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改めて原発のこと。

2013年03月11日

 東日本大震災から丸二年。

 いろいろと書きたいことはあるが、やはり「原発」のことについて書いておきたいと思う。津波のこと、復旧・復興のこと、避難生活のこと、いろいろなことはあるが、これからの日本が背負った最も重いものが、「原発をどうするか」ということだと思うからだ。

 現在、国内にある50基の原発のうち、48基が停止中、2基が稼働している。福井県にある大飯3号と4号だ。

 原子力規制委員会は、原発再稼働の新基準を定めるため、その骨子案をまとめたが、現時点で、その骨子案に盛り込まれた新基準に適合する原発は1基もない。

 つまり、国内の50基全ての原発が、今のままでは再稼働できないということであり、多額のコストをかけて安全対策を施す必要があるということだ。

 現在、稼働している大飯3号と4号については、あくまで「暫定基準」に照らしての再稼働であるため、これも新基準が7月にまとまれば、その新基準には現時点で適合していないため、再び停止することも予想される。

 一方で、委員会では、安全対策の猶予期間を設けるという考えもあるようで、猶予期間が定まれば、新基準に照らした安全対策を施し終わるまでの間でも再稼働できることになるかもしれない。

 自民党は、総選挙において「全ての原発について3年以内に再稼働可否の判断をする」として、選挙を戦い、勝利をした。

 安倍総理は、先週の予算委員会で「3年以内に再稼働させるものはさせる。」とおっしゃった。

 「可否判断を3年以内に」というよりも、一歩踏み込んだようにも感じる。

 この流れでいけば、日本は原発とともに歩んでいくということになろう。

 

 逆に、仮に、「脱原発」を志向し、老朽化した原発から順次廃炉していくとすれば、1基につき1000億とも言われるような廃炉費用、50基全体では数兆円ともなるような費用は、電力会社のみではできなくなり、電力料金に跳ね返るか、政府が負担をするか、といったことになるだろう。

 

 また、廃炉費用よりもさらに大きな問題は、「使用済み核燃料」の処理費用と処理場所だ。原発をゼロにすれば、当然、プルサーマルと言われる核燃料サイクル(再利用)はできなくなるため、この使用済み核燃料を地下に埋設するといったことが必要になる。民主党政権下で、政府としては初めてこの埋設費用を試算したが、それが約7兆円という数字になっている。

 つまり、廃炉費用数兆円と、燃料処理費用7兆円というのが、「脱原発」のための直接コストということになる。

 このほか、火力発電での代替や、自然エネルギー導入のための送電網の強化など、発電コストそのものが上昇することも考えられ、これは国民や企業の電力料金に直接跳ね返る可能性がある。

 脱原発を実現するには多額の金と、長い時間がかかる。

 使用済み燃料を埋設する場所も見つからない。

 あらゆる意味で、困難な道のりだ。

 しかし。

 時間と金と忍耐が必要な道のりだから、それを諦めるのか。原発を続けるのか。

 私自身は、「否」と言いたい。

 

 発災直後、47万人の避難者がおられたが、2年経過した今も31万人が避難生活を送っている。
ふるさとに帰還する目途も立たないまま、いや、残酷なことを言えば、二度とふるさとの地を踏むことができずに、生涯を終える方もいるだろう。

 あの原発事故のとき、政府では5000万人が避難しなければならないという「最悪のシナリオ」も想定されていたという。

 日本人の2人の1人が避難者となるという事態がたった2年前に「起きていた」かもしれないのだ。

 私は20兆円かかろうと30兆円かかろうと、何年かかろうと、「脱原発」を志向していくべきだと今も思っている。

 我が国の、年間の社会保障関係経費は100兆円にのぼる。

 個人の保険料や政府の負担などのトータルでそれだけのコストが社会保障にはかかっている。

 脱原発のためのコストは、社会保障という「個人を保障」する経費ではない。
日本という「国家を保障」する経費である。

 日本人は、本当に原発とともに生きていく覚悟があるのか。
国民は、続原発を是とする自民党政権を本当に信任したのか。

 「まずは景気回復」という「目の前」のことに目がくらみ、あの2年前の「日本消滅」の危機を忘れてはいないか。

 そのことをもう一度問いかける日が今日なのではないか、そんな思いでいる。

  

 

知事選について。

2013年03月08日

 もう報道等で皆さま十分ご承知のこと、とは思いますが、今まで一切、知事選に関しては、ここに記してはこなかったので、改めて、思いの一端を書き記したい。

 私自身、「選挙」は出来れば避けたい。一度しかやっていない身でこんなことを言うのはよくないのだが、選挙をやらずに、政治家として政策立案や政治活動ができるなら、それに越したことはない。

 これは私に限らず、ほとんどの政治家の方がそうではないかと思う。

 しかし、その地域の発展や政治の精度を上げていくという意味では、「選挙」ほど、政策を練り上げ、政治家を鍛えるものはない。

 とりわけ、地方の首長は大統領制であり、強大な執行権限を持つぶん、いったん、首長というポジションに就いてしまえば、議会があるといえども、4年間を安定的かつ裁量権を持って政治・行政を運営していくことが可能である。

 これは議員内閣制や衆・参二院制といった、多様な「抑制装置」が埋め込まれた国とは違う、地方の姿である。

 国の場合はこの抑制装置が、逆に「決められない政治」や「進まない政治」を造りだす要因にもなっているわけだが。

 端的に言えば、国の場合は、走り出してからも抑制装置が様々に働きやすいのに対して、地方の場合は、走り出してからはなかなか抑制が効きづらいというのが実態であろうと思う。

 それゆえ、走り出し=「選挙」が国会議員選挙や地方議員選挙以上に重要であると思っている。

 いたずらに対立をすることも、対立軸を作ることもすべきではないのかもしれない。

 しかし、「健全な対立」は、地方の政治を活発にし、地域の将来像を明確にしていく上では、必要不可欠だと思っている。

 それは知事であれ市町村長であれ、そうだろう。

 そういう気持ちを持って、我が民主党会派は佐竹県政に向き合ってきたし、厳しい批判も敢えて繰り広げてきた。

 今回、様々な事情により知事選の独自候補を擁立できなかったことは、こういう私自身の思いからすれば、有権者の皆さんに大変申し訳ないと思っているし、それは佐竹知事を支持されている方、そうではない方、どちらの方に対しても、「選択なき県政の継続」という可能性を高めてしまったという意味で良いことではなかったと思っている。

 もちろん、まだ秋田県政史上初の「無投票再選」は確定していない。

 別の候補者が現れる可能性はゼロではない。

 しかし、消極的であれ積極的であれ、この「選択なき県政の継続」を選んだのは、民主党だけではなく、自民党も社民党も公明党も、県政に関わるあらゆる政党であり、その意味では、このまま無投票再選ということになれば、「選択なき県政の継続」に対する結果責任を、各政党が等しく負ったと思っている。

 県民が投票行動を通じて、直接佐竹県政を評価し、チェックすることができなかったぶん、今後、佐竹県政をチェックするのは、我々、県議会が一身に負うことになる。

 県民の選択機会を奪った(作り出せなかった)その責任を、県議会の各会派が十分にかみしめて、県政に向き合っていかなくてはいかないのではないかと率直に思う。

 そして、野党民主党の幹事長、沼谷純は、その責任を最も大きく感じて、県政と県民の皆様に向き合っていきたい。

 選挙なき政治は、必ず淀む。

 水でさえ、動きを止めれば腐る。

 淀むことなき秋田の政治のために微力ながら自分ができること、考えねば。

 

 

 

総括審査を終えて。

2013年03月06日

 総括審査を終えました。

 既に県議会のHPでその録画がアップされていますので、お一人でも多くの方にご試聴いただければ幸いです。

(視聴はhttp://gikai.pref.akita.lg.jp/repo_movie_soukatu.phtmlから。)

 読み上げるだけの一般質問とは違い、丁々発止の総括審査は、議員それぞれの特徴も出ますし、その議員が今どういうことに関心を持ち、どういうことに取り組もうとしているのかもよく伝わってきます。

 私に限らず、地域の議員、ご支持されている議員など、見ていただければと思います。議会も、議員も、良い評価であっても悪い評価であっても、有権者の皆さんから評価・チェックされることが何より大事なことですので。

 私自身は、今回、佐竹知事の財政運営について、最も多くの時間を割き、質疑をさせていただきました。

 佐竹知事がこれまで様々な政策を実施してきたことについて、私はずっと「やりすぎ」と思ってきました。

 多額の予算を必要とする政策を次々と実施し、その成果や効果がまだ表れているとは言えない段階のものも数多いということもありますし、新聞報道などにもあるような、新たな大型文化施設の建設構想など、「ハコもの」回帰という状況にあるようにも感じられます。

 エリアなかいちには総額135億円の事業費が、秋田市役所の建て替えには130億円が、そして、今度の大型文化施設もおそらく数十億という規模はくだらないと思われる中、こうした財政運営をこれからも続けていては、秋田県はもたないのではないか、ということを様々な数字やデータから読み取っていました。

 県政全体がメタボになっているのではないか、政策全体の見直しをしなければ、結局秋田県の借金だけが積み上がり、仮に今の世代が政策の恩恵にあずかろうとも、将来世代には重い負担がのしかかるのではないかということを非常に危惧をしていました。

 これは今の自民党政権下で行われているアベノミクスも同様です。

 秋田県では、既に燃料費の高騰や光熱費の上昇など、物価上昇の悪影響のみが先行していますが、賃金や所得の上昇にはつながっていません。そして、そうしたインフレ政策を実施するために、将来世代から大量の借金をして、公共事業を実施しています。

 国も県もこうした借金漬けの財政運営をしていたのはでは、「今」はよくでもいずれ、大変な状況になる、そしてその「いずれ」は遠い将来やいつかの未来ではなく、自分が生きているうち、あるいは子どもが社会に出て行くとき、そういう近い将来ではないかとも思っています。

 こうした危惧、状況を数字やデータを用いながら、佐竹知事と質疑させていただきました。

 除雪対策についても取り上げましたが、財政問題はこうした「目に見える課題」、顕在化した問題ではないぶん、非常に地味で、県民の皆様にとってもあまりおもしろみのないテーマではありますが、「見えない患部」、潜在的なリスクをしっかりと見極められる議員になりたいと思っています。

 

 

 

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沼谷 純はこんな人!

昭和48年3月
秋田市生まれ。仁井田育ち。
平成7年4月
秋田県庁入庁、企画調整課配属。
平成22年12月
政治を志し、秋田県庁を脱藩!
(退職)
平成23年4月
秋田県議会議員に初当選。
現在3期目。
令和3年2月
秋田県議会議員を辞職し、秋田市長選挙に挑戦。
令和5年4月
政治家として再始動を決意。
現在
秋田市横森在住。

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