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官選知事。

2012年02月29日

 一般質問が終わりました。
 新聞報道で私の質疑内容のおおよそはお解りいただけるとは思いますが、もしお時間などありましたら、秋田県議会のHPに録画がアップされていますので、ご覧いただけると幸いです。(録画はこちらから)

 一般質問については、あらかじめこの場で質問内容を書かせていただいていましたが、当局との「真剣勝負」という緊張感を保つために、敢えて書かずに本番までとっておいた部分、再質問として用意しておいた部分など、自分なりに工夫をしてみたつもりでしたが、終えてみての率直な感想は「わかりづらい!!!」でした(笑)

 やはりどうしても違和感が残るのが、こちらが30分近く質問し、知事が30分以上話し続けるという、このスタイル。
 他県では、一問一答方式を取り入れているところもあり、聴いている側には質疑が一対になっているため、はるかにそちらのほうがわかりやすいだろうと思いました。
 なお、一般質問は、議員の質問に対して、当局が答弁し、その答弁内容について、さらに「再質問」をすることができます。その再質問時間は最大10分与えられ、この再質問については「一問一答」も可とされています。
 私はこの再質問時間をフル活用したかったので、最初の質問時間を短めにし、再質問時間を最大時間取れるようにしました。どこまで、深みのある質疑になったか、「まだまだ」という感じはありますが、佐竹知事と、予算編成の公開、県職員の再就職、社会保障と税の関係などについて、何度か一問一答で質疑ができました。

 実は、前日まで猛烈な咳と鼻水、なおかつ、緊張?不安?アドレナリン分泌?による睡眠不足により、体調は絶不調だったのですが、家にあるあらゆる薬をかき集め、なんとか質疑の間は鼻水を垂らさずにやりとおせました。よかった・・・

 さて、そんな周辺情報は横におき。
 肝心の質疑内容についての感想を少し述べたいと思います。

 新聞報道で「気色ばんだ」とまで書いていただいて、我ながら苦笑してしまいましたが、予算編成の公開については、確かに、あの答弁は全く「ナシ」だなとは思いました。
 予算編成の過程を公開することも、人件費を加味して予算編成することも、県庁内のいろいろな意思決定の過程を公開することも、職員の再就職ルールの透明化も、全て、実は他県で取り組まれているものです。
 つまり、私は「突拍子もないこと」や「奇想天外」なことは残念ながら1つも言っておらず、その意味でオリジナリティがないとの御批判もあるかもしれませんが、あくまで「他県でできていることなんだからわが県でもやりませんか?やったほうがよくないですか?」ということを提案したものです。

 やれない理由、やらない理由、マイナス面をたくさん挙げておられましたが、予算編成の過程の公開について言えば、もう「やってる自治体のほうが多い」という現状がある中で、「予算編成は知事の権限。公開することはその原則から外れる。」といった答弁を知事がされたことは正直愕然としました。

 一般質問終了後、新聞記者さんが見えられ、「今日の質疑についてどうお感じになられましたか?」と訊かれ、「明治時代の官選知事の答弁かと思いました。選挙で選ばれた知事が、自分の権限だから有権者に情報出せないなんて理屈が成り立つわけがない。」とお答えしたのが、前述の「気色ばんだ」という記事になったのかな、と思います・・・苦笑

 ちなみに、ある市民団体が全都道府県の予算編成の透明度についてランキングをつけたところ、秋田県は32位。常に最下位集団が得意の秋田県としては、むしろそれは善戦と捉えたほうがいいのか、とも一瞬思ってしまいますが、佐竹知事は、「日本一の公務員になれ」と県庁職員におっしゃっているようですから、そうであれば是非、他の自治体の尻さえ追いかけていかないようなことでは困ると私は思っています。

 いずれにしても、一般質問をして、答弁をもらって、それで終わり、では、まさに「学習発表会」の域を出ない県議会との誹りを免れないわけで、ここをスタートにして、納得できるまで、何度でも取り上げていこうと思っています。

 最後に、傍聴にお越しくださった方々、生中継をご覧くださった方々、録画配信をご覧くださった方々、お手紙やお電話をくださった方々、捉えどころのない私の質問への応対のために深夜まで残業された県職員の方々、大変ありがとうございました。
 明日からまた気持ちを新たに2月議会に向かいます。

1231円。

2012年02月27日

 変なタイトルをつけてしまいましたが、決して何かの基本料金とかではありません。

 「県民一人当たり議会コスト」

 のことです。
 議員報酬、政務調査費、議会事務局の職員人件費など、議会・議員に関わる直接・間接の費用全部を足して、それを秋田県人口で割った金額が、1231円です。

 数字で表すと、議会費トータル13億円を、県人口で割る、ということになります。
 県民の方が、一人につき、いくら議員に負担しているか、ということです。

 ヒマなわけではないのですが、これを、47都道府県全部で計算してみました。
 すると、大変残念な結果が出ました。
 秋田県は東北の中で一番この負担額が大きいのです。青森は1029円、山形県は1030円です。
 一人当たり200円違うということは、県人口108万人では、2億円以上違うということになります。

 この原因は何か。
 端的に言ってしまえば、議員の数が多いということです。
 人口109万人の富山県の議員数は40人です。秋田は今、45人です。
 5人違えば、億単位で議会費は変わってきます。

 さて、前置きが長くなりました。
 本日開催された会派代表者会議についてご報告させていただきます。

 開催の趣旨は、「議員報酬をどうするか」でした。
 昨年の5月に、「議員報酬の5%カットを1年間継続すること」が決まりました。そして、この5月、3か月後にその継続期間が終わるため、また再び、報酬をどうするか話し合いましょう、ということでの開催でした。

 既にご承知の方も多いかもしれませんが、改めて去年の経緯を簡単にご報告すると、民主党会派は、
「25%カット」を提案しました。他会派と共同で、25%カットを実施するという条例案を本会議に提出しましたが、残念ながら賛同は得られず、自民党ほか多数会派の賛成により、5%カットの条例案が決定しました。

 今日は、議論の入り口で何か結論が出たわけではありませんが、私からは、冒頭書いたような、「一人当たり負担額」の都道府県比較表を示し、「東北でも最も高コストな議会となっている秋田県議会の議会費全体を下げて他県並みにする必要がある。」と説明しました。
 そして、「そのためには、議員報酬カットだけでなく、議員定数や政務調査費も含めて、議会費全体で、今よりも20%カットを達成していくべき」と提案しました。

 各会派が持ち帰ってどのように検討していただけるか解りませんが、この「高コスト議会」の根本を放置したまま、議員報酬を数パーセント削減したところで何の解決にもならないと私は考えています。
 議員報酬だけで、この高コスト体質を改めようとすれば、40%とか50%カットをしなければならず、これは現実離れしています。
 つまり、議員定数に手を付けなければ是正できないし、他県と比較しても、現在の議員定数が多いことはハッキリしています。

 議員報酬、議員定数、政務調査費・・・あらゆる議会関連費用を見直して、県民一人当たり負担額を、山形や青森並みの、1030円あたりまで落としたい、というのが私の考えです。

 今後、この問題がどう推移していくか、次回の会派代表者会議の内容についてもこの場でご報告させていただきたいと思います。

 明日はいよいよ私が登壇する番となりました。
 他の議員の方々の質疑について感想を述べたりしているうちはいいのですが、いよいよ「明日は我が身」。県民の皆様に笑われないような質疑をしたいと思います。
 が、未だその準備中・・・・

半年の責任。

2012年02月24日

 今日から一般質問が始まりました。今回は私も含めて8人が登壇しますが、初日はお二人が登壇しました。
 それぞれの質疑について詳細は記載しませんが、私自身、安藤豊議員の質問には大変共感をし、素晴らしい質問だと感じました。

 特にそう感じたのは、新設する観光文化スポーツ部についての質問と、そして、来年度から県が予定している子どもの医療費への助成拡充についての質問でした。

 安藤議員は、観光文化スポーツ部について、「観光と文化とスポーツという材料で作ったよせ鍋のようなもの」と評した上で、「よせ鍋は上手にできれば美味しいが、味つけなどに失敗することも多い」というような解りやすい例えを用いながら、過去の秋田県の観光入込客数の推移などデータを示し、これまでも決定打を打てなかった、本県観光誘客について、新しい部で何をしようとするのか、という問いを発しておられました。
 私自身、職員時代、寺田前知事の時代から何度も組織再編を体験してきているだけに、正直、組織再編すれば、「寄せ集めればうまくいく」、「相乗効果が出る」といったことが全くの幻想であることは骨身に沁みて解っています。
 いよいよ、新しい部が立ち上がるその間際になってきているにもかかわらず、佐竹知事の答弁は、相変わらず、「再編して集めれば相乗効果が出る。」というような観念論や精神論に終始していたように感じました。
 私は、観光、文化、スポーツ、それぞれを所管する課が現に今あるわけですから、部が違えば連携できない、部が一緒になれば連携して相乗効果を出せるという理屈には全く賛成できませんし、「よせ鍋」が「闇鍋」にならないかと大変危惧をしています。

 民主党会派としては、この新部設置には現時点で懐疑的ですが、他会派の皆さんのご意見もよく伺いながら、新部設置についての判断をしていきたいと思います。

 もう1つ、安藤議員は、医療費助成の拡充についても取り上げられました。
 子どもへの医療費助成は、その財源を県と市町村が半分ずつ出し合って実施することになります。 
 つまり、対象者を拡大しようとすれば、それは県だけではなく市町村も財政負担を伴うことになりますし、当然、いったん拡充したものを、1年や2年で「やっぱりやめました」というわけにはいかないものです。

 その意味で、安藤議員は、「将来にわたって安定的な財源を確保できる見通しがないといけない。たとえば、10年程度続けるために必要な財源を基金として積み立ててよせておくようなことは考えられないか」というご質問をされました。 
 これについても、佐竹知事は「私が責任を持って財源を確保する。」と答弁し、積み立てには否定的な考えを示しました。
 私はこの答弁には大変違和感を覚えました。
 この医療費助成の拡大には年間5億円の財源が必要です。県が5億出すということは市町村も合わせて5億出すということです。
 10億円の自治体負担となる医療費助成拡大について、4年という任期の最後の年に突如としてそれを始めるのは、始めるタイミングとしては最悪でしょう。やるならそれこそ選挙の時にでも公約に掲げ、当選後速やかに実施すべき巨額の財政負担です。
 24年度半ばから導入し、25年春には知事選挙があるわけです。現時点で佐竹知事が「責任を持てる」範囲は、たったの半年でしかありません。
 私は、安藤議員の基金を用意しては、との提案に対して、もっと謙虚に、もっと前向きに受け止めるべきではなかったかと大変残念な思いがしました。

 私の質問について、佐竹知事がどういったお答えをされるかわかりませんが、精神論や抽象論、過剰な自信などに基づいた議論ではなく、もっと地に足のついた、身の丈にあった議論や答弁を知事には求めたいと思います。
 

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沼谷 純はこんな人!

昭和48年3月
秋田市生まれ。仁井田育ち。
平成7年4月
秋田県庁入庁、企画調整課配属。
平成22年12月
政治を志し、秋田県庁を脱藩!
(退職)
平成23年4月
秋田県議会議員に初当選。
現在3期目。
令和3年2月
秋田県議会議員を辞職し、秋田市長選挙に挑戦。
令和5年4月
政治家として再始動を決意。
現在
秋田市横森在住。

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