まだ正確な開票結果は出ていないが、大阪府・大阪市のW選挙の開票特番を横目で見ながら、今、これを書いている。
結果を私が申しあげるまでもないが、私自身そうであるように、有権者の方々もまた、焦点となった「大阪都」構想について、詳しく理解されている人は皆無だろう。
行政のムダ、あるいは停滞する国政、政局に明け暮れる政治、出口の見えない日本経済の停滞といった不安と不満の海に、「大阪都」というノアの箱舟で漕ぎ出した。
どこへいくのか、どうなるのかも分からない。果たして、行けども、行けども茫洋とした大海原でしかないのかもしれない。しかし、その船に乗らずにいられない、じっとしていてもどうせ救われることはない、そんな心が、この結果、この投票率になったのではないか。
その意味で、どんな人でも、どんな希望でも、どんな不満でも積み込んでしまう船であるが、一方では、全てを満足させる魔法のような「解」は政治の世界にはないのであって、新知事・新市長の手腕がここから試されるだろう。
だが、私は、この大阪都という箱舟を評価している。評価している、という言い方はおこがましいが、地方から国を変えていくのだという方向はまさしく正しい。
法律や制度がないから無理だ、ではなく、法律や制度を国が用意せざるを得ないほどの「民意」、「発信力」、「行動力」を求めていくという、実行力を伴った「地方分権」の考え方には共感を覚える。
結果、それが実現するかどうかは別としても、そういうふうに地方政治が立ち上がっていくということはとても価値があることだし、立ち上がった地方政治というものに対して、有権者は期待もすれば、投票もする。
国政のカーボンコピーとなった地方議会や、国の役人の言いなりになっている地方行政などに有権者が期待するはずも、関心を寄せるはずもない。
「国から示されない」とか「明らかでない」とか、そんな言葉をよく口にする役人タイプの首長が増えた気がするが、住民が聞きたいのはそういう言葉ではないのだろうと思う。
さて、明後日から12月議会が開会する。会期は12月22日までとなっている。
民主党会派からは、9月の虻川議員に続き、小原議員が一般質問に登壇する予定だ。
橋下市長のやりたい「大阪都」には比べるべくもないが、私も、小原さんも「やりたいことがあって目指したこの道」である。
自慢ではないが、正直、背負ったリスクの高さなら、45人の県議会議員の中で、私と小原さんが1、2位を争うと自負もしている。
だからこそ。
だからこそ、やりたいことをやらねば政治をやる意味はない。
政局や権限や地位に固執して、やりたいことがない政治家なら誰であれ、御退場願わなければならない。
議員報酬の25%カット、政務調査費に関する第三者機関の設置、国際教養大学東アジア調査研究センターの設置予算への反対・・・・私自身もこれまでいろいろな場面で登壇・討論してきましたが、私自身がやりたいことはたった1つ、県政を県民の皆さまから「見える」ようにしたい、ということです。
見えないところで決まっていくこと、いつの間にか億単位のお金が動いていくようなことがあってはならないという想いです。
その想いを、この12月議会の場でもまた佐竹知事にぶつける機会がありそうです。