日付を越え、ただいま、午前2時となりました。
明日、(すでに今日ですが)議会運営委員会と県政協議会が開かれる予定でしたが、急きょ、本会議も開かれることになりそうです。
本会議が開催される理由は、自民党会派から1つの決議案が出される予定となったからです。
この決議案を採決するかどうか、が明日の本会議の議題となります。
なお、決議案のタイトルは「TPP交渉への参加に反対する決議案」です。
この内容について、あるいは、自分の考えや対応について、整理をしたり準備をしたりしていたら、こんな時間になってしまいました。
TPPは、国会においても、民主党内部、自民党内部で賛否が分かれており、産業界でも主張が分かれています。
佐竹知事も今日の記者会見で、「判断材料がない」、「(農業などに対する)対策が出されていない」ということで、現時点では否定的な考えをお持ちであることを改めてお話されていました。
他の知事さんがたもそれぞれお考えがあるようで、交渉参加に賛成という立場の知事もおられるようです。
まさに、それぞれの政治家が、自らの思想信条や地域事情によって考え、行動していくテーマかもしれません。
最終的には、国会の場で、意思決定がなされていくとは思いますが、明日は私も政治家として、本会議の場で自分の立場を明確にしたいと思います。
TPPをめぐり、国内が騒然としている。
政府は、参加すれば、国内総生産を2.7兆円押し上げるプラス効果がある、との見解を示した。
関税撤廃の功罪だけがクローズアップされているが、日本が誇るアニメをはじめとしたコンテンツビジネスなど、知的財産の保護や、サービス業に関する規制緩和なども、議論のテーブルにあがっている。
一方で、先日、共同通信社が47都道府県知事にアンケートを実施したところ、約半数、27人の知事が態度を留保した。
また、本県の佐竹知事を含め14人の知事が反対との態度を明らかにした。
さて。ここからは個人的な感想を述べたい。
留保、は正直、話にならないと思っている。
賛成でも反対でもない、というのは評論家なら許されるが、仮にも地方自治を預かる、それぞれの地域のトップリーダーが、態度を明らかにしない、ということは、職務怠慢だと私は思っている。
TPPをペリーの黒船来航にたとえる人がいるが、今、目の前に舟(期限)が来ているというのに、受け入れるか、追い返すか、の態度をハッキリしない、しかし、舟はジワジワ近づいてきているということでは、情けない。
反対、という御意見には二つの論拠があるようだ。
1つは、「国民的合意形成ができていない。拙速。」といった手続き論。
2つめは、農業を中心に「マイナス影響」への懸念。
本県の知事はその両方ともに反対の論拠に挙げられているようだ。
そうした反対論について、敢えて少し反論を述べたいのだが、1つめの手続き論については、果たして「国民的合意形成」とはどういう状態を指すのか、を明らかにすべきではないか、と思う。
この議論を10年続けたらば、農協が「賛成」に回るだろうか。私にはそうは思えない。
本県においても、大館・小坂の焼却灰の受け入れについては、地元をはじめ反対運動が根強い。
今の状態を「県民合意」が図られている、と思う人は誰もいないだろう。
「合意形成」というのは、それほどに難しい。
それを、「国民的」に合意形成しろ、というのだから、これは努力するとしても、至難の技だ。
そういう、曖昧な条件を提示して、それをクリアしろ、というのは、反対のための理屈付けとなっていないか。
2つめの、農業等へのマイナス影響、についてだが、これは反対理由としてよくわかる。
岩手県では、県全体の生産額が約2400億円落ちる、という試算を発表した。
ちなみに、岩手県の県内総生産(実質)は約4兆8000億。
5%の落ち込み、ということだ。
では、秋田はどうか。
残念ながら、本県ではこうした試算は示されていないようだ。
もし、日本全体ではプラス効果のほうが大きいとしても、本県にとってはマイナス効果のほうが大きいのであれば、これは佐竹知事を筆頭に県を挙げて堂々と主張をすべきだ。
今からでも、こうした試算を県民の皆さまに示すべきだと私は思う。
なお、秋田県の県内総生産は約4兆円。
そのうち農業生産額は、約1300億円。
東北最下位だ。
食品製造出荷額も東北最下位。
自民党も民主党も、国政も県政も関係なく、このTPPについて、政治家は大いに、そして、党派を抜きに大いに議論をし、将来の日本、将来の秋田、将来の農業のことを決めていかなくてはいけない。
誰が何と言おうと、結論を出すべき時期が迫っていることだけは確かだ。
そしてまた、農協だけが農業者の代弁者ではないし、農業という生産者だけの視点ではなく、消費者の視点に立った議論も必要だろう。
まさに国民が判断するための材料を、国だけではなく地方も大いに出していくべきではないか。
昨日、「協働社会の構築」に向けた研修会に参加しました。
講師の方の言葉で印象に残ったのが、タイトルの言葉。
これからの時代は、人口ではなく、「人交」、つまり単に何人いるか、ではなく、どれだけ交わり、繋がっているか、その密度が大事だということで、この「人交密度」という言葉をお使いになっていた。
折しも、5年に1度の国勢調査の結果が公表された。
それによれば、平成22年度の秋田県の「人口」は約108万人。5年前の平成17年国勢調査と比較し、6万人減少した。
5年で6万人だから、1年で1万2千人の減少。毎年、秋田県から町が1つ消えていく計算だ。
さらにその内訳を見れば、64歳以下が7万2千人減って、65歳以上は逆に1万2千人増えている。
22年度時点での高齢化率は、29.6%となった。
日本全体で見ても、この5年間でついに人口減少となった。外国人を加えればかろうじてプラスだったが、日本人だけで見ればマイナスという結果だ。
こうした時代をただ嘆くのはある意味ではたやすいが、こんな時代だからこそ、「人交密度」という言葉が重く響く。
近年、全県各地で様々な地域おこしイベントが開催されるようになった。
感覚的な言い方で恐縮だが、数年前と比べても、「食」や「文化」や「祭り」など、多彩なイベントが実施されているように感じる。
もちろん、行政や商工団体などが主催、主導のものもあるが、NPOや若者が中心になって、まさに大地から湧き上がるように、その地域に根付こうとしているものも多い。
そして、こうしたイベントの多くが、志を持った現役世代の、仕事や家庭や様々な時間と労力の制約がありながらも、なんとかその地域を盛り上げて、次の世代に繋げていきたいという行動からスタートしているようにも思う。
人口は減っても、人交が増える。
そんな秋田にしたい。
現役世代が互いの繋がりの中から、化学反応を起こし、地域をリードする。
そこに、元気な高齢者が活躍の場を得て、次の秋田を担う子供たちが参加の場を得る。
そんなふうになったらどんなにいいだろう。
議員として、ではなく、現役世代の一人として、そういう「繋がる」秋田を創るために行動していきたい。