大雨が来て、そして去った。
床上・床下浸水など約100棟、由利本荘市では堤防決壊、高速道路は通行止め、各地に避難勧告が出され、県南部では停電もあった。
県議会議員になってみて解ったことが1つある。
それは、「自然災害」や「有事」に対する県議会議員の役割・機能・動きといったものが、どこにも明確になっていないことだ。
もっと言えば、情報伝達の仕組みさえ明確でない。
県や市町村では、たとえば震度に応じて職員の動員・登庁といった体制や、携帯電話への一斉メールでの情報伝達などのシステムが整っている。
しかし、県議会議員にはそれがない。
地震はもちろん、大雨や台風などの際、災害があった場合はもちろん、災害がなかった場合も、「災害がなかった」という情報が欲しいと私は思う。
そして、それは単に、「俺に知らせろ」といった権威的な意味ではなく、県議会議員というものが、そうした災害時にどういう働き、どういう仕事をするのか、住民の不安解消や速やかな災害対応のために何ができるのか、ということが明確になっていることが前提であるとも思う。
今は、散発的に県から情報は来る。しかしそれはファックスやPCへの電子メールであり、どうしてもタイムラグが生じる。しかも、その後の対応に関するルールがない。
自分の選挙区だから、と現場に飛んでいく議員もいれば、そうでない議員もいる。自主判断だ。
これはやはりおかしいと私は思う。
今、議会でも特別委員会が設置され、防災計画の見直しなどについて様々な議論がなされている。
私は委員会のメンバーとはなっていないが、「議員の役割」については様々な形で提言していきたいと思う。
会派や主義主張を超え、地域の代表である議員が、その地域に責任を持って対応する、避難所での運営に当たるといったことが必要ではないか。
2年前に、兵庫県で大雨があったとき、自治体からの避難勧告が遅くなったことで家族が命を落とした、として地域住民が自治体に対して損害賠償の提訴を行った。
今回の大震災を契機として、自治体の自然災害に対するリスク責任はより重くなった、と見るのが自然だ。今までは「無過失」と判断される事例も、今後は「過失」と判断される可能性もある。
それは、道路や河川管理者としての「ハード」に対する責任だけではなく、防災対策や災害時の初期対応などの「ソフト」に対する責任と両方の意味でだ。
そうした中で、議員もまた行政にだけその責任の一端を負わせるのではなく、議員としての責任や行動マニュアルを明確にしていく必要があるだろう。
産業労働委員会二日目が終わりました。
今日は東京にある県のアンテナショップ「美彩館」の22年度売上実績や、23年度の計画などを中心に質疑が行われました。
私からも何点か意見を言いましたが、その1つ。
「22年度の売上目標が1日あたり75万円となっており、実績は約73万となっている。23年度の目標額も引き続き75万となっているが、この目標設定は甘いのではないか。オープン初年度で、しかも年度末には震災があったにもかかわらず、ほぼ目標額に到達しているのだから、23年度の目標額は上方修正して、さらなる改善・努力をするという気持ちが必要ではないか。」
この意見については、
「23年度も夏場の電力調整や、震災後の消費の落ち込みなどが売上にマイナスに響く可能性があるので、それを考慮して引き続き75万円の目標額としたい」との回答が県側からありました。
その理屈でいけば、夏場の電力調整は、原発が影響しているわけですから、23年度に限らず、24年度も続く可能性があります。すると、電力不足が解消されるまで目標額を現状維持するということになりかねません。
秋田県のアンテナショップが他県に比べ、売上や立地条件で比較優位に立っているわけではありません。
フンドシを常に締めていかなければ、安易な目標や目標額に流されてしまうのではないかという懸念が覚えますし、それは秋田県産業の「アンテナ機能」の低下につながりかねません。
また、岩手や宮城のアンテナショップはむしろ震災後の「がんばろう」応援消費で、売上が伸びていることも事実です。
「電力調整はマイナス要素かもしれないが、だからといって75万円の目標額のままでいい、ということにはならない。もう一度よく美彩館の運営会社とも話し合ってほしい」と話しました。
こうした各委員会での予算審議を経て、最終的に、県議会として、補正予算案に賛成するか、あるいは修正案を出す、反対するといった対応が決まります。
佐竹県政下においては、最大会派である自民党からは一度も予算の修正や反対はありません。
予算案に対する賛成・反対は、県議会の全会一致である必要はありませんので、それぞれの会派ごとに賛成や修正といった対応を取ることになります。
民主党会派として、今回の6月補正予算案に全て賛成するか、一部の予算に修正案を出すか、といった対応は委員会での議論やこの後の予算総括審査などを経て決定することになります。
今回の6月補正予算は、全体として、被災地支援や本県の防災対策などに関するものであり、「やらなくていい」というものではありません。しかし、その「やり方」については、いろいろ議論が分かれる予算もありそうです。
やるか、やらないか、は言わば、デジタル。2進法です。
しかし、どうやるか、どのぐらいやるか、はアナログ。10進法です。
予算の世界は、ほとんどがこの10進法。またお金が無尽蔵にあるわけでもありません。
予算案に対して意見を述べる議員側の難しさが、逆に言えば、やりがいもそこにあるのだろうと思います。
もし、県予算における「議会裁量予算」とか「議会提案枠」といったものがあれば、もっと議員の発言や、議会の議決責任は重くなるかもしれませんが、そうなれば、今度は各会派間で枠の取りあいや分配が行われ結局、役所の「縦割り」ならぬ議会の「会派割り」になってしまう可能性があります。
議員内閣制ではない地方議会の政党とは一体なんなのかな、と考える今日この頃です。
今日は私が所属する産業労働委員会が開かれました。
この6月定例会では、秋田の防災対策に関する経費や秋田の経済復興、東北全体の復興支援に関する経費が、様々な分野において計上されています。
補正予算全体を見たとき、私としては気になる点、疑問に感じる点がいくつかあります。
それはおそらく予算要求をした各部局では答えられない問題、もっと言えば、佐竹知事のトップとしての判断を伴うものですので、、総括審査において直接、佐竹知事に問いただしたいと思っていますが、産業労働委員会においても1つ、具体的な事例を挙げて、提案をさせていただきました。
それは被災企業への支援です。
被災地で工場などがつぶれ、操業停止・廃業に追い込まれた企業は数知れません。
そのときに、県民の方なら誰しも思い浮かぶのが、
「土地だばなんぼでも秋田さある、空いてる工場もなんぼでもある、秋田で会社立て直してやってければいいねが。それで秋田も活性化するべ、もしそのまま秋田に残ってければ人口も増えるべさ。役所でもそういうごど思い切ってPRしていがねばダメだ」
ということです。
私もまさしくそう思います。
今回、そうした被災企業を秋田に迎え入れるための施策・予算が計上されました。
「秋田の空き工場に入ってくれたら、賃料の20%を県庁が助成します。その他、機械の購入など諸経費も20%助成します。」という内容でした。
皆さま、いかがでしょうか?
被災企業は、様々な債務を抱え、仮に再建するとしても、また新たな債務を抱える、といったような二重ローンの問題なども言われています。(政府で一定の対応策は決定済みですが)
そうした中で、わざわざ秋田にまで来て再建しようという企業があるなら、私はせめて1年あるいは2年は賃料ぐらいは県が全額助成すべきだと思います。
その代わり、その工場で1人でも2人でも秋田の人を雇用してもらえれば、秋田の雇用対策にもなり、雇用された方にとっては技術習得の場にもなるかもしれません。
山ほどある空いてる工場、使われていない、借り手がつかない工場に入ってもらって、そこをたかが「20%オフ」というのでは、ちょっとやり方が「セコイ」のではないかと思うのです。
タダでいいから来てくれ、という東北復興への秋田の姿勢、あるいは、そうやって来てもらうことが秋田のためにもなる、という大きなWIN−WINの関係を創ることが大事なのではないでしょうか。
本県の財源にも限りはあります。なんでもやればいい、とは言いませんが、今こそ、秋田が東北復興のリーダーになる、という意気込みを佐竹知事が本気で持っておられるなら、「20%オフ」はいささかセコイ。
もう少し、トップとしてのパフォーマンスがあっても良いのではないでしょうか。
明日は、委員会二日目。実りある議論・提言になるように頑張ります。
余談ですが、昨日のブログの内容について、いくつかお問い合わせをいただきました。
各種報道が既にされていますが、最も正確に(臨場感も含めて?)報道されているのがありましたので、そのURLを貼り付けました。おそらく今日・明日ぐらいはまだ観れますのではないかと思いますので、ご覧いただければと思います。各議員の発言もよく聞くと聞こえます。
http://www.akita-abs.co.jp/news/nnn/news8611408.html