社会保障と税に関する諸々の法案の採決が行われた。
結局は、「今の痛み」を恐れる人たちと、「将来の痛み」を恐れる人たちの違い、ということだろう。
ただ、1つハッキリ言えることは、今の痛みと、将来の痛みはイコールではない。
今の痛みを先送りすればするほど、痛みは増し、その痛みを分かち合う分母は少なくなる。
借金が増えて、それを返す人口が減っていく、そういう日本の将来に向けて、何らメッセージを発しようとしない「今の政治家」を私は是としない。
「増税しか」と、批判する人たちに言いたい。
「増税すら」できずに、いかなる社会保障の将来像を描くのか。
増税も、TPPも、将来の日本の姿に向かっていく、一里塚でしかない。
全ては人口減少と少子高齢化に帰結する。
製造業も農業も、あらゆる産業が、日本というマーケットだけを相手にしているのでは「緩慢な死」を迎えるだけであるし、増大する社会保障費を借金まみれで続けていくこともまた「死」である。
今、手術すれば治せる病も、今の手術を避ければ手遅れになる。
手遅れになるのが、手術を避けた自分ではなく、自分の子であったなら、それでも人は手術を避けるだろうか。
今日から産業観光委員会の審議が始まりました。
新しく設置された観光文化スポーツ部にとって、初めての補正予算ということで、特に観光関連でどのような予算事業が提案されるのか、注目していました。
いくつかの事業が提案されましたが、私が気になったのは、「首都圏」での「JR駅」などにおける広告PRや、駅周辺でのイベント実施です。
こうした広報やイベントが意味がないとは言わないのですが、前々から観光関連の事業について感じていたのは、マーケティングが甘いのではないか、ということ。
具体的に言えば、観光客、誘客、と言うものの、一体、「どこから」、「どんな年齢層が」、「何を目的に」、「どういう手段で」、秋田にやってきて、そして、「どの程度満足しているのか」「何を感じて帰るのか」というリサーチが不足しているのではないか、ということです。
十分な統計データとは言えないものの、既存の統計資料から活用して、その傾向を見ていくと、県外から来られている方の6割が「マイカー」で秋田に来ており、観光目的は、自然鑑賞や観光施設訪問が最多となっています。
そして、秋田の情報をどこで入手したか、という点では、「インターネット」が最多となっています。
こうした傾向を見ていくと、県外客の「最大母数」は東北隣県などからのマイカーでの家族旅行などであり、来るときには事前にインターネットなどで、紅葉や花見などのシーズン情報やふるさと村やGAOなどの施設情報を入手して、来県されているということになります。
そうした意味で、首都圏でのJR駅を中心としたPRイベントだけではなく、東北管内でのPRや、スマートフォンやナビなどICTを活用したリアルタイム情報の提供などが必要だということになります。
特に、今年度は岩手県や宮城県においてディスティネーションキャンペーンが開催されることになっており、東北管内はもちろん、首都圏からも多くの方が隣県に観光で来ることが予想されます。
こうした観光動態をしっかりとつかみ、宮城や岩手県から、さらに「もう一歩」足を延ばして秋田に来てもらえるという可能性をカタチにするためにも、隣県との連携や、隣県へのPRが必要だと考えています。
私からは、委員会で、こうした東北管内の観光需要を掴む、そのための事業を是非検討していただきたいということを申し上げました。
また、もう1つ、秋田に来てくださる観光客の方々の動向やニーズをしっかり調査し、把握するだけではなく、「秋田に来ない人」、「一度も来たことがない人」が、秋田にどんなイメージを持っているか、秋田にどうして来ないのか、ということも調査すべき、と提案しました。
これまでの観光は砂漠に水を撒くように、お金を使い、パンフレットを作り、イベントをやってきました。
しかし、これからはしっかりとしたデータや調査、マーケティングをもとにした議論や事業立案をしていく必要があると思っていますし、そうした「緻密な」ロジックを、新しい観光文化スポーツ部には求めていきたいと思っています。