を自治体自らが取り組むことで、新たな公共事業として県内企業への経済効果をもたらすことができるということ。風力発電と異なり、長い期間の環境アセス実施も不要であり、部品調達も容易であることから、風力発電よりはるかに稼働に至るスピードが速い。つまり、それだけ経済に与える影響も早い。
最後は、買取価格の問題である。
現在、買取価格は1キロワットあたり42円であり、この買取価格ゆえに、採算性が極めて高い事業となっている。来年度以降、おそらくはこの買取価格は順次引き下げられていくものと思われる。
何円が採算ラインか、は今後の部品のコストダウンなどによっても変わってくるが、こうした高い買取価格が続いているうちにメガソーラーに参入するほうが「得」なことは当然である。
民間事業者であれ、自治体であれ、ここには「先行性のメリット」が働く。
私の提案に対しては、佐竹知事はあくまでも「民間事業者の参入支援」というスタンスを貫くという趣旨でお答えがあった。
それはそれ、知事のお考えであるからやむを得ない。
そんな中で、先日、あるニュースを見た。
新潟県が、三たび、自治体メガソーラーの建設に乗り出すというものである。
遊休工業団地を使って、第1弾、第2弾とメガソーラーが建設され、これらはすでに稼働、売電がされているのだが、これに加えて、今度は県・市が共同所有する競馬場跡地に第3弾を建設をするようだ。
1キロ42円という買取価格のうちに東北電力と買取契約をしたい、という気持ちもあって、急ぎ建設・稼働に向けて準備を進めるらしい。
今、全国各地、どの地方も政策課題は同じだ。
少子高齢化、産業の空洞化、地域コミュニティの崩壊・・・
そして、これらに対する処方箋もまたそれほど差があるわけではない。
婚活支援、子育て支援、買い物支援、エネルギー産業、食品産業、移住・定住促進・・・
同じ病に同じ治療方針で臨むとき、最後に差が出るのは、手術のスピードと適格性、あるいは用いる薬の強弱といった部分ではないだろうか。
各自治体、各首長の治療に対する「踏み込み具合」が試されているのだと改めて感じた。