昨日の議会運営委員会、私から議会費全体の見直しについて、意見ペーパーを出させていただいた。
(ペーパーの内容はこちら)
いくつか提案させていただいたが、結果、大半が「現行どおり」ということになり、「県議会史の編さん事業」は各会派「持ち帰り検討」ということになった。
私がとりわけ今回こだわったのは、議員の視察(調査)のあり方だ。
私は、政務調査と別に支給される議員の海外調査旅費は廃止すべきだと考えている。
それは、政務調査費との二重取り、という県民の皆さまから思われても仕方ないものだし、年間300万の政務調査費では足りない、と言うならば、政務調査費の額を議論すべきであって、政務調査費と、海外調査旅費という2本立ての現行制度は、一般的な感覚として理解され難いのではないかと思うからだ。
行くな、とは言わないが、行くなら政務調査費で行きましょう、ということだ。
もう1つ。議員それぞれが所属する委員会ごとに「視察」を毎年行っている。
少し詳しく記載するが、県内視察として2泊3日、県外視察として3泊4日というのが通例になっている。
県内視察は、県内を8地域振興局単位に分け、1回の視察ごとにそのうち2地域を廻る。それを年に2回実施する。
たとえば、「秋田・由利」で1回、「仙北・平鹿」でもう1回というような形になる。2年で8つの地域全てを1巡する。
この視察もまた、効果や意義までは否定しないし、私も委員として昨年度調査に行っている。
しかし、素朴な疑問をお感じにならないだろうか?
県内の2地域を廻るのに、2泊は必要だろうか?民間企業の営業の方なら、半日で廻ってしまわれる行程ではないだろうか。
もちろん、調査が目的であるから、行った先、行った先で現場を見、意見交換をし、ということがあるぶん、次から次へと移動するということにはならないのだが、その本来の目的を達成することを前提としても、2泊する必要性は必ずしもないと思っている。
県内で日帰りで調査に行けない場所が果たしてどれぐらいあるか。秋田、由利、仙北、平鹿、とそれぞれ日帰りで4回調査に行くことだってできるのではないか。
高速道路網が整備されてきた秋田において、10年前と変わらず「2泊3日」が前提となっていることには一県民として素朴な疑問を私は感じている。
そして、それらの宿泊によって、議員に支給される宿泊費は1泊14,900円。
県内のビジネスホテルでは、探してもこれほどの宿泊費を取られる場所はなかなかない。
高いのではないか、という素朴な問題提起もさせていただいたが、「3食の食事の分もコミだから別段高くない」といったご意見が大勢であった。
こうしたこと1つ1つは、予算の額としても実はたいした額にはならない。見直しによる経費削減効果は議会費全体の中では微々たるものだ。
しかし、県予算6000億をチェックする責任を持つ県議会の「責任」とは、単に大局的な議論をする、とか、政策の方針を議論する、といったことだけではなく、何より「6000億の細部にまでこだわる」というチェック機能そのものだろうと私は思っている。
チェックなき提案、チェックなき議論は、空疎だとさえ思う。
その意味で、議会費についても議会自らがチェックし、1円だから良いとか、1000円だから少額だ、というのではなく、見直しをしていかなくてはならないと考えている。
県内宿泊一泊14,900円、ということをもって、県民の皆さまの信頼を損ねてしまう、チェック機能を疑われてしまうぐらいなら、宿泊費を半額にしてもらうほうがよほどいい。
誤解を恐れずに言えば、議員は「商品」だ。
有権者の方々が4年に1度、「投票」という対価を支払って、選択し、買う商品だ。
しかし、今、2人に1人しか、議員という商品を買わない。つまり半分に「要らない」と言われている。
地方自治の、地方政治の危機だ。
地方政治がその存在価値を失えば、日本の民主主義は死ぬ。
私は日本の民主主義を守り、よりよいものにしていきたい。
だから、14,900円にこだわる。
それとこれとは次元が違う、笑われるかもしれないが、私の中ではこの2つは全く違和感なく存在する。
とは言え、他の会派・議員のご理解を得られなかったのは、提案者たる私の力不足。
説得性・納得性・透明性をさらに高められるような仕事をしていきたい。