現職大臣2人が同じ日に辞任するというニュース。
それに代わって、新たに就任した大臣が今度はSMバーの料金を政治資金から支出していた、というのだから言葉もない。「本人は行っていない」「間違った」というが、それが言い訳として通用しないことは国民の皆さまが一番よく解っている。
一方で、政府与党の方々は口を揃えて、スキャンダルの追及ばかりで大事な法案審議に遅れが出る、と野党を批判しているが、お門違いもいいところだ。
政府与党には強大な権限が与えられ、大臣ともなれば一挙手一投足、一言ひとことに全て注目が集まるし、それは選挙の際、「実績」や「知名度」という形で本人に大きなプラスとなるだろう。しかし、それと引き換えに、襟を正し、法を守り、国家国民のために職務に向かう義務は、一議員よりはるかに重く、それゆえ、そこから外れた時の責任もまた重くなる。
自分の顔写真入りのワインを配ったり、数千万の肩代わりをして支持者に観劇させることが「軽い問題」で、法案審議のほうが優先だ、ということになるならば、カネをばらまいて選挙に勝った人間が、権力を行使することが許されるということになる。
重要な政策なり法案を審議したいならば、ワインをばらまいたり、SMバーに政治資金を充てたりするような「政治の素人」を大臣になぞしなければよい。それだけのことだ。それとも自民党にはそういう政治家しかいないと言うのか。
それすらできないのに、「法案審議が遅れる」などとエラそうに言ってもらっては困る。
公職選挙法や政治資金規正法は、政治の「土俵」であり「ルール」だ。この土俵やルールがめちゃくちゃであれば、公正・公平は選挙や政治は行われないことになる。そこから生まれる政策や予算も正当性を失うことになる。
そういう緊張感を持って、政府与党には政権運営に当たっていただきたい。
解決されなくてはならない課題は、山積みであり、「物価高」と「実質賃金減」と「増税」の三重苦にあえぐ地方に暮らす我々こそ、一刻も早い「実効ある政策」の実行を願っているのである。
来週火曜の総括審査で取り上げる内容について、少し述べたいと思う。
1つは、先般、秋田県が国に申請した人口減少対策の特区構想についてだ。こういう動き自体は、人口減少に対する県の危機意識の表れという意味で、何ら異論を挟むつもりはないが、その中で、「外国人介護人材の受入促進」のための規制緩和が盛り込まれていたことには非常に違和感を感じている。
秋田は高齢化先進県であり、後期高齢者を中心に介護需要はこれからも増えることは間違いないだろう。しかし、だから「外国人」というのではあまりに短絡的だ。介護の現場は、その良し悪しは別として女性職員が7割から8割を占めており、労働環境や賃金、待遇などが労働内容に比べて低いゆえ、離職率も高いものとなっている。
こうしたところに県として手を打つ、ということが外国人受入の前にまず為されるべきことであろうと私は思っている。このことを佐竹知事に強く申し上げたいと思っている。
また、ソウル便や新たな文化施設についても取り上げるが、ソウル便については、佐竹知事は「必要不可欠な路線」との立場を崩していないが、果たして本当にそうなのか、少なくとも一般の県民の方々はそうは感じていないと私は思っている。運行再開をただ歓迎するのではなく、県と県民との間にある意識の差のようなものをどう埋めるのか、埋まるのか、そこについて議論をしたいと思っている。
文化施設についても同様だ。このまま粛々と県・市共同での計画づくりが進んでいけば、いずれ、建設費や建設場所などが示されていくだろう。
しかし、おそらくは「エリアなかいち」や「新市庁舎」と同等かあるいはそれ以上の巨額投資になるであろうこの施設について、その必要性を含め、県民の皆さまが十分に合意しているとは到底思えない。
ソウル便であれ、新文化施設であれ、要は「モノの決め方」がどうも県民の皆さまの意識や理解と少しずれているのではないか、そんな気がしてならない。
ソウル便の存続、そしてそれに対する財政支援、あるいは文化施設の建設とそれに対する財政投資ということについて、どうやって県民の合意を図るか、そこをなし崩しにするというわけにはいかないし、たとえ、新文化施設建設が佐竹知事の選挙公約の中に盛り込まれていたとしても、それをもって、有権者はあらゆることについて知事に白紙委任をしたわけではないことは明白なのだから、県民の意思をしっかりと捉え、そして説明責任を果たし、合意形成に努めるということについて、具体的かつ慎重な「決め方」を考えていかなくてはいけないだろうと考えている。
その意味で、ソウル便についても、新文化施設についても、1つの警鐘を鳴らす役割を担いたいと思っている。
9月議会も終盤になり、総括審査を残すのみ、というような状況だ。
議会において私たちが審議し、決定をするのは「予算」と「議案」の2つだ。
予算は、新たな事業を始めるに当たり予算が必要であればそれを審議し、その是非を審議するものであり、議案は、条例案など予算以外に議会が議決をしなければならないものだ。
議会の審議の中心は、どちらかと言えば「予算」についてであり、県から提出された予算案に対して議論が行われる。
この9月議会は県から提出された予算案のボリュームが多くなかったため、審議は淡々と進んだ印象がある。
一方で、予算案以外の県政課題については幅広く、総括審査において議論されることになる。
米価の下落の問題、全国各地で相次ぐ土砂災害などへの対応、あるいは間近に控えた国民文化祭など、目の前の「話題」から、人口減少問題や経済対策のような大きな課題まで、それぞれの議員がそれぞれの着眼点で取り上げることになる。
私も、この4年間弱の間に幾度もこの総括審査に臨んできたが、任期中にはもう1、2度しかないであろう貴重な機会として、今回も審査の臨むことになった。
繰り返し述べてきたが、総括審査こそが議員と知事、議会と当局の真剣勝負であり、議会の醍醐味だとも思っているので、しっかり準備して臨みたいと思う。
今回は、5つの問題を取り上げるつもりだ。
1.人口減少への対応
2.第3セクターの存廃
3.指定管理者制度の問題点
4.ソウル便の存廃
5.新たな文化施設の今後の議論の進め方
これらについて、明日もう少ししっかり内容を書きたいと思う。
総括審査は、秋田県議会HPで生中継される。今のご時世、タブレットなどの端末では見れないというのは本当に残念だが、もしご自宅などのPCでご視聴いただける方は是非、ご覧いただければ幸いです。
9月30日(火)15:30頃からの出番になろうかと思います。