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直球

2011年07月01日

 来週月曜日、4日に6月定例会のハイライト(と私は思っています。)である、予算の総括審査が行われます。
 議会の運営やその流れというのは、16年間、県庁に籍を置き、議員となった私ですら難解ですし、正直、必要な手続きなのでしょうが、かなりセレモニー的なものもあります。
 ものすごく乱暴に言ってしまえば、
 「一般質問」
 「常任委員会」
 「総括審査」
 の3つが、定例会の核になります。この3つの核を中心に議会日程が作られています。

 一般質問は、ご存じのとおり、知事などに議員が議場で質問をするものです。朗読会や学芸会とも評されるこの一般質問ですが、その良しあしはともかく、基本的には事前に質問と答弁が一言一句出来上がっています。
 一般質問が終わると、その次には、各常任委員会で、県から提出された予算内容を分野ごとに検討し、質疑を行います。
 この場には、知事はいません。議員と、そして、県の幹部らで質疑が行われます。これは全くノー原稿。ですから、議員の質も県幹部の質も、両方が如実に出てしまいます。トンチンカンな質問やトンチンカンな答弁がないわけではないです。
 そして、その常任委員会が終わると、いよいよ総括審査です。
 これには知事が出席しますが、一般質問と違い、ノー原稿です。

 つまり、議員も知事も、一対一で、まさに一問一答の真剣勝負が行われます。
 一般質問や常任委員会でのやり取りを踏まえた、さらに一歩突っ込んだ、生のやり取りです。
 その意味で、私は、この総括審査がハイライトだと思っています。
 この総括審査は、会派ごとに持ち時間が決まっています。持ち時間は所属議員の人数に比例しており、最大会派の自民党は70分の質問時間、我が民主党会派は誠に残念ながら15分しかありません。
 会期を年2回にして、議会の日数を増やしたのだから、もっと一人あたりの持ち時間を増やして、2日でも3日でも総括審査をやったらいいじゃないか、と個人的には思うのですが、今日はその話はやめておきます。

 ということで、来週月曜日、その15分の持ち時間を、同僚の虻川議員と、私で半分ずつに分け、総括審査をやることにしています。
 虻川さんは午後2時半頃、私は3時頃から、佐竹知事に一問一答を行います。
 インターネットでは生中継もありますし、録画中継もしていますので、是非、私たち以外の方の質問も含めてご覧いただければ幸いです。

 なお、私は、
 「秋田県のこれからの防災対策の進め方」として、特に、食料などの備蓄体制のことと、3.11のような大規模停電などへの対応について、知事に意見を言わせていただこうと思っています。
 また、「秋田のこれからの経済復興」や「節電対策」についても、問題提起をしたいと思っています。
 当選から3カ月、このブログで日々、いろいろなことを述べてきましたが、そうしたこともこの総括審査の場にぶつけていきたいと思います。

 かたや、県職員時代から出世街道を駆け上がり、幹部の座まで昇りつめ、その後、市長時代を含め10年のキャリアを誇る大政治家。
 かたや、同じく県職員ではあるものの、一兵隊として退職し、政治家歴3カ月の新人。
 その力量の差は、横綱と序二段ほどに明らかではありますが、どうか、この若輩者の心意気だけは買っていただければと思います。
 打ち返されても、直球しか投げません。というか直球しか投げれないので・・・・

 最近、いろんな方から、「もう少し肩の力を抜いてじっくりやったらどうか、走りすぎ、急ぎすぎじゃないか」といった、私のことを心配する言葉をいただくことがあります。
 が、じっくりゆっくりやれる性分ではないから、県庁を脱藩してしまったんです。
 どこまで走っていけるかは私の気力、体力、能力次第ですが、歩いていこう、という性分だけは残念ながら持ち合わせていないのです・・・・我ながら時々そんな自分に「勘弁してくれよ」と呟きたくなりますが。
 まずは、来週月曜。準備、準備。
 

卒業と入学

2011年06月29日

 原発解散、といった憶測が流れている。
 自民党谷垣総裁も、「受けて立つ」旨の発言をされたようだ。
 政局がどうなるかはさておき、今、日本が大きな転換点に来ていること、そして、国民的な議論や合意がなくては、その転換点をいかなる方向にも越えていけないことだけは確かだ。

 今、日本は「電力」に揺れている。
 産業界は、風力や太陽光の「全量買い取り」には慎重、というより、慎重を超えて反対と言ってもいいかもしれない。
 発電コストが高く不安定な風力や太陽光を電力会社が買い取ることで、電力料金が値上がりし、企業の生産コストが上昇し、競争力を失うという理由のようだ。
 一方で、原発不要論を唱える人もいる。
 原発がなくても、火力発電その他既存の電力をフル稼働させれば、日本の電力需要を十分に賄える、という理由のようだ。事実、先日の真夏日でも原発が稼働していないにもかかわらず、電力は間にあったではないか、といった具合だ。

 私は、どちらも一部は正しく、一部は間違っているような気がしてならない。
 企業の生産コストの上昇は税制その他の優遇措置や、企業自身のイノベーションによっても抑えることは可能である。原子必要論には直結しない。
 逆に、既存の電力で賄える、という論も、やや机上の空論じみて俄かに信じることは難しい。

 ただ、ヨーロッパでは既に、この「全量買い取り」制度は当り前に導入されているし、発電・送電部門の分離や電力市場自由化なども実施されてきた。
 未だ日本は、発電・送電が独占状態にあり、風力発電に参入しようとしても、結局、風車で発電した電気を、電力会社に送電して買い取ってもらわないとどうしようもないから、結局、電力会社の意向や許可がなくては、風力発電に参入できない。
 端的に言うと、風力発電をやりたい事業者は、電力会社に申し込む(応募する)、そして電力会社がその応募者の中から「抽選」で、事業者を決定するのだ。
 東北電力管内では、平成20年度には110件を超える応募があり、結局、当選したのは12件。
 実に倍率10倍である。
 こうした、「電力の入口と出口」を独占する電力会社が、一種の参入障壁になっていることで、風力発電が進まないという側面もあるのかもしれない。

 そしてまた、電力会社の情報公開という面においても、十分ではない。
 日本にはどのぐらいの発電能力があり、火力その他の発電設備がどのぐらいの稼働状況にあり、日本の総需要量に対してどの程度の余力があるのか、原発の発電量はどの程度なのか、といった当たり前の情報が国民に対して十分に公開されているとは言い難いからだ。(電気事業連合会のHPをご覧いただくと、入手できる情報もありますので、興味がある方はそちらをご覧ください。ここでは数値の羅列などは控えます。)
 だから、「脱原発」したときどうなるのか、「節電」が本当はどの程度切迫性があるのか、といったことがわからず、国民全体が疑心暗鬼になっている。風力や太陽光の可能性についても懐疑的になっている。

 原発解散したとしても、このままでは、国民は判断材料もないまま、その「一票」の権利は行き場を失い漂流するのではないかと私は危惧している。
 東電の株主総会も大荒れだったようだが、解散するにせよしないにせよ、やはり政府が、「時間がかかっても原発高校を卒業し、自然エネルギー大学に入学します」ということについて、正しい情報、国民が判断できる材料をしっかりと提示していくことが必要ではないか。
 判断材料を提示すればするほど、長年にわたる我が国の「電力」をめぐる様々な既得権益やしがらみ、勘違いや思い込みが明らかになっていき、「脱原発」や「再生エネルギー法案」というものの重さ、価値がハッキリとしてくるのではないかと思う。
 特に、これまで首都圏や工業地帯に、水と電気と空気と人材を供給しつづけ、代わりに二酸化炭素と交付税や交付金をもらってきた、我が秋田県のような地域にとっては、自分たちが供給してきたものの価値の高さを確認し、そして、自分たちの存在価値を高らかに宣言する絶好の転機となるはずだ。

 秋田県においても、これから本格的な、県民挙げての節電時期に入る。
 15%の節電、このことをやっていくことになる。
 県民の皆さまに対する説明責任、普及啓発の義務は県政にももちろんある。
 梅雨が明ければ夏がくる。さて、県・市町村の節電への呼び掛け、啓発は十分か。そして県民の皆さまにしっかりと届くか。
 そのことを来週、議会の場で議論したいと思っている。

これでいいのか。

2011年06月28日

 昨日の地元新聞の一面に佐々木元東大学長の論評が掲載されていた。
 その内容には、私ならずとも、驚いた方が多かったのではないだろうか。
 特に県政に関わる人間においては。

 震災後の秋田の観光が惨憺たる状況であること、そして、それに対応すべき県庁などの行政が、他の地域に比べて極めて不活発で消極的との評判が東京で流れていると指摘。
 さらに、それが本当ならば、「人災」であり、秋田が取り残される可能性を自分で広げているようなものだ、と述べている。

 不活発で消極的、と評されてしまっている秋田県政。
 では、お隣山形はどうなっているか、と思い、調べてみた。
 すると、こんなニュースが。
 「6月17日 吉村山形県知事が、県のアンテナショップ(東京・銀座)で、県内の旅館・ホテル・旅行業者らとともに観光PR」
 これと同時に、本格出荷時期を迎えるサクランボのPRや各旅行会社への訪問なども行ったようだ。
 「山形がけん引役となって東北観光を盛り上げたい」との抱負も吉村知事は述べたようだ。

 我が秋田県知事は、今回の6月定例会でも各議員の質問に対して、
 「秋田が観光面で東北復興のリーダーとして頑張りたい」との抱負を述べる一方、被災地支援などでの動きが遅いのでは、との指摘に対しては、「無用のパフォーマンスはしない」と答えている。
 しかし、まさにこうしたパフォーマンスの1つ1つが、特に観光などの面においては重要であるし、是非、佐竹知事にも復帰後のパフォーマンスを期待したい。
 それが無用かどうかは、本人ではなく県民、あるいは「時」が判断してくれるだろう。
 「踊る阿呆に見る阿呆どうせアホなら踊らにゃ・・」の精神でやってもらいたい。
 そしてまた、そういう精神で前向きに取り組む民間観光・宿泊業者が、伸び伸びと頑張れるような環境づくりにも努めてもらいたい。

 話は変わり。
 県議会の防災特別委員会が県内の備蓄倉庫などの状況視察に行っている。
 我が会派からは、小原議員も委員として視察に行った。
 それぞれの視察の詳細は、現時点で私は把握していないが、備蓄に関して、1つ非常に身近な「気になる事例」を挙げたいと思う。
 秋田市民としての視点になることをお許しいただきたい。
 秋田市の防災計画によれば、秋田市内の食料備蓄は市内11か所で行われてる。
 東西南北、ほぼ、地理的にはまんべんなく分布している。新屋支所、土崎支所をはじめ、私の母校である御野場中学校、私の住まいからの最寄りでは城東中学校など。
 しかし、それで安心してはいけない。
 その11か所の備蓄内訳の偏りがすさまじい。

 たとえば、紙おむつは、11か所のうち、2か所にしか備えられていない。
 さらに驚くことに、米もパンもない、つまり主食になるものが何もないところが3か所もある。
 新屋支所、土崎支所、そして河辺水防倉庫だ。
 新屋地区の備蓄倉庫は新屋支所のみであり、旧河辺町地地区にはこの水防倉庫のみである。
 つまり、その地区唯一の備蓄倉庫に、米もパンもなければ、幼児のための粉ミルクも哺乳瓶も紙おむつ、たったの1つさえないという惨憺たる状況だ。
 私は市議会議員でも、市長でもない。
 しかし、秋田市民としてこの状況は非常に憂慮しているし、河辺地区にお住まいの方や、津波や河川の氾濫などの影響を受けやすい新屋地区の方々などはこの事実を知ればどれだけ不安になるかとも思う。

 防災に関して、県には県としての役割、県議会には県議会の議論すべきことがあるが、是非、秋田市政においても、「本当にこれでいいのか」「このままでいいのか」という議論をしっかりとしてもらいたいと思う。
 命を守ることが行政の最低限の、そして、最初の役割だと私は思っている。
 たまたま秋田市のことを事例に挙げたが、県民の皆さま、是非、ご自身が住んでいる市町村の備蓄体制や最寄りの避難所、備蓄場所などをもう一度よく確認していただきたい。
 「備蓄倉庫があります」、「備蓄しています」の先、何がいくつ、まで確認してみていただきたい。
 きっと各市町村、気が引き締まることでしょう。
 

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沼谷 純はこんな人!

昭和48年3月
秋田市生まれ。仁井田育ち。
平成7年4月
秋田県庁入庁、企画調整課配属。
平成22年12月
政治を志し、秋田県庁を脱藩!
(退職)
平成23年4月
秋田県議会議員に初当選。
現在3期目。
令和3年2月
秋田県議会議員を辞職し、秋田市長選挙に挑戦。
令和5年4月
政治家として再始動を決意。
現在
秋田市横森在住。

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