佐賀県鳥栖市7万。山梨県甲府市19万。
いずれもJ1で戦うチームが本拠地としている街だ。
今治市では岡田元日本代表監督がオーナーを務めるFC今治が「10年でJ1へ」という目標を掲げ、市民を巻き込んでのチャレンジを始めた。
今はまだJFLに所属している小さなチームだが、今期は平均観客動員数4000人を目標に掲げ、集客のための様々な仕掛けをしている。瀬戸内海を見下ろす新スタジアムは簡素なものだが、イオンに隣接し、連携して相乗効果を出すことにも抜かりがない。
愛媛県にはもう1つ、愛媛FCというJ2所属のチームがある。愛媛県の人口は140万であり、100万人の秋田県とはもちろん違うわけだが、このFC今治が凄まじいスピードで進化を遂げれば、愛媛県に2つのJリーグのチームが存在することにもなる。
サガン鳥栖、ヴァンフォーレ甲府、FC今治など、共通して言えることは、どのチームも裕福ではないし、何処にでもある地方都市が本拠地だが、チームが夢を掲げ、行政が最大限に協力し、市民や企業が必死に支え、「戦い続けられる」ための努力と工夫を惜しまずにやっているということだ。
「財源がないんだから」
「人口が減るんだから」
「一企業のためにそこまでやるのか」
秋田では、よくそんな声を聴く。特に政治や行政関係者から。
しかし、少なくとも僕は、人口減少に打ち克ち、お金を生み出せる街を創りたいと思いながら政治をやっている。
ヒトとカネがないから出来ないと言ってしまえば、解決すべきはずの課題が、むしろ解決を諦める理由になってしまう皮肉で安易な結果になりかねない。
沼谷は前のめり、と言われるかもしれないが、どんな政治課題に対しても、賛成するときも反対するときも、目一杯前のめりでやってきた。「実現するための知恵」を出すための議論なら100時間だって喜んでやりたいと思う。
間もなく2月議会が開会する。
秋田市では八橋陸上競技場の改修内容が市議会に説明されたようだが、これは新スタジアム整備と不即不離の関係にある。
私自身も、まさに「実現するための議論」を佐竹知事と全力で交わしていきたい。
平成30年。
「ああ、もう平成も30年にもなったのか」と昭和生まれとしては何やらしみじみとした気持ちにさせられる新年。
少し前まで、平成生まれの社会人や同僚と出くわすと、レアポケモンにでも遭遇したような驚きを感じていたものだが、もう平成元年生まれの社会人なら組織の中では立派な働き盛りというところか。
私自身、昨年は悩みの多い、変化の多い1年だった。
昨年4月に行われた秋田市長選への出馬を考えたが、悩んだ末、出馬を断念した。
その後、10月の衆院選を経て、これもまた悩みに悩んだ末に、7年間、支え続けた民進党を離党し、無所属の政治家となった。
こうした中で、改めて政治の道の厳しさ、険しさを感じ、そしてまた、政治家の出処進退というのは、誰のせいでもなく、己1人の責任と決断であり、その結果起きることも全て己自身に帰結するものだということを痛感した。
そうした意味で、自分が昨年した2つの決断が、今後の自分の政治活動や人生にどのような影響をもたらすのかは不明であるが、どうなろうとも自らの責任として受け止めて進んでいかなくてはいけないという思いは持っている。
有権者の皆さまからいただいた県議会議員としての私の2期目の任期も、いよいよ4年目となる。
2期8年という政治的時間を有権者の皆さまから与えていただいたことの結果、成果を出していくべき時期にもなってきている。
自分なりに実現できた政策もあるが、まだまだ力不足でもあり、なんといっても秋田の根源的、根本的な課題である人口減少や地域活力の低下の解決に向けて、特効薬はないとは言え、もっともっと寄与しなければならないとも思う。
議会の中での政策的な活動も、議会の外での政治的な活動も、共に質と量をもう1段高めて、平成30年を駆け抜けたい。
元旦からの街頭活動に、多くの方からご声援をいただきました。
今年は、街頭活動の量を多くして、剥き出しの沼谷で皆様から様々なご意見をいただければと考えています。
本年もご指導のほど、よろしくお願いいたします。
12月議会が閉会した。
閉会日に、本県に配備されようとしているイージス・アショアについて、現時点での私の考えや想いを、登壇し、述べさせていただきました。
既に、県議会のHPでは録画配信もされていますが、以下に討論内容を掲載させていただきます。
<以下>
次の世代につなぐ会の沼谷純です。
実は、私自身この意見書に賛成すべきか、反対すべきか今朝まで悩んでおりましたが1人の政治家、1人の地方議員として、今、率直に感じることを申し上げる機会をいただきたいと考え、この場に立たせていただきました。
私は、現在の国際情勢を考えれば、現実的な防衛力の強化や領土領海の警備体制の強化が必要だと考えています。
また、盾も剣を持たずに、ただ話し合うだけで解決するほど今の北朝鮮問題が簡単でないことも十分に承知しているつもりです。
その意味では、この意見書案については、私自身の考えとは異なる点もあることは事実ですが、「現時点において本県にイージスアショアが配備される、あるいはそのための調査や準備行為に入ることについては反対すべきである」という最も重要な一点において、この意見書に賛成の立場を取ることとしました。
その理由をこれから申し上げたいと思います。
まず、現在の北朝鮮を巡る情勢を冷静に見渡したとき、我が国の中で、秋田県民ほど北朝鮮の脅威を身近に感じている国民はいないのではないではないかと思います。
北朝鮮のミサイルが秋田沖に着弾し、果たしていかなる実効性を発揮するかむしろ不安を覚えるような避難訓練が実施され、彼の国から不審船や漁民、あるいは遺体がたびたび漂着する秋田においては、多くの県民が、北朝鮮の脅威への備え、防衛体制強化の必要性は認めていると思います。
しかし、そうだとしても、北海道東北だけでも陸上自衛隊の演習場、あるいはそれに類した施設は約40カ所ある中で、なぜ、ただ一カ所、秋田が候補地として挙げられているのでしょうか。
そこにいかなる合理性や必然性があるのでしょうか。
政府も、本県選出の国会議員の方々も、国防上、イージスが必要だとは言いますが、それがなぜ秋田なのか、それが秋田という地域にとっていかなる価値や意味、あるいはリスクを持つものになるのかは誰1人として、語ってはいません。
まだ調査対象地が秋田と決まったわけではない、と反論する方もいるかもしれません。しかし、あらゆる報道機関が秋田と山口の二地域を候補地として報道する中で、政府の公式見解や公式答弁だけを鵜呑みにして、「まだ何も決まっていないのだ」と素直に信じる県民が果たしているでしょうか。5カ所、10カ所を調査してそこから2カ所に絞るならともかく、最初から2カ所を調査するだけなら、既にそこに配備されることが既定路線化してしまうことは、子どもでも解ることです。
だからこそ、私は、これらの報道が何の裏付けも信憑性もないものとは思いませんし、過去のTPP交渉や安保法制の際にもそうであったように、先行情報を元に、行政あるいは県議会が何らかの態度を表明することが時期尚早とも思いません。
あるいはまた、秋田が日本を守る盾、砦となるのだ、国家のため、お国のために貢献するのだ、という勇ましい論調を唱える方もいるかもしれませんが、私は地域エゴと言われようと、臆病者とそしりを受けようとも秋田の地方議員、地方議会の一員として、国家のために秋田が犠牲や負担、リスクを甘受すべきだと県民には言えません。
仮に国家のため、という論理が地方自治体や地域住民の意思決定の最上位に来る概念だとするならば、今後、原発の最終処分場をはじめ様々な問題について、地方は事実上の拒否権を持てないことになるのではないでしょうか。
そして、何より貢献というならば、秋田はこれまでも国の礎となる食糧とエネルギーを供給し、自分たちの子供や孫を都会に送り出し、十分すぎるほど日本という国に貢献しているのではないでしょうか。
私は、秋田県議会議員として、秋田の地方政治家として、このイージスアショアが秋田にとってプラスなのか、マイナスなのか、リスクがあるのかないのかを最優先に考えるべきだと思います。
そして、秋田の安全性が高まるという保証もなく、秋田がより経済的あるいは財政的に豊かになるという確証もなく、リスクや不安が解消されてもいない現時点においては、「賛成反対どちらとも言えない」ではなく、極めて慎重な意思を示しておくのが自治体としてのリスク管理であると考えます。
知事はこの愛すべき秋田を「高質な田舎」にしたいとおっしゃっております。
私もその想いには共感をいたします。
敢えて情緒的に申し上げれば、その風景に要塞のようなイージスアショアは果たして調和するのでしょうか。
私たちが次の世代につなぐもの、引き継ぐものが、豊かな田園ではなく、1000億を超えるミサイル基地だとすれば、これほど悲しいことはありません。
自民党・公明党の皆さんも、この意見書に賛成しがたいという気持ちは分かりますが、是非、国家のため、お国のためという国家主義、全体主義に陥ることなく、今後、秋田主義、秋田のため、県民のためという視点で極めて慎重な対応をしていただけること、そしてまた佐竹知事におかれましても、同様に秋田県民、秋田の県益を第一にお考えいただきながら行動していただけることを切にお願いしまして、私の賛成討論といたします。